映画『ジーサンズ はじめての強盗』

PRODUCTION NOTE

はじめての引き金

誰にでも我慢の限界というものがある。もう無理だというときになれば、何かせざるをえない。それは、誰にも予想がつかないことだったりもする。たとえば、ウィリー、ジョー、アル(てアルバート)の場合。モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンという世界が誇るベテランの名優たちが演じるこの3人は、ニューヨーク/ブルックリンで生まれ育ったおおらかで真っ正直な男たちだ。セムテック社の製造ラインで固い友情を結んだ彼らは、自分たちが銀行強盗なんて大それたことをする人間だなんて考えたこともなかった。

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

もちろん、そもそも銀行に金を奪われるとは……。

今、ウィリーたちは猛烈に怒っている。年金と貸付システムに欺かれ、もはや失うものは何もないと確信すると、この遅咲きの男たちは大きな犯罪を企てる。瞬時の判断力、変装、そして逃走用の車が必要となる危険極まりない、それまでの自分たちの人生とはかけ離れた世界に一緒に飛び込むことにしたのだ。それは奇妙にも気分爽快な世界でもある。彼らはアリバイを練りながら、完璧な強盗を成功させるために準備をする。自分のものさえ取り返せればいい。狙うのはそれ以上でも、それ以下でもない。そこが大事な点だ。

勢い込んだ彼らが自分たちの限界を超えるのも近い。そして80歳という年齢……だが、それは関係ない。いくつになっても、自分のために何かしようとするのはいいことではないか。

とにかく楽しくて、テンポのいいこの『ジーサンズ はじめての強盗』は、ハートフルで痛快なコメディだ。3人一緒ではこれがスクリーン上の初共演となる映画界の伝説モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンがまばゆいほどのスターのオーラを見せつけるとともに、名優アン=マーグレット、クリストファー・ロイド、マット・ディロンといった豪華助演陣が脇を固める。

「セオドア・メルフィの脚本には、たくさんの愉快なひねりや予想外の展開があるんです。彼はすばらしいストーリーテラーですよ」と監督のザック・ブラフは語る。「それにこの映画には、ハリウッドの真の名優たちが登場します。私はそれが本当に嬉しかった。彼らがコメディやアクションの要素と、ストーリー上でやはり重要な部分であるもっと感動的、情緒的な要素を見事なバランスで演じるのを観客はきっと楽しめると思います。私は彼らが大好きなんですよ。当然ですよね? 彼らを見ていると、あのキャラクターたちがいい時代も悪い時代も互いを支え合って生きてきた40年以上の親友同士だと心から信じることができるんです」

「私は脚本を山のように受け取りますが、これは特別でしたね」とジョー役のマイケル・ケインは言う。「まず、コメディだという点がとても気に入りました。私はめったにコメディ映画をオファーされないんですよ。それに、人間関係の部分もよかった。とてもチャーミングな映画で、笑いが満載ですが、深みもあります。それに、モーガン、アランと共演するチャンスがもらえるなんて、俳優の立場からは、これ以上すばらしいことってないでしょう?」

ケイン、アーキンとの疑いようのない相性のよさを引き合いに出しながら、ウィリー役のモーガン・フリーマンはこう付け加える。「私たちはとにかく楽しんで演じていたので、それがスクリーンを通して感じられるはずです」

大部分は笑いを巻き起こす展開ではあるが、本作は大企業の陰謀に対する純粋な怒りを表明してもいるので、きっと幅広い観客から深い共感を得るだろう。彼らの多くは、ジョー、ウィリー、アルと同じく、消えゆく恩恵やおとり商法によるローンで窮地を味わったことがあり、約束されたことと、実際に手にしたものとの差にあえいだことがあるからだ。

「想像できるでしょう」とアル役のアラン・アーキンは言う。「人生のほとんどを真面目に働いて過ごし、会社はその勤勉さに報いてくれるだろうとあてにしていたのに、裏切られたら、生まれてから一度も罪を犯そうなんて思ったことがない人間でも、激怒しますよね。私は、あの3人が逆上してあんなことをやるのも完全に理解できます」

その点について、製作のドナルド・デ・ラインはこう語る。「このストーリーは、オリジナル版の映画が公開された当時と同様、あるいはそれ以上に現実の社会に関連性があります」。彼は、その1979年公開のマーティン・ブレスト監督作は、この新作の出発点だとみなす。「この映画はいわゆる通常のリメイクとは違いますが、時代を超えて通用する設定を現代の視点で描いています。社会のシステムというのは、年金であれ、保険であれ、銀行であれ、機能しないことがよくあります。私の父は長年ひとつの会社に勤め、年金を得て退職しましたが、その会社が買収されたときに、その年金は突然、半分になってしまった。そういうことはしょっちゅう起こります」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

冗談の言い合いが満載であるなかでも、実際の問題にかかわってくると、このストーリーは鋭く切り込んでいく。「とても愉快なシーンやセリフがいろいろあります」と監督のブラフは言う。「でも彼らの状況の現実と、その危機感はストレートに、そして誠実に描かれています。だから、この3人の男たちが突然、生き残る方法を必死で探さなければならなくなるという状況に観客は同情せずにはいられないんじゃないでしょうか」

彼らが企てる大胆な計画は、観客にとっては究極の“願望成就”といったところだろうか。観客はリスクをまったく負わずに、彼らに代わってやってもらうことによって多くの見返りを手に入れることができる。デ・ラインはこう語る。「観客は3人に成功してほしいと願い、ウィルたちがその計画からエネルギーと活力を得ているのがはっきり分かるので、満足感がとても大きいと思います。あれほど興奮する体験はウィルたちもほんとに久しぶり……あるいは、初めてかもしれません」

「観客は、仕返しというシナリオに共感すると思います」と脚本を担当したセオドア・メルフィは言う。「私たちは、コメディの枠の中でこのストーリーを描く必要がありました。彼らがやっていることは犯罪ですが、彼らがやられたこともまた犯罪だからです。私は正義や報いを受けることについて、とてもこだわるんですよ。私にとって、あの3人は明らかに正義の側なんです。40年も働いたのに、年金を奪い取られたんですから。それに、ジョーのローンの問題も、まさに銀行員が銀行側だけの利益しか考えなかったいい例です。顧客のことなど何も考えていない」

ストーリーをいかに現代化したかについて、メルフィはこう説明する。「オリジナル版では強盗後のことにより焦点があてられていたのに対し、この映画では、もっとアクションを盛り込み、強盗をストーリーの中心にすえました」。さらに彼は、アン=マーグレットが演じる陽気で情熱的なアニーと、慎重で皮肉屋のアルの組み合わせでロマンスの要素を採り入れた。「私は人生の晩年における恋愛とセックス事情を掘り下げたかったんです。人生に深くかかわる部分なのに、めったに描かれないので」

また、メルフィは主役3人の人生全体も考えた。生い立ち、家族関係、そして日々の暮らしぶりを関連づけやすい形で肉づけした。たとえば、「ジョーは、父親がいない孫娘のブルックリンにとって、基本的には父親代わりの存在。彼女と母親はジョーと同居しています。何世代かが同じ家で一緒に暮らすというのは最近のトレンドなんです。また、ウィリーとアルも同じ家に住んでいて、それも年配の人たちがやりくりして暮らすひとつの方法ですね」

「この映画にはほんとうにすべてが盛り込まれています」と語るアン=マーグレットが演じるアニーは、このストーリーに甘さと、ちょっとした熱さ以上のものをもたらしている。「声に出して笑えるし、それぞれのキャラクターに自分を重ね合わせます。ストーリーの中に入り込めるんです。そうすると、その温かさと痛切さがグッとくるんですよ。そして最後には心地よさが残る。私は泣きそうにさえなりました」

ほかの主要キャストを紹介しよう。ジョー最愛の飛びきり頭の切れる孫娘ブルックリンを演じるのはジョーイ・キング。ピーター・サラフィノウィッツが演じるブルックリンの父マーフィーは、医療用マリファナを扱う評判の悪い薬局を通したコネから、ようやくジョーたちに使える男だと証明できるチャンスを得る。ジョン・オーティスが演じるいかがわしい男は、ウィリーら銀行強盗初心者たちにそのコツを教える。マット・ディロンは粘り強いFBI捜査官ヘイマーを、クリストファー・ロイドは、老人クラブの仲間で、善人ではあるものの、どこか注意散漫なミルトンを演じている。

「このストーリーは、“時代の精神”というものをつかんでいると思います」と監督のブラフは考えながら言う。「大企業がいかに無力な人間を食い物にできるかが分かる。でも、これは何よりもまず、力を取り戻そうとする3人の男たちを描いたコメディなんです。人生で一度も犯罪に手を染めたことがなかった男たち、それまでこれほど突飛で、危険なことは何もやったことがなかった男たちが、土壇場に追い込まれ、何か手を打つならば、どデカいことをしようと決心する姿を描いています」

はじめての銀行強盗

どんな計画も、そのきっかけはインスピレーションだ。この映画の場合、それは至近距離から発射されたセミオートマティックの火花だった。

この思いがけない強盗作戦の事実上のリーダーになる運命のジョーは、ある朝、ウィリアムズバーグ銀行にいた。上から目線の顧客担当者(TVシリーズ「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」のジョシュ・パイス)から、彼のローン返済額が突然3倍になった理由を聞かされていたのだ。そのとき、武装した覆面の男たちが銀行に乱入してくる。もともと注意深い観察者であるジョーは、強盗たちの見事な連携ぶりと、いとも簡単に欲しいものを奪って、さっと退却する様子を見守る。ジョーには、難しいことには思えない。ほんの数分で数百万ドルを手にできる。

その後、ジョーはその体験を親友たちに語り聞かせ、自分たち3人も同じように強盗を成功させられると冗談半分にほのめかす。当然、ウィリーとアルはまともに相手にせず笑う。だが数日後、自分たちの年金支給が停止される――つまり、彼らの将来は真っ暗になる――という驚愕の知らせが入ると、銀行強盗のアイデアがそれほどクレイジーには思えなくなり、むしろ実現可能な気がしてくる。

ジョーの決意には家庭の事情もある。彼の家族は、ジョーの収入だけで住まいを確保しているのだ。ケインはこう説明する。「ジョーには最愛の孫娘がいます。そのブルックリンの母親でもある彼の娘はシングルマザーで一生懸命働いていますが、それだけでは生活できないんです。ジョーは、いろいろな支払いを滞りなくおこない、生活を支えてきました。でも銀行が彼の家の担保権を行使しようとしていて、彼らは20日以内に家を出なければならなくなったんです」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

ウィリーも子供と孫を大事にしているが、彼の場合は遠く離れた西海岸にいる。Skypeでの通信をとても楽しみにしていて、もっと頻繁に訪問できたらと思っている。3人の中ではアルだけがずいぶん前に妻を亡くして以来、近い身内なしで暮らしてきたので、彼にとってはウィリーとジョーが家族代わりだ。

「アルはジャズをやっていたんですが、結局、一度も芽が出なかったんです」とアーキン。「だから、音楽を趣味で続けるために工場で働いていたんですが、生涯の友となる2人とそこで出会ったんですよ」

「彼らは何をするにもほぼいつも一緒なんです」と、3人の典型的な行動についてフリーマンが解説する。「彼らは毎日決まったことをするんですよ。同じ店で食べ、同じ会話をし、同じ老人クラブへ行く。ボッチボール(芝生上でカラフルなボールを使っておこなう球技)をやり、TVを見る。そんなとき、ジョーが、『銀行強盗しようかと思ってるんだけど』と言うんです。彼の親友たちはもちろん、ジョーの頭がおかしくなったと思うんですが、その時点で彼らは銀行に対して必ずしもいい感情をもっていない。だから、そのアイデアにちょっと乗り気になるんです。そして、ああいう事態になったあとで、彼らは腹を決める。『やってみるか?』とね」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

「モーガンは、ウィリーに温かみと憎めなさをすぐにもたらしてくれました」と製作のデ・ラインがキャストについて語る。「彼はいつも目にいたずらっぽい輝きをたたえ、どんな状況であれ、その表情の下にすばらしいユーモアを感じさせるんです。一方、アルは悲観的で、グループの中では気難しいタイプ。現役俳優の中でコメディを演じさせると最高の味を出すひとり、アラン・アーキンは、アルを愉快で、皮肉っぽく、そして少しピリピリした感じで演じて、ほかの2人といいバランスを見せてくれました。それでいて、アルなりの優しさも感じさせています。そして、ショー役のマイケル・ケインは“扇動する役”として、ほどよい加減の人間味を出すとともに、茶目っ気があり、彼ならほんとうに強盗をするだろうという説得力を出しています」

「これらの個性的なキャラクターたちに生命が吹き込まれる様子を見るのはとても興味深いものです」と監督のブラフは言う。「ちょっとした、さりげないことがとても多くを明らかにすることもありますよね。モーガンたち3人は、過不足なく演じることによって、大きなインパクトをそこかしこに散りばめられることを充分に知っているんです。彼らは、そういう細部までカメラが拾って何かパワフルな要素を引き起こすことをちゃんと理解していて、信頼もしている。私は彼らの演技を見て、また、彼らと仕事をして、とても多くを学びました」

さて、3人が計画した銀行強盗の日は、偶然にも、老人クラブが毎年地域の子供たちのためにおこなっている資金集めのカーニバルと重なる。彼らはすでにそのイベントを手伝う約束をしていた。もし3人が同時に休めば、疑いの目を向けられるかもしれない。だから彼らは、それぞれのシフトをこなしながら、強盗を実行する方法を見つけなければならない。とはいえ、イベントのまとめ役であるミルトンは何も気づかないだろうが……。

クリストファー・ロイドが演じるミルトンは、老人クラブ“ナイツ・オブ・ハドソン(ハドソンの騎士たち)”の仲間だが、おそらく、何かの仕切り役としてはいちばんふさわしくない人物だろう。「ミルトンは生き生きとして、やる気満々で、いい友達なんですが、とにかく何でもすぐ忘れてしまう年代になってしまっているんです」とブラフ。

ミルトンの頭はしょっちゅうどこかへ行っているが、心はいつも正しい場所にある。出番は間違えるし、つじつまが合わないことをやったり言ったりするものの、彼にはその芯に威厳のようなものが残っている。それについて、ロイドはこう語る。「ミルトンは気のいいじいさんなんですよ。自分が何をやっているのかすぐに分からなくなるし、間違いばかりするし、聴力のほうも少し衰えてきている。でも、物事をコントロールしたり、まとめたりする権限を与えられています。それをミルトンはとても誇りに思っているんです。彼は、みんなが規則・決まり事を守り、スケジュールを乱さないように、自分なりに努力する。それが彼の役割なんです。私はこの役がとても気に入っていたし、どう演じるかのチャレンジを大いに楽しみました」

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デ・ラインはこう語る。「クリストファー・ロイドほど愉快でユニークな俳優がこの作品に加わってくれて、ものすごワクワクしました。彼のおかげで私たちは始終笑ってばかりでしたよ。ザックがクリストファーに自由にアドリブをさせたので、彼はもう完璧に天才としか思えないようなアイデアばかり思いついていました」

いよいよ真剣に準備にとりかかったウィリー、ジョー、そしてアルは、銀行で自分たちの正当な取り分を回収したら、いくら残ろうと、それは子供たちの資金集めに加えればいいと考える。それに、もしすべてうまくいけば、このカーニバル自体が盗んだ金の完璧な隠れみのになるはずだ。そして彼らのアリバイを“証明”してくれるには、いつも混乱しているミルトンほど理想的な人物はいないだろう。

はじめての予行演習

だが、計画の実行を完全に決める前に、彼らは自分たちにほんとうにできるのかどうかを確かめる必要がある。リハーサルをして、自分たちに何ができて、何ができないかを見定めなければ。それがスーパーでの万引き騒動につながり、多くの人々のお気に入りシーンとなった。製作のデ・ラインはこう語る。「ウィリー、ジョー、アルは近所のスーパーに行きます。まずは小さなことから始めようと考え、いくつかの商品を盗もうとするんですが、もう散々な結果に終わります。彼らは何をやっているのかがそもそも分かっていないんです。物は落とすし、選択は間違えるし……。体を張ったコメディがたくさん見られますよ」

「いちばん大変だったのは、ズボンの中にローストポークを隠そうとしたときですね。あと、シャツの中に卵を1ダース隠して駐車場を走り回るというのもあったな」とウィリー役のモーガン・フリーマンは言う。

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ウィリーとジョーはスーパーの通路を歩き回り、適当に商品を服の中に隠していくのだが、見事なまでに、どの監視カメラにもきっちり記録される。一方、逃走車のドライバーに指名されたアルは退屈し、車の中が暑くなりすぎたために持ち場を離れてしまい、相棒の2人は万引きした商品を抱えたまま、車なしでなんとか逃走しなければならなくなる。

それに関連して、ジョー役のケインはこう語る。「ジョーは、前にカゴが付いている電動カートをひとりのご婦人から奪い、ウィリーを無理やりそのカゴに座らせ、警備を振り切って交通量のある通りへ逃げようとするんです。いわゆる古典的なスローなチェイスですよ」

彼らのそんな“アクション”――それよりいい表現がない――を見ているのは、キーナン・トンプソンが控えめなコミカルさで演じる店長キースである。最初、自分が見ている光景が信じられない彼は、最後にはウィリーたちの行動に腹を立てるよりもそれを面白がるのだが、それでも自分の仕事をしなければならない。それは爆笑の対決となり、本作の中でもとりわけ印象深いシーンとなるだろう。だがキースは、それが一件落着にはほど遠いとは思いもよらない。

「モーガンはほぼ一日中、あのカートのカゴの中で過ごしていました」と監督のザック・ブラフは撮影当時を思い返す。「撮影の合い間にトレーラーに引っ込む人は誰もいませんでしたよ。マイケルは車のスタントもかなりの部分を自分でこなしました。交通量のある通りでカートを操縦し、目の前に割り込んできたバスをかわしたり。あのシーンの4分の3ぐらいはスタントが必要だったんですが、彼らはその大部分を自分でやりました。3人ともやる気満々だったな」

スクリーン上で彼らが楽しんでいるよう見えるとすれば、それは実際にそうだったからだ。

フリーマンとケインはこれまでに何度か組んでおり、直近では「ダークナイト」シリーズで共演した。「モーガンとマイケルはすでに冗談を言い合う仲で、そこに新たにアランが加わったわけですが、彼はすぐに2人と打ち解けていました」とブラフは言う。「3人とも当意即妙で、一緒によく笑っていたので、私はシーンが終わってもそのままカメラを回し続けたものです。彼らは私が『カット!』と叫ばない限り、キャラクターのままでそのシーンをアドリブで演じ続けたからです。ほんとうにすばらしく面白い映像が撮れましたよ。まさに絶好調の名優たちが自由に演じるのを目の前で見ることができて最高でした」

そしてその名優たちは、その雰囲気に喜んで監督を巻き込んだ。フリーマンはこう語る。「私たちが生き生きしていたのは、どうやってザックをからかおうかと考えていたからでもあったんです。彼は頭がよく、自分が何を目指しているのかをよく分かっている。それはとてもいいことなんですが、同時に、彼はいろんなことに頑固すぎないんです。だから、彼をからかって、どんな反応をするかを見たいがためだけに、『いや、そんなことはやらない』と私たちがわざと言ったりすることもありました。でもザックにはいつも見抜かれましたけどね」

はじめての手ほどき

この3人組に必要なのはプロの助けだ。幸運にも、ジョーには心当たりがある。孫のブルックリンの貧乏な父親マーフィーは、ろくでなしのマリファナ常習者なので、きっとそのアドレス帳には本物の犯罪者が何人かいるに違いない。そしてあまり深く聞かずに誰かを紹介してくれるはずだ。ジョーはそう確信する。

イギリスのコメディアンで俳優のピーター・セラフィノウィッツが完璧なニューヨーカーのアクセントで演じるマーフィーは、目下のところ、医療用マリファナ薬局を経営している。おそらく、彼にとって人生初の合法的な仕事だ。売り上げはまあまあだが、滞納している養育費の支払いを捻出できるほどではないのは明らかだった。そんなマーフィーが、警官以外で自分の店にいちばん入ってきてほしくないのがジョーだ。だって、いつも説教されるから。

じつは、マーフィーに連絡をとるうえで、ジョーにはふたつの動機があった。確かに、彼ら3人には強盗計画の手助けをしてくれる者が必要だ。だがそれとは別に、ジョーはマーフィーに自分の娘に対する責任をもつよう説得したい。マーフィーは根は悪い男ではないのだが、どうしようもなく子供なのだ。もし、この強盗が失敗してジョーたちが刑務所送りになったら? 誰がブルックリンを守ってくれる?

14歳のブルックリン役に監督のブラフが選んだのは当時16歳のジョーイ・キングである。「この役はもっと年下で、男の子として書かれていたんですが、元気いっぱいの十代の少女と、彼女においていかれまいと頑張る祖父の関係が描けたら面白いんじゃないかと思ったんです。それで、セオドアにジョーイを念頭にリライトしてもらいました」とブラフ。「私が初めてジョーイを見たのはサム・ライミ監督の『オズ はじまりの戦い』で、この女の子には特別な何かがあると思ったんです。そして、『WISH I WAS HERE/僕らのいる場所』で彼女を起用しました。彼女はものすごい女優ですよ」

「ジョーとブルックリンには愛情あふれるすばらしい絆があるんです」とキングは言う。「ふたりは、おじいちゃんと孫娘というよりは、親友同士みたいで、いつもいろいろ議論しているんです。その仲のよさはとてもスイートなの。ジョーはブルックリンの頭のよさがとても自慢で、いつも彼女の将来を考えてくれています。そしてブルックリンのほうは、ジョーの面白いところや若々しいところを引き出している。それに、ふたりはお互いを守っているんです」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

銀行強盗をすることを検討している間、それが成功でも失敗でも、ブルックリンにどんな影響を及ぼすかということが、ジョーはいちばん気懸かりだ。そのために彼はマーフィーに会いに行く。

「マーフィーは自分を“起業家”だと言うでしょうが、実際はただの負け犬です」と演じるセラフィノウィッツは言う。「彼は役立たずなんですよ。精神的に大人になれず、自分が子供の父親だという事実を受け入れていない。養育費の支払いにはいつも遅れて、罪悪感は抱くものの、それに対して何か手を打たなければならないと考えるほど悪いとは思っていない。だから、ブルックリンには父親がいないのと同じなんです。彼は悪人ではない。ただ、大人にならないといけないんです」

「ピーターは、もっと派手で、もっと体を張ったコメディで知られているんですが、今回はマイケル・ケインを相手にトーンダウンさせて、目に見えるコミカルさを抑えなければならなかった。それでもやはり彼は面白いですけど」とブラフ。

俳優としてヒーローと崇める大先輩のひとりと共演したことについて、セラフィノウィッツはこう語る。「マイケル・ケインはとにかく次元がまったく違う。伝説的名優というだけでなく、彼はすばらしく楽しい人なんです。それでも彼と会う前は怯みました。この映画の中でマーフィーはジョーといるとナーバスになる設定なのは幸運でしたね。マーフィーはジョーにいつもダメな人間だと思わせられるからなんですが、僕はそこから多くを引き出しました」

ジョーが期待するような男にマーフィーがなれるのかどうかは別として、少なくとも彼は、3人組が求める協力者を紹介する。それはヘスースという名の謎めいた人物で、長い前科歴がある。そして不可解なことに、彼が心配する捨てられた動物たちのリストはそれよりも長い。ヘスースは分け前をもらう条件で、標的を調べるタイミングから、きれいに逃走することまですべてをこの素人たちに教えることに同意する。そして、最難関なのは最初のレッスンかもしれないことが判明。それは携帯電話からのメールの打ち方だった。

謎めいたヘスースを演じるジョン・オーティスはこう説明する。「ヘスースはいわゆる典型的な犯罪者タイプではないんです。彼は、たぶん都会で日々起きる困難な状況を生き抜いてきた一匹狼で、外見の荒っぽさから怖そうに見えるけれど、相手の気持ちを理解して行動します」

だが彼の分け前がどれほどであろうと、この仕事には充分だとは思えない。

思いがけぬ恋

そんな計画の真っ最中に、アルと、アン=マーグレットが演じるスーパーのレジ係アニーの間に、思いがけなくも美しいロマンスが芽生え始める。こんなことが起きるなんて、誰よりも驚いたのがアル自身だ。彼は、自分の人生でそういう部分はもう終わったとずいぶん前に心に決めていたので、そもそも恋をしたいとは別に思っていなかったのだ。

陽気なアニーは、アルが芸術性や優しさを内に秘めていることを感じとり、そういう面を表に出さない生き方は間違っていると彼に伝えたくてしかたなかった。「アニーはアルに夢中なんです。彼女は、彼がサキソフォンを演奏していたころを覚えているんですよ」とアニー役のアン=マーグレットは言う。「今の彼は、親友たちと毎日のように彼女が働く店にやってきて、じゃがいもを1つとか、缶のスープを1個とか、買うんですが、やがてある出来事が次につながっていき……。彼自身は、いつの間にこういうことになったのか分かってないでしょうね」

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監督のブラフはアニーについてこう説明する。「アニーは美しく、チャーミングで、ちょっと誘う雰囲気もある。アン=マーグレットはそのすべてを兼ね備えています。すごい美人だし、ユーモアのセンスも抜群。そのうえ、彼女とアランは以前共演したことがあり、友達同士なので、すぐにすばらしい親密さを出すことができました。彼らの相性のよさはスクリーンを通してしっかり伝わってきますよ」

誰にとっても、恋に落ちるということは自分が変わるほど大きな体験だろう。アル以外は。このキャラクターについて、アーキンはこう語る。「アルは変わらない。それはこのロマンスに関して面白い点のひとつなんですが、彼はとくに変わらないんです。どんな人間関係でも、それから影響を受けて変化するものですが、アルに関しては、ちょっと素直になったぐらいじゃないかな」

「うーん、彼はまだ気難しいけど」と、アン=マーグレットが言い返す。

「気難しいと思う?」と、アーキンは一応、聞き返しながらも、こう認める。「アルは突然、願ったわけでもない恋愛関係に陥ったんですからね。彼はどうしてそうなったのか、なぜそうなったのか、全然分からないんです。でも、どういうわけかうまくいっている感じ」

アーキンとアン=マーグレットは気の合った軽快なやり取りを見せてくれる。それがいちばんはっきり分かるのは、ふたりがカーニバルのステージ上でカラオケを一緒に歌うシーンだろう。「すばらしいシーンを撮ることができました」と製作のデ・ラインは思い返す。「アン=マーグレットとアラン・アーキンにデュエットさせたんですが、それがほんとうにゾクゾクする体験だったんです。彼女が歌うのを聴いたのはずいぶん久しぶりでしたが、今でもすばらしかった。それに、アランが歌えるなんて知ってましたか? すごくいい声なんです。じつはアランは昔、フォークバンドで歌っていたプロのシンガーだったんですよ。その後、演技の道に進むために音楽をやめたそうです。そんなわけで、ふたりはライブで歌い、あのシーンでは一緒にとても楽しんでいました」

邪魔者

さて、彼らの計画を妨害する者が当然のように現れる。マット・ディロンが演じるFBI捜査官のヘイマーだ。監督のブラフは彼のことをこう語る。「ヘイマーはいかにもFBI捜査官らしい人物ですが、ウィリーたち3人組のかっこうの引き立て役に思えるし、笑わせてくれます。マットはまさにぴったりでした」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

ジョーがたまたま居合わせた最初の銀行強盗事件を担当したヘイマーは、その銀行が思いがけず2度目の襲撃にあったときもまだ、最初の事件を解決しようとしていた。

「ヘイマーは負けず嫌いで、つねに自分が正しくないと気が済まないタイプの男なんです」とディロンは言う。「彼が初めてジョーに会ったとき、ジョーは最初の銀行強盗の目撃者で、まだ犯罪は何もやったことがありませんでした。ヘイマーは、自分に向かって捜査のやり方に口を出したり、TVの『LAW & ORDER ロー&オーダー』をもっと見たらどうかと勧めるジョーを、人を見下したじいさんだなと感じます。ヘイマーはそれをちょっと面白がるのですが、もちろん、失礼だとも感じるわけです」

ヘイマーも頭が悪いわけではない。彼はほとんどの場合は優秀な捜査官として腕をふるい、この老いぼれ3人組に関しても何か企んでいると感じるものの、それが何かが分からない。だが彼は突き止めるのを決してあきらめない。

ニューヨークでの撮影

本作の撮影は、クイーンズとブルックリンでおこなわれた。ニュージャージー生まれのザック・ブラフ監督にとって、ニューヨークでのロケ撮影は譲れなかった。「この環境にいることで得られる質感、住民、そして映画の制作価値は、ほかの場所とはまったく違います」と彼は語る。「難しい問題もありましたし、暑かった。それに、ニューヨークの人々は、とくに歩道を封鎖されると、必ずしも友好的でありませんが、絶対にここで撮影しなければと思いました」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

ブラフを支えるクリエイティブ・チームの一員である撮影監督ロドニー・チャーターズは、それまでにTVシリーズのパイロット版でブラフと組んだことがあった。ニュージーランド出身のチャーターズの撮影スタイルをブラフはこう褒める。「彼はものすごく素早く撮影するんです。私もそういうやり方が好きですし、非の打ちどころがない。彼が撮る映像は豊かで、照明も美しい。ロドニーは、この街のいちばんいいところを引き出してくれました」

本作の主要セットの中には、銀行、スーパー、そしてカーニバル会場がある。

ワン・ハドソン・プレイスにあるウィリアムズバーグ銀行の建物はブルックリンの名所で、その時計台はフォート・グリーン/アトランティック・アベニュー地区を見下ろしている。現在はその大部分が居住用になっているが、そのボザール様式のロビー、約20メートルの高さのアーチ形天井、大理石の床、ステンドグラス、そしてカラフルなモザイクがあり、イベント会場としても使われている。フィルムメーカーたちは、その充分すぎるほどの高さとスペースからこの場所を選んだ。ブラフとチャーターズが複数のカメラ、クレーン、ドリーを駆使して、興奮と勢いのある瞬間を演出するのにふさわしいからだ。また、美術監督のアン・ロスは、そこを新旧取り混ぜたスペースに変身させた。ロスによれば、それはよく見られる光景だそうだ。「かつては壮麗だった多くの銀行の建物が、雰囲気に合わない耐熱性合成樹脂と質の悪いオフィス家具を使った清潔だけど味気ないスペースにリフォームされていますよね」と彼女は言う。

万引きのシークエンスでは、駐車場を併設したスーパーを見つけるのが難問だった。「ニューヨークの小型スーパーのほとんどには駐車場がないんです」とロスは説明する。幸い、彼女にはロケ地の心当たりがあった。ブルックリン、ウィリアムズバーグのグランド・ストリートにあるスーパー“キーフーズ”だ。彼女はかつてその近くに住んでいた。ちょうどいい規模と古さだったので、“バリュータウン”と名前を変え、商品を入れ替えた。この高級ではなく、断じてグルメ向けではない町のスーパーで、ウィリー、ジョー、アルは買い物をする。

ロスはセット装飾係のサラ・パークスとともに、ナイツ・オブ・ハドソンのカーニバル会場を、ウィリアムズバーグのイーストリバー州立公園にゼロから作った。観覧車、お化け屋敷、カラオケ・ブース、さらには、ケインが演じるジョーがちゃんとした理由があって飛び込むことになるダンクタンク(的当てゲーム用の水の入ったタンク)を設置した。

そういうロケ地でのセット作りは組織だったパズルを組み立てる面白さがあったが、ロスはそれとは別に、彼女が“個性とニュアンスがある”と言うセット作りをとくに楽しんだ。たとえば、ニューヨーク、ベスページのゴールドコースト・スタジオのステージに建てられたジョーの家、ウィリーとアルの住居の内装などだ。それについてロスはこう説明する。「ジョーの住まいは長年の持ち家で、彼はそこで妻と暮らしていました。彼がそこに引っ越してきたのは1960年代半ば以降だと思われるので、雑然とした感じにしたんです。カーペットや壁紙の一部にはイギリス風を採り入れ、サッカーのチェルシーのファン――マイケル・ケインがそうであるように――という設定で、チェルシーのグッズをいくつか置きました。ウィリーとアルは今ではジョーの家と通りを挟んだ向かい側に住んでいますが、最初からそうだったわけではありません。おそらく、定年退職後、あるいは、アルの妻が亡くなったあとでふたりは同居するようになったんだと思います。だから彼らの家には個人的な物があまりなく、歴史が浅い、シンプルな形で装飾しました」

それでも、彼女はこう続ける。「壁にはジャズのポスターが飾られているので、アルのミュージシャンとしての経歴は分かりますし、ウィリーの寝室には家族の写真や、これもモーガン自身の生涯を通しての関心事である宇宙旅行関連のものが数多く飾られています」

肝心な要素のひとつが、ストーリーとキャラクターたちを、別の世界を遠くに見ることができる町に置くことだった。製作のデ・ラインはこう語る。「ウィリーたちが住んでいるのはブルックリンで、労働者が住む町という雰囲気があります。でも、橋を越えるとそこはすぐマンハッタン。富の象徴であるウォール街の高層ビルが見えるんです」

映画『ジーサンズ はじめての強盗』

本作の舞台のため、ロスはブルックリン、クイーンズの穴場を探した。彼女は、このストーリーはニューヨークのマンハッタン以外の地域で展開すべきだということにまったく疑問は抱かなかった。「マンハッタンから人々が押し出されるというのはよくあることなんです」と彼女は言う。とはいえ、こうも語る。「ブルックリンとクイーンズも、今では高級化が進んでいます。小さな家の隣に、ガラス張りの高層ビルが建てられることも多く、労働者階級が追いやられている状況を視覚的に象徴しています」

それぞれの家の外観は、ロングアイランド・シティーの、質素な低層階の家が並ぶ静かな通りで見つかった。その一画の奥からはRFK/トライボロー橋が見える。その近くのクイーンズ、アストリアでもいくつかのロケーションが使われた。ウィリーたちがボッチボールをするディットマース公園、ブルックリンの中学に使われた第122公立学校マミー・フェイ・スクールなどだ。クイーンズのそのほかのロケ地には次のような場所が含まれる。カレッジポイントにあるVFWポスト885はナイツ・オブ・ハドソンとして使われ、リッチモンドヒルのバンガーツ・フラワーズは、マーフィーの医療用マリファナ薬局に変身した。マスペスの1960年代からあるグッドフェラーズ・ダイナーは、3人組がコーヒーを飲み――そして、懐が温かい日には――パイを食べる店ナッツとして使われた。アニーのアパートはイースト・ウィリアムズバーグにある建物。そして、3人が働いていた架空の工場セムテック社の外のシーンは、サンセットパークにあるブルックリン陸軍ターミナルで撮影された。

衣装デザイナーのゲイリー・ジョーンズは、ブルックリンで実地調査をし、道を歩く人々の写真を撮ってリサーチの補強とした。主人公たちの家計事情を考えながらも、ジョーには帽子、ブレザー、ベストでイギリス人としてのルーツを維持させ、ウィリーにはもっとカジュアルなセーターとズボン、つねに人とは違う行動をしたいアルには、ほとんどのシーンで短パンをはかせた。

ジョーンズは、アン=マーグレットと以前にも組んだことがあるのだが、今回も、アニーの外見を創っていくうえで、彼女は貴重なパートナーとなった。「アニーはある程度の年齢になっていますが、とても茶目っ気があり、セクシーな女性でもあるんです。私たちはその点を、ごくリアルな方法で、服でも表現したいと考えました」とジョーンズは語る。勤め先のバリュータウンの制服を脱ぐと、アニーは鮮やかな色の、少しフワフワする服を身にまとう。

本人は変わっていないと主張するものの、アルも恋に落ちたあとで少し感じが変わるのも確かだ。ジョーンズはこう語る。「彼は、ちょっと派手ですてきな装いをし始めます。服の色が明るくなり、暖かくなるので、全体的な印象がまったく違うんです。最初、彼はもっとネガティブな感じでした。暗い色で、何の装飾もなく、とてもシンプルで、いつも短パンをはいている。それが、強盗用にスーツを着たときから変化が出てきます。彼がジャズをやっていたときの名残りのような、ジャズっぽい感じで、その服にはモヘア織りの部分もあります。アルは再びサキソフォンを演奏するようになり、そのおかげでまた違う一面も現れてくるんです。ようやく彼が前進し、自分の生活を変えようとしていることがはっきり感じられるようになります」

その点で、アルは3人の男たちの変化、さらにそれ以上の何かを強調している。

「すばらしいキャストに恵まれ、とっぴだけれど、同時にリアルで胸を揺さぶられるストーリーになりました」と製作のデ・ラインは言う。「すてきな人間関係、家族の絆が描かれ、ラブストーリーもあります。もちろん、あの3人が計画し、そのとおりに実行する巧妙な強盗も。観客の皆さんは大いに楽しむと思いますよ。これはごくふつうの人間たちがシステムに刃向かうストーリーですが、それだけではありません。『俺たちは終わった。人生はもうおしまいだ』とおそらくは思った男たちが力を取り戻そうとする。彼らは新たな自己認識を手に入れ、より堂々とするんです」

監督のブラフはこう締めくくる。「自分がどんな映画が大好きなのかを考えてみると、ひとつの共通点として、感動とユーモアがどう融合しているかという点があります。私はある瞬間に声を出して笑い、そのあとで感動したり、鼓舞されたりしたい。この映画でも、観客がそういう体験をしてくれればいいなと思っています。これは本質的に楽しい強盗コメディで、映画界の名優たちが共演しています。家族と一緒に楽しめ、きっと誰もが何かを手に入れて劇場をあとにできる映画なんです」

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