ER緊急救命室IX <ナイン・シーズン>

天然痘の疑いのある患者が運び込まれたERは大混乱になり、米国防疫センターにより、カウンティー内は緊急避難命令が出る。天然痘ではなく、サル痘の突然変異や、細菌テロの疑いも残したまま、感染の可能性のある、カーター、アビー、チェン、プラットたちは隔離されることとなる。

いつものごとく大忙しのER。ウィーバーは怪我をしたロマノに代わりも引き受けて大忙し。一方、エラと共にイギリスに帰国し、生活がしっくりこずにアメリカに戻って来たコーデイは、以前の彼女とは違う、冷淡な態度で患者に接し、周囲を驚かせる。

今日も大忙しのERでは、患者が廊下にも溢れるくらい、収容の限界を超えていた。そんな患者の中に常習犯のレッテルを貼られたマレンが鎮痛剤を求めて来ていたが、大忙しの中誰にも相手にされず、とうとう爆発してしまう。そして興奮したマレンはチェンに銃を突きつける！

テレビ中継でインフルエンザの予防注射の実演をしたウィーバーは、間違って針を取り替えずに二人目に注射してしまう。ガラントはERの常連患者のステラを担当するが、周囲の退院させろとの声とは逆に、心臓病を心配し、モニター監視を行う。

ロマノは腕の怪我がなかなか回復せず、手術の監督をするも、コーデイと大激論の末やり込められ、更に自信を無くしてしまう。コーデイは指導する医学生の一人のネイサンが初日から遅刻をしてきて怒るが、ネイサンはある難病に苦しんでいた…。

アビーの元に突然弟エリックが20歳の彼女を連れて、しかも飛行機を借り切って訪ねてきた。陽気すぎる弟の様子に、母の病気と同じ雰囲気を感じ取り、アビーは不安になる。しかし、その夜は弟たちとアビー、カーターでダブルデートを楽しむのだった。

ウィーバーは妊娠していることが発覚し、ご機嫌であったが、レズビアンであるはずなので相手が誰なのか疑問が残る…。一方、コーデイは医学生ネイサンの純粋ではあるが、行き過ぎた行為や、持病のパーキンソン病による不安定さに悩んでいた。

突然の大雪の中、アビーはエリックを探すために空軍基地に向かう。現地でエリックを心配した母マギーとも再会し、エリックが軍事裁判にかけられそうなことを知る。ERにはトラックに突っ込まれた母子3人の重傷患者が運び込まれ、コーデイたちが治療に当たる。

ERに交通事故により負傷した父娘が運び込まれ、父親は治療の甲斐なく死亡してしまう。残された娘モーガンは骨折で済んだが、実は女の子ではなく男の子であるということが発覚する。そのせいで両親は離婚していたが、独りぼっちになったモーガンは母親に引き取られることになる。

クリスマス休暇を取る人が多く、人手不足で大忙しのERに、医学生ハーキンスが重傷を負って運び込まれ、コバッチュも頭に軽い怪我をしてやって来る。一体何があったのか？ 自暴自棄となったコバッチュの心情を時間を逆行してふり返って行く…。

私生活が荒れているコバッチュは白血病の患者を風邪と診断し死亡させた件で死亡症例検討会にかけられてしまう。アビーやルイスはコバッチュをかばうが、ロマノはコバッチュに早退を促す。一方妊娠中のウィーバーは勤務中に出血し、流産してしまう。

プラットは病院の医療廃棄物処理部で兄レオンが働けるように頼み込み、雇ってもらう。張り切るレオンだったが、その夜に銃の不法所持で逮捕されてしまう。カーターは下町で献身的に医療活動を行うマクナルティ医師と知り合い、その姿に感銘を受けるのだった…。

プラットの兄レオンが悪友たちと強盗に入り、警官と銃撃戦の末､レオンの友人と警察官が重傷を負う。結局友人ビズは死亡し、警官はなんとか助かるが、カーターはプラットにレオンと離れることを勧める。ロマノは腕の回復のことで苛立ち、オペに立ち会ってもミスをおかしてしまう…。

腕の回復が遅れ、苛立つロマノを横目に、ウィーバーが政府公認の公衆衛生局の医療担当主任に選ばれる。長年狙っていた座を奪われただけではなく、腕が回復するまでは医学生の指導にだけ従事するように言われたロマノは一層ショックを受ける。

ガン患者の少年ショーンがERを再び訪れ、末期に近い状態だということが発覚する。しかしルイスに恋心を抱いているショーンは、少しでもルイスの近くにいるために、次の治療を受けるつもりであった。そんなショーンにルイスは自宅で最後のひとときを心静かに過ごすよう諭す。

ERの向かいの食堂に強盗が入り、4人が血まみれで倒れていた。夜勤を終えたコバッチュとチェンは偶然軽食を取りに食堂へと入り、それを発見する。一人だけ息のあったウエイトレスを二人は懸命に治療し、なんとか一命を取り留める。

市議会でカウンティー病院の来年度予算がブライト議員の計らいにより承認され､そのためウィーバーはブライトの恋人キースの梅毒の治療を内密にせざるを得なかった。しかしキースはペニシリンに激しいアレルギー反応を起こし、死亡してしまう。

ロマノは暫定的にER部長に就任するが、横暴ぶりが激しく、患者の命までも危険に陥れる。そんなロマノに対し批判は高まり、カーターが一人立ち向かう。そこへ行き倒れになっていた男性が運ばれ、車で事故を起こし、子供二人を残してきたことを告げる。

ロマノは腕の回復が思わしくなく、最悪の場合は腕を切断せざるを得ないことにコーデイは気づく。アビーは消息を絶っていた弟エリックから連絡が入り、駆けつける。一方横暴なロマノに一人立ち向かうカーターに悲報が舞い込んでくる…。

重度の心臓病患者の少年を助けるべくコバッチュは奔走するが、カウンティーの評議会は手術を拒む。しかしウィーバーの説得により少年の命は救われる。ロマノは自宅で誤って悪い方の腕を火傷してしまい、いよいよ切断せざるを得なくなってしまう。

今日の夜勤を最後にプラットはノースウエスタン病院に移る予定だ。ロマノはとうとう切除手術を決心し、コーデイにアシストを頼み込む。

ERのあまりの忙しさに目的意識の薄れたカーターはNGOのボランティアとしてコバッチュのいるアフリカの奥地に向かう。ザイールのキサンガニの病院は医療器具も医薬品も何もかも不足しており、カーターはその厳しすぎる現実にただ呆然とする。