ヒーローの能力を最大限まで引き出すには、時には悲劇が必要なこともある――挫折によってさらに強いスーパーヒーローになるということだ。このような喪失を経験をしていない者は強くなることなどできはしない。多くのヒーローが幼少期やヒーローになったばかりの頃にこのような悲劇を経験している。しかし経験していないヒーローをあえて挫折させて、より強くすることを自身に課している人物がいる。自ら悲劇を起こしてまでそれを行う人物、それがズームだ。
ハンター・ゾロモンの人生は残忍な悲劇によって翻弄された人生だった。子供の頃に、父親が連続殺人犯だということを知った。そしてそれを止めようとした母親は、自身の父親によって殺された。この悲劇が原因となってハンターは心理学と犯罪学を学び始め、FBIに入った。しかしある事件で判断ミスをしてしまい、今度は義理の父親が亡くなってしまった。そしてハンターがゴリラ・グロッドに襲われて麻痺状態になってしまったあと、事態は本格的に悪化していく。ハンターは時間を遡って襲撃をなかったことにしたいと、友人のフラッシュに頼んだ――しかしフラッシュは断ったのだ。
ならば自身の手でどうにかしようと、ハンターは自分で時間を遡ろうとしたのだが、事故によって爆発が起こってしまう。更なる悲劇だ――しかし、それによってハンターは強くなった。スーパースピードの能力を獲得してズームという名を手にしたハンターは、他のヒーロー達にも悲劇を経験させてより強いヒーローにすることに人生を捧げた――手始めにフラッシュから始めたのだった。
ズームはフラッシュや他のスピードスター達とはまったく違っており、そのせいで際立った存在となっているズームは、フラッシュにとって最も危険な敵の一人となっている。ズームの素早さはスピードフォースによってではなく、相対時間を変えて周りの世界の時間を早めたり遅らせることによって得られているものなので、フラッシュより速く移動することすら可能となっている。その歪んだヒロイズムと悪事によって、ズームはフラッシュの仲間にとっての脅威であるだけではなく、DCユニバースの数え切れないほどのヒーロー達にとっても脅威であり続けている。しかし本当に、ズームはただ彼らをより強いヒーローにしようとしているだけなのだ…どのような方法を使ってでも。
特殊能力 | 超高速スピード、時間操作 |
---|---|
本名 | ハンター・ゾロモン/ジェイ・ギャリック |
拠点 | キーストーンシティ |
初登場 | FLASH SECRET FILES #3 (2001) |
関連キャラクター |