ゾンビウイルス感染から3年が経ち、深刻な事態に陥っていたアメリカ。人類存続のためワクチン開発実験を行うが、被験者の中で成功したのはたったひとりマーフィだけ。唯一ゾンビ抗体をもつ男となったマーフィを研究所のあるカリフォルニアまで護送することが生存者のミッションになった。“噛み痕(バイトマーク)作戦”と呼ばれるこの任務を託された元州兵ウォレン。こうして3000マイルに渡るゾンビ大陸横断の無謀な旅がはじまった。
進化を遂げるゾンビや怪しげなカルト集団の危険、共に戦った仲間の死など、様々な困難に直面するも、希望を失わず乗り越えてきたウォレンたち。長老ドク、凄腕スナイパー10K、市民Zことサイモン、強気な戦士アディをはじめとする“チーム:バイトマーク”は、戦うごとに団結を強め、堅い絆で結ばれていた。そんな彼らの耳にゾンビと無縁の新世界ゾナの情報が入る。
強大な権力者が創り上げた楽園ゾナは、富裕層や研究者など総人口の0.0001%が住むことができる場所。しかしその住人にはある秘密が隠されていた。鍵となるのは“黒い虹”。謎を解き明かすべく、ゾナへ向かうウォレンとマーフィ。明らかになった「黒い虹作戦」の全貌は恐ろしいものだった...。
一方、ドクや10Kが目指すのは、政府の役人が関与しているという安全地帯“ニューメリカ”。まだ見ぬ理想郷は、果たして本当に存在するのか...。
フォース・シーズン衝撃の結末から2年後、「黒い虹作戦」が実行され黒い雨が降り注いだ世界では、体が死んでも意識は残るといった、死んではいるが話すことができる“トーカー”が誕生。人間でもゾンビでもない、新たな人種が世紀末に生まれた。
ゾンビとトーカーの判別に悩まされながらも、なんとかニューメリカに辿り着いた一行。ニューメリカでは若者ジョージがリーダーとなり、新たな国家が誕生しようとしていた。ジョージが目指すのは、人間とトーカーが共存し、みんなで作り上げる新しい国家。脳みその成分を接種していないと凶暴化してしまうトーカーには“ゾンビビスケット”を与え、問題を解決していた。
建国最初の一歩となる投票日、希望に満ちていた会場で爆発事件が発生。首謀者とされたのは、ジョージの右腕として活躍してきたトーカーのダンテだった。この事件をきっかけに、これまで人々の中で燻っていたトーカーへの不信感が露わになり、共存派よりも隔離派の勢力が強くなってしまう。大爆発によって急増したトーカーのために必要なゾンビビスケットの供給も止まってしまい、凶暴化したトーカーと隔離派の生存者たちは一触即発 の危機に。事態を収拾するため街を出たジョージと、その手助けをするウォレンたち。かつての仲間と再会を果たし、新国家設立というゴールを目指す。ついに終わりを迎えるウォレンたちの旅。世紀末を生き抜き、辿り着いたひとつの答えとは...。
次々と新しいゾンビドラマが登場するゾンビ戦国時代で、生き残り、ファイナルを迎える「Zネーション」。根強い支持を獲得した理由のひとつに、他では見ることのできない魅力的なゾンビたちの存在がある。続々と強烈な個性のゾンビが生み出され、そのバリエーションの豊富さで他を圧倒してきた。
振り返ってみると超高速ゾンビ“ブラスター”や植物ゾンビ“ファイト”、発光ゾンビ、フルメタルゾンビ、デコゾンビ、ゾンビ団子、ボムゾンビ、エンダ―ズ、不死身のゾンビ“マッドゾンビ”や2人の科学者が融合した“フランケン・ゾンビ”など様々な変わり種ゾンビが本作を彩ってきた。
ゾンビファンの心をくすぐり、恐怖と笑いをもたらしてくれた変わり種ゾンビもいよいよ見納め。ファイナル・シーズンにはフィナーレを飾るにふさわしいツワモノが登場する。その名もトーカー。厳密にはゾンビではないのだが、「死んでいる」「脳味噌を食べる」といった点を考えると“死んだ人間”というよりもむしろ、“生きているゾンビ”と呼ぶ方がふさわしいだろう。言い換えればゾンビの定義に一石を投じる強者なのだ。その他、トーカーに比べると小ぶりな、レインコートをまとった“ポンチョゾンビ”や、世紀末初期にゾンビ化し、なかなかお目にかかれない“オールドゾンビ”などの新種ゾンビも登場。ゾンビ界をざわつかせてきた変わり種ゾンビが有終の美を飾る。