キャプテンのトム・チャンドラーを筆頭に海軍の精鋭216名とウイルス学者を乗せ、北極で極秘訓練に当たっていたアーレイ・バーク級駆逐艦“ネイサン・ジェームズ”。無線封止により外部との接触を断っている間に、大陸では未知のウイルスが蔓延し、人類滅亡の危機に陥っていた。無政府状態と化した世界の状況を知り、自分たちが最後の希望であることを悟った乗組員たちは、艦内で治療薬を開発することを決意。犠牲を伴う命がけの研究の結果、治療薬の開発に成功、一刻も早く世界中へ治療薬を届けることがネイサン・ジェームズの次なる使命となった。派遣先のアジアでは、日本で発生したウイルス変異、中国による治療薬独占計画、ベトナムで起きた海軍拉致事件などの危機に直面。謎多き海賊“タケハヤ”を探し出すため、クルーたちは再び海へと繰り出したのだった。
ようやく平和の兆しが見え始めた矢先、悪魔の伝染病が“赤さび病”と呼ばれる植物病へ姿を変え、人類を蝕もうとしていた。驚異的な速さで感染が拡大し、かつてない食糧不足に陥った世界では暴動が発生。ネイサン・ジェームズは、唯一免疫を持つ植物の種“エラエス・ビリリス”を手に入れるべく、大海原へと舵をとる。しかし、世界の命運をかけた幻の種をめぐる争いは、想像を絶するものだった…。
“エラエス・ビリリス”をめぐる死闘から3年、アメリカは政治、経済、教育、すべてにおいて秩序が取り戻され、国家として正常に機能するまでに復興を遂げていた。平和への貢献が称えられ、その歴史を語り継ぐべくネイサン・ジェームズは博物館に、キャプテン・チャンドラーは士官学校の教官になり、新たな道を歩んでいた。やっと掴み取った平穏な日々だったが、史上最悪の悲劇によって、打ち破られることになる。
うららかな空の下、一般市民を迎え行われていた“海軍ウィーク”の最中に悲劇は起こる。サイバー攻撃が仕掛けられ、システムはシャットダウン。機能不能に陥り、海軍の精鋭たちの目前で次々と駆逐艦が破壊され、戦力を奪われる事態に。全滅したかと思われた米軍だったが、観光客を乗せ沖合に出ていたネイサン・ジェームズはなんとか攻撃を免れた。
民間人の被害者も多く出したこの攻撃を受け、大統領は公式に宣戦布告。“最後の戦艦”ネイサン・ジェームズに国家の存続をかけた使命が託されたのだった。
戦争を仕掛けたのは自由国家“大コロンビア帝国共和国”設立を掲げる革命家グスタボ。コロンビアを拠点にパナマ、キューバ、メキシコと北へ進出し、勢力を拡大していた。カリスマ的な魅力を持ち、南米の期待の星であり民衆の代弁者であったグスタボだったが、次第に過激さを増し、独裁者になりつつあった。そして、第3次世界大戦とも言うべき、長期決戦は避けられない状況に。国家への忠誠と揺るぎない信念を胸に、ネイサン・ジェームズは最後の戦いに挑む!
人を死に追いやる伝染病や、絶望的な食糧不足を巻き起こした植物病と立ち向かってきたネイサン・ジェームズ。最後に立ちはだかる敵は“人間”だった…。これまで先の読めないストーリーや心動かされる人間ドラマなど、様々な見どころで観る者を魅了してきた「ザ・ラストシップ」だが、一番の見どころはやはり緊張感溢れる迫力の戦闘シーンだろう。ファイナル・シーズンでも様々なシチュエーションで戦いが繰り広げられる。
草木が生い茂る奥地で戦いに臨むのは地上上陸部隊として派遣されていたサーシャ、グリーン、ウルフ、キャンディ。敵の罠にはまり、パナマ大統領暗殺の疑いをかけられ追われる身となった彼らは、敵陣に取り残されることに。応援要請も通じない状況の中、精鋭4人が決死の覚悟で挑む脱出作戦は手に汗握る迫力だ。
大海原で孤立無援の戦いに挑むのは、またしても最後の戦艦になってしまったネイサン・ジェームズ。大きなダメージを受けながらも、手持ちの戦力を駆使して目に見えぬ敵と死闘を繰り広げる。音を立てずに耳を澄ます緊迫した状況や、経験と決断力が物をいう心理戦には、思わず息をつくことを忘れてしまうに違いない。
戦いの場は、海上や地上戦だけではない。司令部もまたひとつの戦場だ。各方面から情報を収集し、次なる戦いに勝つ術を練る精鋭たち。しかし先制攻撃の打撃は想像以上に大きいものだった。追い詰められた司令部の最後の手段は、一か八かの奪還作戦。覚悟を決める戦士たちだったが、思いもよらない結末が待ち受けていた…。
破壊王ことマイケル・ベイが製作総指揮を務め、大迫力アクションが堪能できる「ザ・ラストシップ」。ファイナル・シーズンでは戦場の兵士たちの心理描写も巧みに描かれている。ネイサン・ジェームズの最後の勇姿を目に焼き付けてほしい。