海難事故で行方不明となり死んだと思われていた御曹司オリバー・クイーン。しかし彼は絶海の孤島リアン・ユーに流れ着き、そこでサバイバル技術を習得していた。暗殺者としての訓練を積んだオリバーは、家族や友人の待つスター・シティへ舞い戻る。プレイボーイとして振る舞う彼には裏の顔があった。父から譲り受けた手帳にリストアップされた悪人たちを、正義の矢で射抜く“グリーンアロー”という顔が…。元軍人のジョン・ディグル、天才ハッカーのフェリシティ・スモーク、科学者にして発明家カーティス・ホルト、妹のテア・クイーン、オリバー同様に暗殺者となっていたサラ、自警団あがりの“ワイルド・ドッグ”ことレネ・ラミレス、メタヒューマン“ブラック・キャナリー”ことダイナ・ドレイクら仲間と共に“チーム・アロー”を結成し、街の平和を守るために戦うのであった。しかしオリバーは、夜の悪人粛清活動だけでは真の平和は訪れないと悟り、スター・シティの市長選挙に立候補し当選。腐敗している行政や警察の改革を断行するが、激しい抵抗に遭ってしまう。そんな昼夜の激務に疲弊するオリバーを支えたのは、常に傍にいたフェリシティ。二人はついに結ばれ、結婚。オリバーの息子ウィリアムと三人の生活が始まったが…。
シックス・シーズンでは、グリーンアローの素顔が映った写真がテレビで公開され、オリバーがグリーンアローではないかとの疑いを向けられる。そして遂に、オリバーは市長を罷免されてしまうのだった。街や警察を支配し、チーム・アローのメンバーと彼らの愛する人々の命を狙うディアス。オリバーはFBIに助けを求めるが、仲間の免責と引き換えに、グリーンアローであることを認め、逮捕されることが条件だった。自らを犠牲にし、チームを守ったオリバーは、凶悪犯ばかりが収容される刑務所へ送られたのだった。
ようやくフェリシティと結ばれ、息子ウィリアムとの生活を始めたオリバー。夫として父として役割を果たそうとしていた矢先、家族は早くも離れ離れになってしまった。連続殺人犯としてオリバーが収監されたのは、最高レベルの厳戒態勢が敷かれた凶悪犯専用の刑務所。模範囚として仮釈放されるために様々な屈辱に耐えるオリバーであったが、まさかの大きな試練が訪れる…。
いっぽうフェリシティは、オリバーなき後のチーム・アローをまとめていくことに苦戦。チームはバラバラになってしまう。血の繋がらない息子ウィリアムとの関係にも悩み、孤独感を深めてゆく。オリバーがようやく戻って来ても、二人の間には修復できない“何か”が横たわっていた。一度すれ違ってしまった心は、簡単には戻らない。そんな中でフェリシティは、オリバーの子を宿したことを知る…。果たして二人の愛の行方は?
そしてセブンス・シーズンでは、隠された過去を描く“フラッシュバック”ではなく、二十年後の未来を描く“フラッシュフォワード”シーンが登場する。そこには、逞しく成長したウィリアムと、フェリシティが産むことになる娘ミアの姿が…。二人は行方知れずとなった母フェリシティを探していた。いったいなぜフェリシティは姿を消したのか?父オリバーはどうなってしまったのか?離れ離れになってゆく現在と、再び一緒になろうとする未来。家族の運命はいかに?
セブンス・シーズンもうひとつの見どころは、エミコ・クイーンの存在だろう。突如オリバーたちの前に現れ、驚愕の事実を告げるエミコは、なんとオリバーの異母妹。死んだ大富豪ロバート・クイーンと日本人女性との間に密かに生まれていたという。彼女が背負う“宿命”や“闇”をめぐって、さらなる悲劇のドラマが展開される。エミコはセブンス・シーズンのもうひとりの主役と言っていいだろう。
そんなエミコを演じるのは、注目の日系人女優シー・シモオカ。日系ハワイアンである父とフランス系イギリス人の母という多彩なルーツを持つ彼女は、チャーミングな中にもどこかミステリアスな雰囲気を漂わせる。まさにエミコ・クイーンを演じるにふさわしい女優と言えるだろう。