西ボルティモアで麻薬をめぐる闘争は激化の一途をたどる。犯罪の死闘は最悪のタイミングで発生する。市長は、来年が選挙の年であるため、麻薬戦争が終わって欲しいと必死に願っている。ところが、死体の数はますます増えるばかりだ。
シーズン3の第1話。市街を改善する動きにより、悪名高いタワー(高層住宅)、フランクリン・テラスが取り壊される。そのため、バークスデールの麻薬密売人たちは新しい縄張りを西ボルティモア内に探さざるを得なくなる。
オマールがバークスデールの隠れ家を探索する一方、バークスデールの組織の売人で、忠実な兵士であるボディーはマルロの縄張りを狙うよう指示を受ける。いつも冷静に“提案(プロポジション)”を持ちかける東地区の売人、プロポジション(プロップ)・ジョーに仕掛けた盗聴装置が余り効果を発揮しないので、落ちつかないマクノルティは、ディアンジェロ・バークスデールの自殺について独自の再調査を始める。
コルヴィンは彼の担当する西ボルティモア地区の重犯罪者数に関する犯罪戦略(ComStat)アセスメントの期間中、バレルとロールズの刺すような視線を感じる。茶色の盗聴装置のおかげで、ダニエルの密売人チームはターゲットを新しく設定せざるを得なくなる。プロップ・ジョーはストリンガー・ベルに警察が電話を盗聴していると警告する。
西ボルティモアの住民は、地区の集会で、コルヴィンから率直な意見を聞かされる。バブルスは良い仕事が見つかり、ストリンガーは山の手で昼食を取り、一方バンクは不良少年たちに、協力と引き換えに、逮捕しないという約束をちらつかせている。
草の根での地道な努力に失望して、コルヴィンはダニエルズのチームから得た情報を地区のワンランク上の責任者に流す。マクノルティはストリンガー・ベルが合法的な商売を手がけているのを目撃し、彼が麻薬のターゲットとしては手の届かない存在になってしまった事に気づく。
ストリンガー・ベルは、建設事業の経営の難しさを実践を通して知る。バンクは最新技術などに頼らない古き良き捜査方法でオマールを追跡し、力強いメッセージを伝える。コルヴィンは、新しい上層からの命令を無視し、通称“ハムステルダム”という麻薬解放区を設置することによって、麻薬絡みの犯罪を減らそうという一掃作戦に出る。エイヴォンはカティとスリム・チャールズをマルロに差し向ける。
ハークは古くから見覚えのある顔に遭遇し驚く。ダニエルズは特別班が西地区に配置転換された真相について暴露する。ストリンガー・ベルは、ドネッタがマクノルティの訪問についてブリアナに話したことを、ドネッタから知らされる。
ハムステルダム計画で街が浄化された反面、泥棒が売人たちの売り上げを盗んだりと、ハムステルダム内の治安が悪化し始める。カーバーとトラックは売人たちから怒りをぶつけられる。プレッツはボディーの携帯電話から発見した情報で特別班から感心される。その情報入手により、マクノルティとグレッグスは長い旅に出る結果に。マクノルティはストリンガー・ベルが運転していた車のナンバー・プレートを意外な方法で入手する。一方、グレッグスとカーバーは汚い金を運ぶ議員秘書を逮捕するが、彼の釈放を余儀なくされる。
マクノルティとプレッツは銃撃戦の緊急応援を要請されて出かけて行くが、そこで大変な事態を引き起こしてしまう。エイヴォンの手下は、争わないはずの日曜であるにも関わらずオマールに攻撃を仕掛け、オマールはバークスデールに対する怒りを増大させる。
ブラザー・ムーゾンが、復讐の為にボルティモアに戻ってきて、オマールを探す為に広く網を張る。オマールはオマールで、広く復讐の念に燃えている。コルヴィンはハムステルダムに関して探索したがるレポーターの気をそらすことに成功。一方、バレルは市役所に新しい事実を報告する。
盗聴活動によりバークスデールに関する情報が集まり始めたが、トップへの繋がりを証明するものは依然見つかりにくい。ストリンガーとエイヴォンは、お互いに将来の計画をうちに秘めながら、ここまでの互いの道のりを回想する。
シーズン3のフィナーレでは、押し黙ったエイヴォンがマルロとの終わりのなき戦いに備える事となる。一方、特別捜査班はバークスデール組織のトップレベルに対し働き掛け、マクノルティはストリンガー・ベルの追跡活動を見直す。