『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のセットにて:デイビッド・イェーツ、カラム・ターナーとエディ・レッドメイン
俳優のエディ・レッドメイン、エズラ・ミラー、カラム・ターナー、制作チームのコリーン・アトウッド、マーティン・フォリー、ピエール・ボハナ、それから、監督のデイビッド・イェーツ、製作のデイビッド・ヘイマンが、今作に関するおもしろい情報を教えてくれました。
『ファンタスティック・ ビーストと黒い魔法使いの誕生』について分かった10のことを紹介します。
監督のデイビッド・イェーツが2作目全体の雰囲気を少し教えてくれました。上質でスリル満点であり、またラブストーリーでもあるそうです。デイビッドは、ハリー・ポッターの原作を例に挙げながら、今作でも作品を通して社会的なテーマが盛り込まれている、とも語りました。
「映画を制作するときは、突き詰めていくと、現実世界の影響を受けずにはいられないんだ」とデイビッド・イェーツは語ってくれました。「私たちは常に、自分を取り巻く世界に影響されている。J.K.ローリングが脚本を書いているときも、私たち制作チームが物語を映像化するときもね。私たちは、どうしても現実世界で起きていることに敏感になってしまう。でも作品のテーマに関しては、時流をダイレクトに反映するわけではなく、むしろ普遍的で、典型的で、色褪せないものなんだと思う。寛容さと思いやり、多様性を受け入れるという価値観が大切なんだ。」
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりグリンデルバルトのスピーチ Image: Warner Bros.
「私たちがこの作品で掘り下げた価値観や、その価値観に疑問を持ち、否定すること。そして恐怖をかきたて、異質なものを迫害すること。これらは人類が通ってきた歴史で、いつの時代も問題になってきました。ちょっと怖いなと思うのは、その問題が昔より今のほうがあてはまるようになったことなんだ」
「ハリー・ポッター」シリーズのメインテーマの一つは、愛でした。例えば、赤ちゃんだったハリーを守ったのも母親の愛ですよね。デイビッド・イェーツによれば、『ファンタスティック・ ビーストと黒い魔法使いの誕生』でもこのテーマが引き継がれているものの、今度は愛によって「道を踏み外す」というアイデアを模索していくとの事です。
© JKR/Pottermore Ltd.™ Warner Bros. Photo by Jaap Buitendijk.
「全てにおいて、成長して、さらに磨きがかかった感じがするよ」と、デイビッド・イェーツが明かしました。「この作品で他のどの作品よりも力を入れたのは、いろんな登場人物の物語を見せること。同時にたくさんのキャラクターを追いかけていて、そこには複数の組み合わせが存在するんだ。ラブストーリーが数珠つなぎになっている、とも言えるかな。中心にあるテーマは、誰かを愛すこと、恋が終わること、政治や社会の思想に夢中になること、恋におぼれること、愛によって道を踏み外すこと。愛というテーマのまわりをぐるぐる回っていくような感じだと思う」
アカデミー賞受賞経験もある衣装デザイナーのコリーン・アトウッドは、今作にも引き続き参加しています。今回、彼女が最もインスピレーションを受けたのは、フィルム・ノワール。特に、1940年代の名画、『第三の男』という作品でした。
© JKR/Pottermore Ltd.™ Warner Bros. Photo by Jaap Buitendijk.
「わたしのアイデアは、まさにフィルム・ノワールの影響を受けています。『第三の男』の雰囲気が大好きなの。とにかく美しい映画よ。光と影の使い方が美しいのよ」コリーンが語ってくれた。
「デイビッド・イェーツがこう言っていたわ。今回の作品の、フィルム・ノワールっぽい感じがとても気に入っている、って」
ということは、ニフラーが小さな帽子をかぶって、トレンチコート姿で登場するということでしょうか?きっと、それはないですね……。
わたしたちの世界には、残念ながら魔法の羊皮紙はありません。「ファンタスティック・ビースト」シリーズの制作チームは、今作の脚本の内容を隠しておくために、魔法以外の方法に頼らなければなりませんでした。
© JKR/Pottermore Ltd.™ Warner Bros. Photo by Jaap Buitendijk.
「おもしろいよ。だって、脚本が送られてきたと思ったら、登場人物みんなの名前が変えられてるんだからね」と教えてくれたのは、エディ・レッドメインです。「極秘の情報として扱われていて、撮影現場で、衣装部が劇中で着用される衣装をキャラクターごとにまとめる時も、登場人物の名前を書いちゃいけないんだ。だから、ニュートは「いい人」、ティナは「ティナ・ターナー」からもじって「ターナー」、そしてダンブルドアは「めちゃくちゃいい人」って書かれてたんだ」
エズラ・ミラーは、彼が演じる問題を抱えたキャラクターであるクリーデンスが、今作でどのように成長していくのか教えてくれました。クリーデンスは、魔法サーカスに入るそうです。予告にも、そのサーカスのシーンが出てきていましたよね。
「摩訶不思議サーカスだよ」とエズラは話してくれました。「興味深いのは、1作目でクリーデンスの物語が語られたときには、「変人」という軽蔑的な言葉が投げられていて、それは、クリーデンスの心に傷を残したんだ。ぼくがおもしろいと思ったのは、それにも関わらず「変人たちのショー」と呼ばれるサーカスにクリーデンスがいることなんだ」
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』より摩訶不思議サーカスImage: Warner Bros.
「サーカスはとにかく美しくて、スチュアート・クレイグが美しいセットを創りあげたんだ」
わたしたちのヒーロー「ニュート・スキャマンダー」として再びスクリーンに帰ってくるエディ・レッドメイン。エディは、今回の作品でのハリー・ポッターとの驚きのつながりをほのめかした。
「脚本を読んで、複雑に絡み合っていると思った。いくつもの層が重なっているんだ。それに、「ハリー・ポッター」シリーズのファンなら、あっと驚く瞬間がたくさんあるよ」
「脚本を読み終わったとき、驚きすぎてあごが床につきそうだった」そうエディは笑いながら教えてくれました。「そして、もう一回、最初から読みたくなったんだ」
待ち遠しいですね!
「ぼくは、ハッフルパフだった」とカラムは教えてくれました。カラム・ターナーは『ファンタスティック・ ビーストと黒い魔法使いの誕生』で、ニュートの兄、テセウス・スキャマンダーを演じる俳優です。
ひとくちメモ:劇中の弟、エディ・レッドメイン演じるニュート・スキャマンダーも、同じハッフルパフです。以前、エディはカラムと不思議な共通点がある事を認めていました。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりテセウスとニュート・スキャマンダー Image: Warner Bros.
「今回とても楽しかったことのひとつが、カラムとの共演だったんだ」とエディが話してくれました。「カラムが出演している『戦争と平和』を観ていたんだ。妻と一緒に観ていて、カラムが画面に登場したとき、ぼくもハンナもこう言ったんだ。この人は、背が高くて、ちょっと影があって、かっこいいバージョンのぼくだ、って」
カラムもまた、ずっと「ハリー・ポッター」シリーズのファンであり、「ふくろうがぼくの部屋の窓にホグワーツの入学許可証を届けにきてくれないかなと思っていました」と語ってくれました。
その気持ち、よく分かります。。。
『ファンタスティック・ ビーストと黒い魔法使いの誕生』の予告編で、おなじみのスコットランドの城が登場したとき、ファンはそろって息をのんだと思います。デイビッド・イェーツが、なぜホグワーツが今回の作品に重要なのかを教えてくれました。
「今回の作品には、ダンブルドアが登場するからね。ホグワーツの世界に、もう一度、戻らなくちゃといけないと思ったんだ。といっても、ホグワーツのシーンはほんの少し。映画のちょうど中盤で、10分くらい1927年のホグワーツに戻るだけなんだけどね。ホグワーツに再び戻ることは、物語を作っていく過程の中で本当に自然に出てきた流れなんだ」
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりベイビーニフラー Image: Warner Bros.
「ホグワーツに戻ることは、物語の中でとても重要な意味を持っているんだ」イェーツは意味ありげに付け加えました。
『ファンタスティック・ ビーストと黒い魔法使いの誕生』で、美術監督を務めるマーティン・フォリーは、今作では新しい魔法動物がたくさんでてくると明らかにしました。しかも、『幻の動物とその生息地』には載っていない魔法動物も登場するそうです。
Baby Nifflers from Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald. Image: Warner Bros.
「いろんな部分で1作目から引き続き出てきているものが見られます。もちろん、魔法動物もそのひとつです。J.K.ローリングは、鳥が好きだから、鳥っぽい動物がたくさん出てくるよ」
2018年7月、最新作ではニフラーに赤ちゃんが生まれることを、エディ・レッドメインが明かしました。また、エディは、ベイビーニフラーとのシーンが今作でのお気に入りの一つだったと話しています。
「ベイビーニフラーのシーンは、今まで撮影したなかでもお気に入りなんだ」とエディは語ってくれました。「大混乱を巻き起こすところとか、ベイビーニフラーはぼくの1歳3ヶ月の子どもとそっくりだよ」
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりニュート・スキャマンダー Image: Warner Bros.
1作目『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』では、ニューヨークの魔法界が舞台になりました。今作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、パリの魔法界の秘密が明らかになります。そして、監督のデイビッド・イェーツは、3作目以降も世界中を旅することになる、と話しています。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりパリのポストカードを見るニュート・スキャマンダーImage: Warner Bros.
「このシリーズは、世界中の国が舞台になるんだ。実は3作目がどこの国になるのかはもう知っているんだよね……」とほのめかしました。
あとは、映画の公開を待つしかないですね。
CREDIT: COURTESY OF POTTERMORE
出典:POTTERMORE
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』2018年11月23日(金・祝)全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/