『愚行録』『蜜蜂と遠雷』で国内外より注目される石川慶監督の待望の新作映画『Arc アーク』。原作は、21世紀を代表するSF作家ケン・リュウの傑作短編小説「円弧(ルビ:アーク)」(ハヤカワ文庫刊)。人類で初めて永遠の命を得た女性の人生を描く本作で、芳根京子が主人公・リナを演じる。『累 -かさね-』と『散り椿』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、新作『ファーストラヴ』も話題の芳根京子は、1人の女性の17歳から100歳以上を生き抜くという、キャリア史上最難関の役どころに挑んだ。リナが勤めるエターニティ社の責任者エマに、寺島しのぶ。エマの弟で天才科学者である天音役に、岡田将生。さらに、物語の重要なカギを握る人物を、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫という日本映画界の至宝である3人が演じ、その全身から滲み出る人間味でスクリーンに情感を与えた。人類にとって全てが初めてとなる不老不死の世界を描いた、驚愕と不思議(=センスオブワンダー)に彩られた壮大なるエンターテイメント作品が誕生した!
17歳で生まれたばかりの息子と別れ、放浪生活を送っていたリナは、19歳で師となるエマと出会う。彼女は大手化粧品会社エターニティ社で、〈ボディワークス〉という仕事に就く。それは最愛の存在を亡くした人々のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術(プラスティネーション)するもので、悲しみを乗り越えたい人々からの依頼は絶えることがなかった。一方、エマの弟で天才科学者の天音は、その技術を発展させ、姉と対立しながら「不老不死」の研究を進めていた。30歳になったリナは天音と共に、「不老不死」の処置を受ける人類史上初の女性となり永遠の命を得た。やがて、不老不死が当たり前となった世界は、人類を二分化していくこととなり、同時に混乱と変化を産み出していった。果たして不老不死が生み出した未来の先にリナが見たものとは…?
出演:芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆり/倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫
原作:ケン・リュウ『円弧(アーク)』(ハヤカワ文庫刊 『もののあはれ-ケン・リュウ短編傑作集2』より)
脚本:石川慶 澤井香織 音楽:世武裕子 監督・編集:石川慶