闇の騎士(ダークナイト)こと漆黒のヒーロー、バットマン。彼の正体は、ゴッサム・シティを拠点とするウェイン産業の御曹司ブルース・ウェイン。幼い頃、目の前で何者かに両親を殺害されてしまったブルースは、なぜゴッサムに留まり、バットマンとして降臨するようになったのか。これまで謎に包まれていたヒーロー誕生の裏側を、バットマンの盟友ジム・ゴードンの若き日を追いながら描いた「GOTHAM/ゴッサム」がついに完結する。これはダークナイト伝説のはじまりであると同時に、宿敵ゴッサム・ヴィランの誕生秘話でもある。
ウェイン夫妻殺害事件の担当になった新米刑事ジム・ゴードンとハービー・ブロック。真犯人を突き止めるとブルースに誓い、捜査を進めるが、ゴッサムにはびこる悪が行く手を阻む。激化する裏社会の権力争い、ヒューゴ・ストレンジ教授の人体実験によって解き放たれる怪人たち、そして野望を抱き派手に暴れ回る悪党たち。次々と立ちはだかる強敵によってゴードンの正義感は揺らぎはじめる。
一方、執事アルフレッドやウェイン産業の元従業員ルーシャスの助けを借りて、両親殺害の真相を探っていたブルースは、“梟の法廷”と呼ばれる闇の組織に接触。悪名高き秘密結社“梟の法廷”はウイルス爆弾を仕掛け、ゴッサムを粛清するという大義を果たそうとしていた。ゴードンはこの計画を阻止することができず、ウイルスによって人々が凶暴化。責任を感じたブルースはついに自警活動を始め、闇に支配されたゴッサムに希望の光が射しはじめる。
こうした混乱に乗じて裏社会の頂点に君臨したペンギンの無謀なやり方によって、秩序を取り戻したかのように見えたゴッサムだったが、凶悪犯罪者が集うアーカム・アサイラムから囚人達が脱走。首謀者はマッド・ハッターこと催眠術師のジャービス・テッチ、スケアクロウことジョナサン・クレイン、そしてジェロームという史上最悪のトリオだった。さらにジェロームは恐怖の軍団を指揮して、ゴッサム市民を“笑気ガス”の餌食にしようとしていた。時を同じくして、ラーズ・アル・グールによる、バーバラを巻きこんだ陰謀も明らかに。ゴッサムを襲った悲劇の数々。すべてはほんのはじまりにすぎなかった。本当の悪夢はここからはじまる…。
ゴッサムに新時代をもたらしたい者、闇の騎士の誕生を望む者…、制御不能の極悪人たちによって火の海に包まれてしまったゴッサム。橋は崩壊し、本土と分断され、ゴッサムは完全な無秩序状態の孤島と化してしまった。この無法地帯で犯罪者たちが幅を利かせ、力を持つ者が各エリアを縄張りにしていた。市庁舎と武器庫を乗っ取り、弾薬を製造して銃器を支配しているペンギン。バーに溢れた食料や酒と引き換えに、情報の売買で金を儲けるバーバラとタビサ。その他にも、西側はスケアクロウことジョナサン・クレインが占拠し、北側ではファイヤーフライとミスター・フリーズが縄張り争いを繰り広げていた。
さらに、ジェロームの遺志を継いだジェレマイアも勢力を広げ、ジェレマイア・ヴァレスカ教会には狂信者が続々と足を運んでいた。そこには自滅的な愛でジェレマイアに仕えるエコーの姿も。半身不随になったセレーナの復讐を果たすため、ジェレマイアを追うブルース。ジェレマイアとブルースの関係が“特別”なものへと変わる歴史的な瞬間は、目前に迫っていた。
州政府からの救援救助も得られないまま取り残された市民を守るべく、ゴードンはゴッサム市警を指揮。ライフラインを整えた居住区“ヘイヴン”を設け、避難民を保護していた。しかし何者かによって爆撃され、木端みじんに。非道なやり方で無実の市民を巻き込んだ爆撃犯に憤りを隠せない悪党たち。裏社会の総力を結集した犯人探しは意外な人物に辿り着くが、その裏には大いなる黒幕が存在していたのだった。
暴走する二重人格に頭を抱えるリドラー、究極の決断を迫られるポイズン・アイビーに加え、最強の敵ベインも登場。ゴッサムの運命をかけた最終決戦の行方はいかに。
何度バットマンが危機を救おうとも、腐敗した恐怖の街であり続けるゴッサム・シティ。ゴッサムは、狂気に満ちた犯罪者たちが活躍するために用意された晴れの舞台なのだ。権力に魅せられた者、愛に狂わせられた者、内なる狂気が目覚めた者、様々な悪が存在するゴッサムで多くのヴィランに共通して言えるのは、誰もがゴッサムを愛し、ゴッサムに生きた証を刻みたいと思っているということ。その屈折した愛が、恐ろしくも観る者を魅了する。
持ち前の狡猾さと残忍さで巧妙に立ち回り、傘当番から裏社会を牛耳る悪党へと上り詰めたオズワルド・“ペンギン”・コブルポット。ゴッサム市警の科学捜査官から、“謎”を武器に翻弄するリドラーへ変貌を遂げたエドワード・ニグマ。盗みを得意とする孤児からキャットウーマンへと姿を変えるセリーナ・カイルなど、シリーズ初期から活躍してきたゴッサムを語る上で欠かすことのできないキャラクターたち。
その中でもギャングのトップを虎視眈々と狙う裏社会の女王フィッシュ・ムーニーや、植物と心を通わせ誘惑を武器にするポイズン・アイビー、アーカム収容後に狂気が覚醒したゴードンの第一の婚約者バーバラ・キーン、精神科医からテッチ・ウイルス感染を機に悪の世界に足を踏み入れたゴードンの第二の婚約者レスリー・トンプキンスなど、悪女たちの華麗なる邪悪さは観る者を釘付けにしてきた。
ファイナル・シーズンではジェレマイアに全てを捧げるエコーや、ラーズ・アル・グールの娘ナイッサなど、強烈な悪女が登場。エコーは『スーサイド・スクワッド』でマーゴット・ロビーが演じ、人気が急上昇したヴィラン“ハーレイ・クイン”を彷彿とさせる。
その他にもヒューゴ・ストレンジ、スケアクロウ、ミスター・フリーズ、マッド・ハッター、ラーズ・アル・グール、ソロモン・グランディといった数々のヴィランが盛り上げてきたが、ファイナル・シーズンでは満を持してベインが登場。『ダークナイトライジング』でトム・ハーディが演じた最恐のヴィランは、「GOTHAM/ゴッサム」でどのような恐怖をもたらすのか。
ゴッサムが誇るヴィランが大集結し、激動の展開をみせるファイナル・シーズンには、ジム・ゴードン役のベン・マッケンジーとバーバラ・キーン役のエリン・リチャーズが自ら監督・脚本としても参加。DCの中でも最も恐ろしいといわれるゴッサム・ヴィランズがみせる怒涛のフィナーレは、ダークナイト伝説に新たな歴史を刻む。