決して明かしてはならない秘密を共有した二人
吸血鬼×人狼の新たな歴史が幕を開ける
長く人々に愛され続けているファンタジーのテーマ“人狼”と“ヴァンパイア”。『トワイライト』シリーズや『アンダーワールド』シリーズなどの映画に加えて、「ヴァンパイア・ダイアリーズ」や「オリジナルズ」などのドラマも大人気。この人気テーマをよりダークに、よりスリリングに、よりセクシュアルに描いたのが本作「ヘムロック・グローヴ」だ。狼男に期待される男性像は野性味溢れるワイルドさ、ヴァンパイアに期待されるのは儚く繊細でありながら危険な香りが漂う男だろう。
こうした特徴を確実に押さえキャスティングされたのが、ビル・スカルスガルドとランドン・リブロンの若手注目俳優。ビル演じるローマンとランドン演じるピーターは特殊な能力を秘めた高校生。学校に馴染めずにいた二人は出会ってすぐに意気投合する。新しくできた友人に自らの秘密を明かすことは、青春時代によくある一種の友情の契りのようなもの。そこでピーターがローマンに明かした秘密は、狼男に変身できるという能力だった。代々受け継がれてきた秘密を共有した二人。これまでドラマの中で対立関係が一般的であった人狼とヴァンパイアの、種族の枠を超えた新たな関係が始まるのだった。麗しき二人の青年が導く両家のつながりの行方はいかに――。
世界が注目する新星カメレオン俳優
ビル・スカルスガルド
ヘムロック・グローヴの名士として名を馳せるゴッドフリー家の跡取り息子で、ウピールと呼ばれる吸血鬼ローマンを演じたのは、今最も注目を集めている俳優のひとり、ビル・スカルスガルド。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『マンマ・ミーア!』などの名優ステラン・スカルスガルドを父に持ち、兄は『ターザン:REBORN』で大ブレイクしたアレクサンダー・スカルスガルドという俳優一家出身。
2000年にアレクサンダーも出演している映画『WhiteWaterFury』で俳優デビュー。その後スウェーデンを中心に活動し、2010年頃から活躍の場をハリウッドに広げ、キーラ・ナイトレイ主演の『アンナ・カレーニナ』や大ヒットSFシリーズ『ダイバージェントFINAL』などに出演。そして2017年公開の、スティーヴン・キング史上最恐小説といわれる「IT」が映画化されるにあたり、恐怖のピエロ“ペニーワイズ”役に抜擢。世界中から注目を集めている。映画『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』は予告編再生数が公開から24時間で1億9,700万回という史上最高の再生数を記録し、公開前から話題に。そして、公開からわずか10日で2億1870万ドルの興行収入を達成。9月公開作品としては歴代最高額となる。
そんな映画史に残るヒット作で見せた身の毛もよだつような不気味な演技は、本作「ヘムロック・グローヴ」での経験が活かされているといっても過言ではない。不気味なキャラクターとスーパーナチュラル要素が人々の心を引きつけている両作で、心行くまでビルの演技を味わってみてはいかがだろうか。
物語をリードする期待のワイルド派イケメン
ランドン・リブロン
ロマの家系に生まれた青年で人狼でもあるピーターを演じたのはランドン・リブロン。ビル・スカルスガルドに並び本作のメインキャストに抜擢された。2006年頃から俳優としての道を歩み始めたランドンはドラマ、映画、舞台と幅広く活動。そして2009年にティーンから絶対的な支持を獲得したTVシリーズ『Degrassi:TheNextGeneration』に出演。
その後、アクション・アドベンチャー超大作ドラマ「TerraNova〜未来創世記」で一躍有名になるまで『パニック・スカイ』や『ZombiePunch』などの映画に出演し、経験を積む。そして記念すべき初のメインキャラクター作品となったのが本作「ヘムロック・グローヴ」だ。ファムケ・ヤンセンやダグレイ・スコットら、名だたる大物俳優たちと共演するにあたり、ランドンは脚本だけではなく原作もしっかりと読み込んだそう。その甲斐あって、大物俳優たちに負けない存在感を発揮し、堂々たる演技を見せつけた。そんな努力を怠らないランドンの躍進は続き、「ゲーム・オブ・スローンズ」のカールや『ジャスティス・リーグ』のアクアマンで知られるジェイソン・モモア出演のドラマ「フロンティア」に参加。今後、活躍すること間違いなしのランドン・リブロンから目が離せない。
平穏な街の静けさを破った女子高生の変死体
真犯人は何者なのか…
物語の舞台となるのはペンシルヴィニア州の田舎町、ヘムロック・グローヴ。自然に囲まれた緑豊かなこの街で、突如女子高生の変死体が発見される。まるで獰猛な動物に襲われたかのように下半身が噛みちぎられた死体に残された手がかりは少なく、なかなか犯人逮捕につながらない。そして再び同様の事件が発生してしまう。人間の仕業とは思えない咬み跡、争った形跡のない現場、消えた遺体の残り…。
不可解な謎が残る一連の事件の容疑者として疑われたのは、この街に引っ越してきたばかりの高校生ピーター・ルマンセックだった。彼が疑われた理由は、狼人間であるという噂から。一見、理不尽に思えるこの疑い。しかし、ピーターは本当に狼人間の能力を持つ青年だったのだ。この秘密を知っているのはヘムロック・グローヴで名を馳せるゴッドフリー家の長男で、ピーターの唯一の友人ローマンだけ。狼人間がゆえに感じる真犯人の存在。この残忍な事件に終止符を打ち、ピーターの潔白を証明するため、二人は真犯人を暴くことができるのか…
ゴッドフリー家×ルマンセック家
ヘムロックが誇る二大家系が隠し持つ秘密とは――
ヘムロック・グローヴの誰もが知る二大家系、ゴッドフリー家とルマンセック家。ゴッドフリー家はこの街を拠点に巨大企業を経営する一家。一方ルマンセック家はロマとしてトレーラーハウスで生活する少数民族の一家。正反対に位置する二つの一族は、息子たちをきっかけに急接近することに…ゴッドフリー家のローマンとルマンセック家のピーターを引き合わせたのは、女子生徒の惨殺な殺害事件。
学校に馴染めずにいたことや、シングルマザーの息子であることなど、共通点が多く、すぐに意気投合する二人。何気なく生まれたように思えた友情だが、出会うべくして出会ったのだと彼らは知ることに。なぜなら二人はウロボロスが登場する、まったく同じ不吉な夢を見ていたのだ。運命を感じたローマンとピーターはこれまで誰にも明かすことのなかった秘密の能力を明かしあう。代々守り抜かれてきた秘密を共有した二人。この出来事がゴッドフリー家とルマンセック家の関係を大きく変えることに。
過去の因縁と現在の友情の間で揺れ動く葛藤の行方、同じ夢を見る理由、さらに両家をつなぐ謎の薬品の存在など、互いに秘密を抱える二大家系をめぐるストーリー展開に引き込まれずにはいられないだろう。
魔性の女オリヴィアと天使の子を宿したリーサ
両家をめぐる禁断の愛
物語をさらに魅力的に演出しているスキャンダラスな恋愛模様。ゴッドフリー社の理事長として亡き夫JRの遺志を継ぎ、2人の子供を育てる美しきオリヴィア。
しかし彼女にはいくつもの裏の顔が存在し、様々な秘密を抱えていた…。そのひとつが義兄との不倫関係。JRの兄で精神科医のノーマンは、ゴッドフリー製鋼所で一目惚れしたマリーと結婚。愛娘リーサと3人で暮らす。絵に描いたような幸せな家族をもち、街の人々から頼りにされるノーマンが不倫をするとは誰一人想像もしなかったが、ただひとり、JRだけは違ったようで…。いつしかはじまった禁断の関係が20年続き、妻との別れも視野に入れ始めたノーマン。二人の関係の終着点はいったいどこに…。
そんなノーマンの娘、リーサを取り巻く恋愛模様はローマンとピーターとの三角関係にとどまらず、天使を巻き込みビッグ・スケールで展開。同世代の従兄妹としていつも一緒に行動していたローマンとリーサ。肉体関係こそないものの、まるでデートのような外出を繰り返し、慕情を感じる関係を築いていた。しかし突然リーサの妊娠が発覚。なんと驚くべきことに、相手は天使だというのだ。処女懐妊というリーサの発言を信じることができず、父ノーマンはレイプが原因の心因性健忘を主張する。妊婦となったリーサを真摯に支えるローマン。
しかしリーサが恋心を抱いたのはローマンの友人、ピーターだった。手探りで友情と愛情の両立を探る3人。残忍な殺害事件が起こる物騒な街と化したヘムロック・グローヴで無事子供を出産することはできるのか。そして新たに宿した命の父親はいったい誰なのか。先が読めない3人の関係性に注目だ。