ゴールデン・グローブ賞主要4部門受賞、エミー賞計8冠達成など、輝かしい功績を残し、時代を象徴するドラマとなった「ビッグ・リトル・ライズ」。期待されていた続編のキャスティングが、ハリウッド、そして世界中のファンを驚かせた。シーズン2では、アカデミー賞を3度受賞したハリウッドの大御所女優メリル・ストリープが参戦した。
シーズン1の時点ですでに映画級の豪華女優陣が集結し、話題を呼んでいた本作。アカデミー賞受賞女優ニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーン、『ダイバージェント』シリーズのシェイリーン・ウッドリー、『ジュラシック・パーク』シリーズのローラ・ダーン、『ファンタスティック・ビースト』シリーズのゾーイ・クラビッツと主役級が勢揃いし、さらにメリルが加わると誰が予想できただろうか。
ニコールとリースはTVシリーズ初主演を果たしただけでなく、製作にも参加。子どもの母親としての悩み、不倫やDV、離婚問題など妻としての悩み、キャリア、人間関係…と、現代に生きる女性の様々な問題を描いた本作。この時代にこの作品を製作することに大きな意味を感じ、共感した女優たちが力を合わせたことで、大きな影響力を持つ作品となったわけだが、新たにメリルが参戦することでさらに作品の意義は大きくなり、計り知れないものとなった。
メリルが演じるのは、メリルを思い描いて脚本が書き上げられたという、ニコール演じるセレステの義母メアリー・ルイーズ。精神的に不安定なセレステの負担を和らげるため、双子の面倒をみるメアリー。しかしそれはセレステのことを思っての行動ではなく、自分の息子の血を引いた孫たち、むしろ息子への絶対的な愛ゆえだった。事件の真相を知りたい気持ちを抑えきれないメアリーは、セレステやマデリンをはじめとする友人たちにも疑いの目を向け、攻撃的な言葉を容赦なく放つ。次第に大きくなる嫁と姑の確執。事態は悪化し、法廷にまでもつれ込むことに。女同士の譲れない戦いの決着はいかに。
海岸沿いに立ち並ぶ高級住宅街モントレーで子育てをする母たち。質のいい教育を受けられることで有名な公立小学校に、マデリン、セレステ、ジェーン、レナータ、ボニーの子供たちは通っていた。母という共通点がなければ出会うこともなかった5人は、とある夜に起きた事件をきっかけに誰にも明かすことのできない嘘で結ばれた友になる。
毎年恒例の資金集めの仮装行事。着飾った父母たちがパーティーを楽しむ中、その事件は起きる。現場にいた多数の保護者たちの証言で明らかになるのは、保護者間の不協和音。物語は過去にさかのぼり、事件の真相に迫ってゆく。専業主婦同士仲が良かったマデリンとセレステ、キャリアウーマンでマデリン勢と対立するレナータ、独自の空気感を持ち群れないボニー、そして新たにこの町にやってきたジェーン。子供同士で起きた暴力事件が母親たちの勢力争いを引き起こす。
虚栄心による葛藤や確執にまみれて対立していた母たちだったが、それぞれ悩みを抱えるひとりの女性でもあった。優しすぎる夫や暴力を振るう夫、幼い夫…、一見円満な夫婦関係に物足りなさや不満を抱いていながら、完璧な母親、完璧な家庭を装っていたのだ。正解のない子育てに不安を抱きながら模索する日々。味方は、同じ境遇に置かれた母親同士であることに気が付くのは時間の問題だった。そして事件は起きる。事件現場にいた5人は“モントレー5”と呼ばれ、噂されるように。5人にとって“嘘”は友情の証。大きな秘密を抱えた彼女たちは、これからどのように何気ない日々を送るのか?
事件後、誰よりも大きな喪失感を抱えるセレステ。思い出すのは暴力を振るわれていた日々よりも、強く激しく抱かれた記憶。そんな自分に嫌気がさしては、眠れない夜を薬に頼ることもしばしば。そこへ義母のメアリー・ルイーズが援助のため、やってくる。嫁や孫の力になりたいというメアリーだが、心の底で事件の真相に疑問を抱いていたのだ。
同じくボニーの元にも母がやってくる。ヨガ講師として働き、絶えずポジティブなエネルギーに包まれていたボニーだったが、今回の事件で人一倍精神的なダメージを受けていた。嘘が心を蝕み、塞ぎ込みがちになるボニー。そんな彼女の異変を母は見逃さなかった。
一方、再婚相手のエドに浮気がばれてしまったマデリン。うまくいかなかった一度目の結婚、二度目こそはと意気込んでいたにも関わらず、自ら相手を裏切り破滅に導くことに。時に図々しく、敵も多いマデリンを愛し、良き理解者として絶対的な安心感を与えてくれたエド。許しを請うマデリンに、エドはどのような決断をするのか。
夫婦生活の危機はレナータにも訪れていた。高い理想を掲げ、努力を重ねて成功を掴んだレナータ。一人娘の子育てにも明確なヴィジョンを描き、何不自由のない幸せを与えられるよう努めてきた。すべてを手に入れたかのように思えていたが、ゴードンが詐欺容疑で逮捕され、自己破産を余儀なくされる。さらにレナータに追い打ちをかけるように、ゴードンの裏切りが発覚。娘への思いだけがレナータを止めていたが、我慢は限界に達していた。
水族館で働き始めたジェーンは同僚コリーと時間を過ごすうちに惹かれあうように。しかしレイプ被害にあった彼女にとって、愛する人のぬくもりを感じることは難しいことだった。触れられる度に蘇るレイプされた時の感覚。コリーは優しく寄り添い、息子とも良い関係を築きながらジェーンを待つのだった。
それぞれがどうすることもできない過去を受け止め、新たな道を歩もうとする。しかし、そこには常に嘘と噂が付きまとうのだった。そして立ちはだかる姑メアリー。掻き乱されるモントレー5の運命は…。