悪が横行する街、ゴッサム。この街で一番の名士として名を馳せるウェイン産業の代表トーマス・ウェインとその妻マーサの殺害事件によって悲劇は始まる。両親を目の前で殺害され悲しみに暮れる一人息子ブルースは執事のアルフレッドと共に強くなることを決意。新米刑事ジム・ゴードンは、彼の無念を晴らすため犯人逮捕を誓う。ベテラン刑事ハービー・ブロックとコンビを組み、捜査を進めると、トーマスの友人だったヒューゴ・ストレンジ教授が犯人候補に浮上する。ゴッサムの地獄とも言うべき凶悪犯罪者の精神病院“アーカム・アサイラム”の所長を務める一方、地下に存在する研究施設“インディアン・ヒル”で非道徳的な人体実験を行っていたストレンジ。ファイヤーフライやミスター・フリーズなどのモンスターを造りだすことに成功したストレンジは、暗黒街の女王フィッシュ・ムーニーさえも、実験対象としてしまう。新たな能力を身に着けゴッサムに生き返ったフィッシュは、インディアン・ヒルの怪物を率いて忌まわしい収容所から脱出。怪物たちが解き放たれたゴッサムはさらに混沌と化す。
そんな怪物たちを捕えて生計を立てるゴードンの元に1件の捜索依頼が舞い込む。その依頼主は催眠術師ジャービス・テッチ。懐中時計を使い人々の心を操るテッチは、特殊な血液をもつ妹アリスへの愛をこじらせたヴィランであった。一方、ブルースは両親が殺害された事件のカギを握る秘密結社“梟(フクロウ)の法廷”に接触。ゴッサムを操る闇の組織は、暗殺者タロンを従え、ゴッサム浄化計画を着々と進めていた。その全貌はテッチのウイルスをヒューゴ・ストレンジに開発させ、市民同士に殺し合いをさせるというもの。さらなる狂乱状態に陥ったゴッサム。足を踏み入れたら、二度と戻ることはできない...。
ウイルス事件から3ヶ月が経ち、徐々に日常を取り戻しつつあったゴッサム。裏社会を牛 耳っていたのは、最恐の殺し屋ザーズを従えたペンギンだった。かつて市長を務めていた ペンギンは、事件の反省を経て犯罪行為の組織化を思いつく。“凶悪犯罪半減”を目標に掲 げ、犯罪許可証を交付。犯罪を合法化するペンギンのやり方にゴードンが黙っているわけ がなかった。法と秩序に基づいて悪人を裁くべきと考えるゴードンが独裁体制を敷くペンギンへの対抗策として目を付けたのはかつての裏社会のボス、ファルコン。前線から退いた今もなお、大きな影響力を持つそのビッグネームは、ドンの娘ソフィアへと受け継がれ、再びゴッサムへと舞い戻る。はたしてペンギンとの全面対決になるのか?それとも共闘体制になるのか...。
一方、一連のウイルス事件の責任は自分にあると感じたブルースはついに自警活動を開始。月夜に闇をまとい、犯罪者を取り締まりはじめる。そんな彼に目を光らせるラーズ・アル・グール。ブルースを後継者にしたいラーズと、二度と騙されないと誓うブルース。世紀の対決の時が刻一刻と近づいていた。ゴッサムを守るため、ラーズとの戦いを制すため、ブルースが下す決断とは。いかに変革が起ころうとも、ゴッサムから犯罪がなくなることはない。恐怖のウイルスを撒き散らすスケアクロウや汚職警官を狙った殺人鬼プロフェッサー・ピッグなど、残忍な凶悪犯が、今日もゴッサムに恐怖をもたらす。その混乱の陰で虎視眈々とトップの座を狙い続けるゴッサムの華麗なる犯罪者たち。死人も生き返るこの暗黒街の真の帝王は誰なのか...。
狂気の限界を極めた犯罪都市ゴッサムの住人達。恐ろしくも人々を魅了してやまない彼らにとって興味があるのはただひとつ。ゴッサムのトップに君臨すること。それはすなわち世界の犯罪者のトップに君臨することでもある。ゴッサムを愛しているからこそ、中途半端な悪が邪魔することを許さないサイコパスたちの権力抗争。日々変わりゆく図式の中で、頂点を勝ち取ったのはペンギン。フィッシュの手下時代から培った忍耐力と持ち前の狡猾さで再びゴッサムのトップに舞い戻った。ペンギンが率いるのは種々雑多な異色軍団。命の恩人アイビーと殺し屋ザーズを従え、手下にはファイヤーフライやミスター・フリーズといった怪物たちを揃えている。
対するはゴッサムが誇る悪女3人。スター性をもつ無鉄砲なやり手犯罪者バーバラ、ゴッサムを縦横無尽に飛び回る孤児キャット、冷酷非道な戦闘士タビサたちの共通理念はただひとつ。“誰にも従わない”こと。美貌、頭脳、戦闘能力、あらゆる武器を容赦なく使い、顔色を伺いながらの生活との決別を誓う。激しい権力抗争から一歩引いて、暗闇に紛れ込みながら様子を伺うレスリーやリドラーといった面々がいる一方、邪道なやり方でおなじみの悪人たちを憤らせる者がいる。狂気の原点とも言うべき予測不能の新参者たちだ。太古の伝説から蘇りし男ラーズ・アル・グールや恐怖を武器に復讐を目論むスケアクロウ。そして市警の腐敗と堕落を断ち切るという正義のため、ゲームを楽しむかのように拉致と殺人を繰り返すプロフェッサー・ピッグなど伝説のヴィランたちが掻き乱す。すべてはゴッサムのため。ゴッサムの悪夢は終わらない。