地球を破滅させた核戦争から97年。宇宙ステーション“アーク”に逃れていた人類(空の民)は、人口増加による資源枯渇に直面し、地球への帰還を検討。地上の汚染状況を調査する先発隊に選ばれたのは、クラーク、ベラミー、オクタヴィアら 100人の未成年犯罪者だった。そんな彼らを地上で待ち受けていたのは、過酷な環境の中で強固な部族社会を発達させていた人類“グラウンダー”。そして核戦争が人工知能アリーによって引き起こされたことを知ることに。アリーは“世界の問題は全て人口過多が原因”と考え、核戦争で人類を削減。さらに“人類を肉体から解放し、より良い精神世界へ導く”ため、生き残った人類を仮想現実“光の町”へ閉じ込め、現実世界を核の炎“プライムファイア”で焼き尽くそうと計画していた。クラークがアリーを破壊するも、時既に遅し。人類に残された時間は6ヶ月しかなかった。
プライムファイアの脅威が迫る中、首都ポリスの地下にあるシェルターであれば5年間は生存可能であるとわかったが、収容は1200人が限界だった。そのため、シェルターを巡り、部族間の争いは激しさを増すことに。戦いの末に生き残り、リーダーとなったのは、“森の民”の女部族長インドラに育てられたオクタヴィアだった。そして、オクタヴィアはすべての民を平等にシェルターに入れることを決意するのだった。
一方、島の研究所に取り残されていたレイヴンの救出に向かったクラークやベラミーらは、アクシデントでシェルターに戻れない事態に。生き残る道は研究所のロケットでアークへ向かうことのみ。しかし、アークは無人で電源が切られており、誰かが電波塔から操作しなければならなかった。その役を買って出たクラークを残し、宇宙へと向かうことになったベラミー達。クラークは、間一髪のところでプライムファイアから逃れ、地下の研究所へ逃げ込んだのだった。
プライムファイアから42日後、驚異的な“闇の血”の回復力により生き延びたクラークが地上へと出ると、大地を覆う緑は全て焼き尽くされ、島を囲んでいた海も蒸発し、あたり一面荒涼とした砂漠が広がっていた。ポリスは跡形もなく破壊されており、シェルターの入口は膨大な瓦礫の下に埋まっていた。砂漠を彷徨い歩き、絶望の淵にあったクラークは、1羽の鳥によって緑豊かな谷へと導かれる。その谷こそが、地上に残された最後の楽園だったのだ。クラークは少女マディと出会い、谷の中で約6年の歳月を過ごす。
その間アークでは、地上と交信できず何も出来ないまま時間が経過。そしてシェルター内に閉じ込められた12部族は、見えない未来と食糧不足により極限状態にまで追い込まれていた。
そんなある日、緑の谷に宇宙鉱石採掘会社の囚人輸送船が降り立ち、女性指揮官ディヨザに率いられた凶悪な囚人たちが谷を占拠、クラークが捉えられてしまう。しかしアークのメンバーたちが囚人たちの母船を人質にとり、クラークの解放とシェルターを開けること、そして谷を分割し共生するという交渉を成立させたのだった。シェルターから人々を救ったディヨザだったが、他に目的があり...。
殺るか殺られるか、人類に残された最後の楽園をめぐり、血で血を洗う悲劇の幕が切って降ろされたのだった。
見どころの多いフィフス・シーズン、地下シェルター内に閉じ込められた人間たちのドラマも見どころのひとつだろう。5年後に地上に出て世界を再興するために、人類は多数を見殺しにすることで1200人を“選民”した。しかしシェルターの入口は瓦礫の山に埋もれ、生き埋め状態に。多くの犠牲を払ったのにも関わらず、彼らはまたもや大きな試練を迎えてしまう。最悪の環境下における先の見えない日々は、人間の健全なる精神を徐々に蝕み、現実的に迫る飢えと死への恐怖から、 集団心理は暴走を始める。
その時リーダーは秩序維持のために何を行うべきなのか?そして、課せられた使命“人類の生存”のために、どうあるべきなのか?若くして過酷な状況に置かれ、死の制裁をもって恐怖政治を敷く独裁者となってしまったオクタヴィアだが、その心は本当にダークサイドへ堕ちてしまったのか?育ての親インドラや、空の民の精神的支柱ケイン、そして兄ベラミーやかつての友クラークは、彼女の孤独な戦いを理解することはできるのだろうか...。
フィフス・シーズンは“選択と犠牲”という、正解の無い人類永遠の問いを私たちに投げかける。