裁きの矢で悪を射抜け!
ダークヒーロー“アロー”の壮絶な戦いを振り返る
大富豪の御曹司でプレイボーイのオリバー・クイーンは、クルーズ中に遭難事故に遭い、凶悪犯罪者の流刑地である絶海の孤島“リアン・ユー”に流れ着く。島で高度なサバイバル技術を習得したのちに、弓術の修行を積み、世界最高レベルの暗殺者となった。遭難事故から5年後、故郷スター・シティに帰ったオリバーは、亡き父から受け取った手帳のリストにある悪人たちへ私的制裁を行うため、夜は“闇の狩人”アローとなって活動する。
しかし殺人も厭わぬ強引な手法は、警察の捜査対象となるだけでなく、多くの恨みも買ってしまう。オリバーは苦悩するが、彼には支えてくれる人たちがいた。のちに愛を育むことになる天才ハッカーのフェリシティ、凄腕の軍人ジョン・ディグル、元恋人のローレルとその妹サラ、姉妹の父であるクエンティン・ランス刑事、アーセナルことロイ、そしてオリバーの妹テアらが“チーム・アロー”に参加。だが、激しい戦いの中で、ローレルが命を落としてしまう。
闇世界での活動だけでは社会から悪を根絶できないと悟ったオリバーは、スター・シティの市長となり、行政や警察機構の改革を推し進める。チーム・アローにも、天才技術者カーティス、ワイルド・ドッグことレネ、そしてローレルの能力“ブラックキャナリー”を受け継ぐダイナ・ドレイクなど、新たなメンバーが加わった。しかしオリバーへの復讐に燃える最強の敵プロメテウスが現れ、並行世界からもローレルそっくりの凶悪な“ブラック・サイレン”がやって来るのだった。プロメテウスはチーム・アローのメンバーをはじめ、オリバーの息子ウィリアムやその母サマンサなど、オリバーにとって大切な人たちを因縁の島リアン・ユーに連れ去る。そしてプロメテウスはオリバーとウィリアム親子の目の前で自ら命を絶つことにより、大切な人々もろとも島を爆破するのであった。
リアン・ユーの大爆発でサマンサを亡くしたことにより、オリバーは息子ウィリアムを引き取ることに。幼い頃から父不在の辛い生活をし、かけがえのない母を亡くしたばかりのウィリアムは、オリバーに心を開いてはくれない。さらに、アローのフードを着たオリバーの写真が流出したことにより、ウィリアムは学校で“殺人犯の息子”といじめられてしまう。誰よりも孤独の辛さを知るオリバーは、ウィリアムの支えとなることを決意。出来る限りそばにいてあげるため、ジョン・ディグルにアローを受け継いでほしいと申し出る。さらにウィリアムには母の存在も欠かせないと考えたオリバーは、フェリシティを数学の家庭教師として家に招き入れ、ウィリアムとの関係を築くと同時に自身との愛も深めていくのだった。
一方、アローを引き継いだディグルだったが、重大な事実をオリバーに打ち明けられずにいた。実はリアン・ユーの大爆発時に負傷しており、利き腕の神経に深いダメージを受けてしまっていたのだ。銃も弓も撃てないというこの窮地を乗り越えるべく、ディグルのとった行動とは...。
また、連続殺人犯としてオリバーを逮捕するため、ついにFBIによる捜査が始まってしまう。新たなる凶悪ヴィランも現れ、オリバーはじわりじわりと追い詰められていくのだった。
これまでも数々の苦悩を抱えてきたオリバー・クイーン。今シーズンでは実の息子との共同生活が始まったことで、父親として悩む姿が描かれる。しかし葛藤に苦しむのはオリバーだけではない。『ARROW/アロー』の登場人物には、それぞれ深い葛藤のドラマがある。
アローを引き継いだディグルは神経損傷の痛みを和らげるため、禁断の麻薬に手を出してしまう。常習化し、中毒症状も現れるが、誰にも打ち明けることができない。周囲の理解とサポートがなければ乗り越えられない依存症を、ディグルは克服できるのか?娘ローレルの死を乗り越えられないクエンティン・ランスも、人知れず苦悩を抱き続けていた。並行世界からやって来たブラック・サイレンに、別人とわかっていながらローレルの姿を重ねてしまうのだ。幾度とあった殺害のチャンスもことごとく逃してしまい、チーム・アローの足を引っ張ってしまう。そしてその思いは、予想外の結末を招くことに。
オリバーの異父妹テアにとって、リアン・ユーにおける実父マルコム・マーリンがとった最期の行動は、大きな葛藤を生むことになった。地雷を踏んでしまったテアを救うため、身代わりとなり死んでいった父。兄オリバーとチーム・アローを苦しめ続けてきた男が、最期まで娘を愛し続けていた“ひとりの父親”でもあったという葛藤。苦悩の末、テアが選んだ道とは...。