世界的ヒーロー、バットマンのサイドキックとして高い知名度を誇るロビン。別名ボーイ・ワンダーとしても知られ、赤と緑のコスチュームでお馴染みのロビンが、特殊能力をもつ若者たちとチームを組み、悪と戦う、コミック「ティーンタイタンズ」は世界中を夢中にさせた。そして、満を持して初の実写化が実現した新DCドラマ「タイタンズ」では、コミックで5代目まで存在するロビンのうち、初代ロビンを主人公に、大興奮のスタイリッシュなアクションドラマが描かれる。
日本でロビンを人気者にした作品といえば、TVシリーズ「バットマン」。その後、映画『バットマンフォーエヴァー』と『バットマン& ロビンMr.フリーズの逆襲』にも登場。2006年まで放送されたアニメ「ティーンタイタンズ」では、日本のアニメ技法が採用されたことでも話題に。2013年からはじまった「ティーンタイタンズGO!」は、コメディ色を前面に出した作品で、DC入門編としての人気も高い。
コミックでは最終的にバットマンの元を離れ“ナイトウィング”として独立する初代ロビンだが、現在『レゴ®バットマンザ・ムービー』を大ヒットに導いたクリス・マッケイ監督のもと、『ナイトウィング(仮題)』の製作が進められていると言われており、今後ますます注目度が高くなりそうだ。
個性豊かなヒーローがチームを組んで共に戦う「タイタンズ」。長年愛されてきたキャラクターを見事に体現し、ファンの期待に応えたのは、次世代を代表するキャストたち。
主人公ロビンことディック・グレイソンを演じるのは、ハリウッド期待の星ブレントン・スウェイツ。『マレフィセント』の王子フィリップ役などで知られ、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』ではキーキャラクターのヘンリー・ターナーを熱演し、存在感を発揮した。端正な顔立ちと高い演技力が持ち味だ。
レイブンことレイチェル・ロス役には、本作が3作目の超新人女優ティーガン・クロフト。類まれなる輝きを放つ彼女が、原作の特徴を引き継ぎつつも、より魅力的なキャラクターへと昇華させている。
女性ヒーローには華やかな女優陣が揃い、『500日のサマー』で知られるミンカ・ケリーがダヴことドーン・グランジャーを演じるほか、「24 -TWENTY FOUR- レガシー」に出演していたアンナ・ディオプがスターファイヤーことコリー・アンダースを好演。ワンダー・ガールことドナ・トロイ役は、海外ドラマを中心に数多くの作品に出演しているコナー・レスリーが務める。
男性ヒーローには爽やかな美形俳優が集結。ビーストボーイことガーフィールド・ローガンを演じるのは、『ベイマックス』で主人公ヒロを演じ、日本人の父をもつライアン・ポッター。ホークことハンク・ホール役のアラン・リッチソンは「ヤング・スーパーマン」『ミュータント・タートルズ』にも出演し、アメコミファンには馴染みのある俳優。エキセントリックな2代目ロビン、ジェイソン・トッドを演じるカラン・ウォルターズは、2014年から俳優を始めたばかりの期待の新人だ。
様々なキャリアをもつ俳優たちの、ここでしか見ることのできない共演は見逃せない。
アメリカで新たに始まった動画配信サービス、DCユニバースのオリジナルドラマとして制作された本作。世界が注目する新たなプロジェクトで製作総指揮を務めたのは敏腕プロデューサー、グレッグ・バーランティ。「ARROW / アロー」「THE FLASH / フラッシュ」などの作品を手掛け、DCドラマの生みの親とも呼ばれる彼が、初の実写化を実現した。
製作段階から高い注目を集めていた本作は、シーズン1配信前にシーズン2の製作が決定。さらに、早くもスピンオフ作品「ドゥーム・パトロール」も配信されるなど、勢いを加速させる「タイタンズ」。この大きな世界はどこまで広がりを見せるのか。熱い視線が注がれる。
闇の力を宿す謎の少女
世界の破壊者か、傷を癒す救世主か
バットマンの相棒だった、初代ロビンことディック・グレイソン。故郷ゴッサムを離れ、デトロイトで刑事として新たな生活を始めた彼の人生を、ひとりの少女との出会いが一変させる。
少女の名は、レイチェル・ロス。ミシガン州のトラバースシティに暮らすレイチェルは、悪夢や幻影に苛まれていた。ある日、謎の侵入者に母を殺害され、家を飛び出したレイチェルは、辿り着いたデトロイトでディックと出会い、夢で見ていた少年がディックだったことに気づく。運命的な繋がりを信じたレイチェルはディックに助けを求めたのだった。
レイチェルを追う者は他にもいた。ウィーン郊外で事故にあった車で目覚めた、コリー・アンダース。記憶をなくしていた彼女は、自分が何者なのか、数少ない手がかりを辿る中で、レイチェルを見つけ出すことが任務だったとの情報を得る。しかし、その理由は思い出せないままだった。
悪に鉄槌を下すタイタンズ
血が上ったヤツらは誰にも止められない
レイチェルを守るため、かつての仲間を頼ったディック。しかし、謎の組織に洗脳された一家に襲われ、レイチェルは連れ去られてしまう。レイチェルを追うディックだったが、彼女を救い出したのはコリーだった。そこにレイチェルに一目惚れをした少年ガーも加わり、共通の敵に追われる身となった彼らは、同盟を組むことを決意。こうしてチーム“タイタンズ”の物語が動き出す。
知り合ったばかりで、互いのことを何も知らない彼らのチームとしての第一歩は、それぞれの能力や弱点、限界を共有すること。ロビンことディックがリーダーとなり、闇の力を宿したレイチェルはレイブンとして、太陽のパワーを吸収して光と熱を操るコリーはスターファイヤー、変幻自在に動物に変身するガーはビーストボーイとして、特殊な能力を活かす道を歩み始める。
タイタンズ最初の敵は、レイチェルの闇の力に執着する異常な研究者アダムソンが送り込む刺客。エネルギーを持て余した若きヒーローがヒートアップした時、誰も彼らを止めることはできない。
未熟なヒーローが抱える孤独と苦悩
仲間との出会いがすべてを変える
タイタンズを結成した4人。性格も年齢も異なる彼らには、ある共通点があった。それは孤独な日々を過ごしてきたということ。
幼い頃から母メリッサと二人で暮らしてきたレイチェル。秘めた能力に悩んでいた彼女の唯一の心の拠り所はメリッサだった。しかし、実の母ではないことを知ったレイチェルは、一人取り残されてしまう。
ディックはそんなレイチェルを見捨てることができなかった。両親を亡くし、同じ境遇をもつブルース・ウェインに引き取られ、ヒーローとして生きる道を与えられたディック。育ての親に救われた過去をもつ自分とレイチェルを重ね合わせる。
記憶を失い、家族も仲間も思い出すことのできないコリー、そして命と引き換えに怪物としての人生を歩むことになったガーも、打ち明けられない悩みを抱え、孤独に生きてきた。
誰にも理解してもらえない特殊能力をもつ者ゆえの心の痛みが、居場所のなかった彼らを強く結びつける。同じ苦難を乗り越えてきたからこそ、支え合える仲間たち。未熟なヒーローたちを強く成長させる揺るぎない絆。チームの心がひとつになるとき、予測不能のパワーが爆発する。
両親を転落事故で失い、孤児となったディック・グレイソン。突然の悲劇に見舞われた少年は大富豪のブルース・ウェインに引き取られた。両親の死に鬱積した怒りを抱えていたディックは、バットマンとして活動するブルースから、悪を倒すことで復讐心を解消する術を学ぶのだった。こうしてバットマンのサイドキック“ロビン”として悪と戦っていたディックだったが、次第に疑問を抱き始める。マスクをつけることで別人のようになり、人を傷つけたい衝動を抑えられないことに。
過去と決別するかのように、ゴッサムを出てデトロイトへ移ったディックは、昼は刑事として、夜はヒーローとして、信念に基づき悪人に制裁を下す日々を送っていた。
そんな中、タイタンズの仲間と出会い、導く者として新たな使命を得たディック。かつてボーイ・ワンダーと呼ばれたヒーローは、もう少年ではない。
ロビン率いる最強軍団タイタンズ。能力を開花させたばかりの若きヒーローたちは無限の可能性を秘めている。
中でも計り知れない絶大な能力をもつのは、両親を知らずに育ったレイチェル・ロス。感情を引き金に様々な力を発揮するレイチェルだが、そのパワーの秘密には父の存在が隠されていた。自分の能力のすべてを把握していないヒーロー“レイブン”には、仲間の助けが必要だ。
派手なファッションが目を引く、コリー・アンダース。スターファイヤーとして活躍を見せる彼女は、太陽のパワーを操るため、夜は力を発揮することができない。しかし弱点を補うほど高い戦闘能力をもつ。徐々に記憶が蘇ってゆくコリーだが、一体何者なのか?
グリーンヘアが印象的な好青年ガーフィールド・ローガンの能力は、変幻自在に動物へ変身すること。伝染病に感染し、命を落としそうなところを天才科学者ナイルス・コールダーに救われた。投与された薬の副作用による能力でトラに変身するが、気性は穏やかで、むやみに攻撃することはない。ナイルスが結成したドゥーム・パトロールのメンバーだったが、一目惚れしたレイチェルのために脱退。淡い恋は実るのか…。
タイタンズの窮地を救うのは、頼れる仲間たち。敵に追われるレイチェルを安全な場所へ匿うべくディックが向かった先は、ホーク&ダヴの家。最強のヴィジランテ・カップルはディックとレイチェルを受け入れるが、思いもよらない事件へと巻き込まれてしまう。
危機的状況に陥ったディックの元に颯爽と現れ救い出したのは、2代目ロビンことジェイソン・トッド。ロビンへ強い憧れを抱いており、興奮気味にディックとの出会いを果たす。
過去のディックを知る幼馴染で、最強ヒーローの相棒という同じ境遇をもつドナ・トロイは、ディックの一番の理解者。かつてワンダーウーマンのサイドキックとして活躍していたドナは、ワンダーウーマンの元を離れ、自分のあるべき道を進もうとしていた。