NYタイムズスクエアに置かれた持ち主不明のボストンバッグ。中から、全身にタトゥーが入った女性が現れる…。ミステリアスで掴みのある冒頭シーンから始まった「ブラインドスポット」は、米国NBCネットワークが巨額の制作費を投じて挑んだ、渾身のクライムサスペンスだ。
全身タトゥーの記憶喪失の彼女はジェーン・ドウ(身元不明女性の総称)と呼ばれ、背中にFBI捜査官カート・ウェラーの名前があったことから、身元解明の手がかりになればとFBIチームと一緒に行動することに。事件を解決するうちに、次第に明らかになっていくジェーンの過去。断片的によみがえる記憶によって、なんと凶悪なテロリスト集団「サンドストーム」の一員だったことが判明し、仲間だったウェラーたちに逮捕されてしまったジェーン。セカンド・シーズンは、逮捕されたジェーンがCIAで酷い拷問を受けているところから幕を開ける。
主人公ジェーンのタトゥーが事件解決の糸口となる、1話完結型ドラマという設定に加え、ジェーンをFBIに送り込んできた組織「サンドストーム」との対決要素がプラスされ、よりスケールアップしたダイナミックなストーリーが展開するセカンド・シーズン。
過去の記憶を取り戻していくジェーンが導く先にあるものは、果たして正義なのか、悪なのか…。ストーリーが進むほど、複雑に絡み合う陰謀の闇に引き込まれていく本作。一体どこまでがあらかじめ仕組まれていたことなのか…。陰謀の影で裏切りが連鎖し続けるジェットコースターのような展開が待ち受ける。
全身タトゥーに覆われた凄腕の元テロリスト、ジェーン。ファースト・シーズンで、かつて自分は敵対する組織「サンドストーム」の一員だったことを思い出した彼女は、セカンド・シーズンでは彼らの陰謀を暴くため、また己の過去と対峙するため、古巣の「サンドストーム」とFBIの二重スパイという危険な任務につくことに。そして明かされる、「サンドストーム」の正体と真の目的とは⁉
アクションシーンのカッコ良さや謎解きの面白さに加え、CIAや国家機密が絡むことでさらにスケールアップした謎とスリリングな展開が見どころだ。ジェーンと「サンドストーム」との衝撃の関係や、意外な人物と「サンドストーム」の隠された因縁、FBI内部に敵対組織のスパイがいることが判明するなど、一つの謎が解き明かされるたびに驚きと新たな謎が生まれる。スピード感を増す疾走感に釘づけになるに違いない。
危険を顧みずに事件解決に挑むタフなFBI捜査官たちもまた、弱さや悩みを抱えた“ひとりの人間”であることを描いたシーンが多いのもセカンド・シーズンの特徴だ。ジェーンやウィラーだけでなく、エドガーやザパタ、パターソンらのサイドストーリーも豊富で、チームメンバーそれぞれの苦悩や人間関係までクローズアップされている。これは、FBIメンバーにジェーンが親近感を増してきていることを投影させた演出にも思える。キャラクターの個性や人間味が丁寧に描かれていることで、ヒューマンドラマのような面白さも味わえ、より一層彼らの魅力にハマっていく。
また、今シーズンから登場する新たなキャラクターにも注目。彼らの存在が物語の面白さを倍増させていると言えるだろう。謎解きやアクションといった従来の持ち味だけでなく、深みを増すストーリーからも目が離せない。
タトゥーの謎に導かれ、さらに大きな敵と戦うことになったセカンド・シーズンでは、極限状態で揺れ動くチームの関係やロマンス、家族愛など、さまざまな“絆”が描かれている。チーム内での盗聴や情報漏洩が判明し、疑心暗鬼にかられるFBIチーム。裏切りや嘘が散りばめられ、誰を信じたらいいのか分からない状態だからこそ、信頼できる人、心の支えを切実に求めるのだろう。断片的によみがえる記憶を抱え、古巣の「サンドストーム」とFBIチームの板挟みで苦悩するジェーン。ジェーンを信じようと揺れ動くウェラー。果たして、気になるジェーンとウェラーの関係に進展はあるのか⁉
前シーズンで恋人を亡くしたパターソンや、エドガーたちにも新たな展開が。命をかけて戦う彼らが拠り所とする“愛”の行方とは…。その想いが深いほどに切なさが込み上げる。