DCコミックス

DCユニバースで最もアツい旅行先5選

多くの人々は、休暇に旅行へ行こうと考えて町を飛び出しているかもしれない。しかし、コミック誌を一冊手に取るだけで済むのに高価な航空券を買う必要があるだろうか?というのも、DCユニバースには日常から抜け出せる美しい場所がたくさんあるからだ。ただし、それらの旅先へ行く際は、滞在中になにも事件が起こらないように祈る必要はあるのだが。

ニュージェネシス

ニュージェネシスとは、ハイファーザー、オライオンやライトレイをはじめとするニューゴッズたちの故郷であり、宇宙上の楽園ともいえる場所だ。それは金色に輝く、空に浮かぶ都市で、『New Gods #1(原題)』におけるジャック・カービーの描写によれば、眼下には「太陽の美しい光に包まれた、生い茂る緑の森、白い山々に透き通った水が流れる、手つかずの自然の世界」が広がっているそうだ。そんな美しい景色に囲まれたニュージェネシスの住人たちは微笑みと笑いが絶えない。オライオンは今でもまだ少し不機嫌そうな顔をすることもあるかもしれないが、ライトレイはこの世界のように明るく陽気で、見ているこちらまで思わず笑顔になる。

ジャック・カービーのフォースワールド・サーガにおける功績は、彼の経歴の中でもとりわけ素晴らしいものであると言ってもいいだろう。彼がデザインしたニュージェネシスは完全にこの世のものではないし、後に続く若手のアーティストたちにたくさんのインスピレーションを与えたことは間違いない。オライオンとライトレイが巨大な彫刻の前をよぎるこのスプラッシュページは、ニュージェネシスを可能性と夢に溢れた世界として読者のイメージを固める役割を果たした。もし私が仮にこの場所へ行くことができたとしたら、多分一生そこから出たくなくなるだろう。たとえそれが、ダークサイドやアポコリプスと超至近距離で暮らすことを意味したとしてもだ。

タマラン星

スターファイヤーの故郷であるタマラン星は、ベガの恒星系に属している星だ。アーティストのエドワード・バレットとロメオ・タンガルは、1985年の『The New Teen Titans #15(原題)』において、タマラン星の首都であるタマリス郊外を緑豊かなジャングルと素晴らしい動物たちで溢れる場所として紹介してくれた。

物語のある場面で、スターファイヤーは家族で行う儀礼的な狩りにナイトウィングとジェリコを招待し、ユミールの森へと連れ出す。その際、彼らはテレットという、ピンク色の恐竜のような生き物に乗る。彼らが狩ろうとしているのはドラゲットという生き物で、その生き物はテレパシーで会話をすることができ、森にある滝の中を優雅に闊歩することができるのだ。個人的には旅行中に狩りをしたいとは思わないが、タマラン星に生息する動植物を観察することは素晴らしい旅の体験になることは間違いないだろう。ただ、タマラン星の水が冷たすぎないことだけは祈る。

セミッシラ

ワンダーウーマンの故郷であるセミッシラは、だてに「パラダイス島」と呼ばれているわけではない。ワンダーウーマンのコミック読者のひとつの大きな楽しみは、様々なアーティストたちがそれぞれの解釈で描くセミッシラを見ることができることだ。その古典建築はよく知られたものであるかもしれないが、その素晴らしさはいつまでも色あせることなく、私たちの心をとらえる。アマゾンの住人たちはセミッシラに作り上げた文明社会に大きな誇りをもっており、その誇りは彼らが島を最高の状態に保つためにかける労力として反映されている。

私が今回、おすすめの旅先としてセミッシラを挙げたことに疑問を持っている読者もいるかもしれない。というのも、セミッシラは女性しか受け入れることのない島として有名だからだ。しかし、実はその慣習も変わりつつある。セミッシラの現女王、ヌビアは『Nubia: Queen of the Amazons(原題)』において、そう遠くない過去にこの島を全ての人々に向けてオープンにした。これは、セミッシラの鎖国的な方針を見つめなおし、人間世界が直面している問題に自分たちも手を貸そうと考えてのことだった。残念ながら、現『Wonder Woman(原題)』においてサージェント・スティールがアマゾンの人々に対し恐ろしい迫害を行ったせいで、再び島への扉は固く閉ざされてしまった。再び人間世界との関係が回復し、人類が価値ある種族だということを証明できるようになればいいのだが。

アトランティス

地上の人間たちがアトランティスを見つけるのに夢中になるのには理由がある。それは、アトランティスが壮大で素晴らしい場所だからである。ほとんどのアトランティス人たちは恐らく、地上の人々がぞろぞろと自分たちの故郷でくつろぐことには乗り気ではないだろうが、例外もあるだろう。もしくは、アクアマンが数多く従えている海底動物たちが助けてくれるかもしれない。

もしあなたがこれからアトランティスを旅したいと考えた場合、海の中へと潜っていくために様々な準備が必要だろう。しかし、実はかつて、アトランティスを訪れるのに酸素タンクも防護服も必要のない時代があったのをご存知だろうか。ダン・アブネットとリカルド・フェデリーチの『Aquaman #38(原題)』の中では、アーサーが海底と地上両方の世界で同時に暮らしたいと考え、アトランティスを地上まで引き上げたのだ。当時は、アトランティス人たちは自分たちの住処がさらに海底の奥深くまで沈んでしまう事を心配していた時期だったのだが、ある意味残念なことに、真逆が起こったというわけだ。みなさんは、アトランティスを旅行で訪れるのなら地上に引き上げられたタイミングが一番よいと考えるだろうか?おそらく違うだろう。とはいえ、海底の奥深くまで潜らなくてもよいのは便利に思われるかもしれない。

コーストシティ

あまりにも素晴らしくて、人々に愛されているがゆえに、それが失われつつある悲劇に直面したとき、そこの住人たちがどんな手を使ってでも守ろうとする街がある。それに当てはまる街こそ、コーストシティだ。コーストシティはグリーン・ランタンのハル・ジョーダンの故郷である。ハルはこの故郷のことを愛しており、その愛ゆえに彼はグリーン・ランタンとしての役割を踏み外しかけたことがある。この出来事は、ロン・マーズとダリル・バンクスの大惨事的な物語『Emerald Twilight(原題)』の中で描かれている。

『Emerald Twilight(原題)』では、悪役であるサイボーグ・スーパーマンとモングルが地球を戦場へと変えるべくコーストシティを破壊した。ハルはこのことに絶望し、コーストシティを再建するために、自分の仲間である他のグリーン・ランタンたちからエネルギーを力ずくで奪い取るという凶行に出てしまったのだ。幸いにも、ハルはその後改心し、彼の愛するコーストシティも再び甦った。

もう少し明るい話をすると、ジェレミー・アダムスとゼルマニコの最新の『Green Lantern(原題)』の物語では、コーストシティを今までで最も生き生きと色鮮やかに描いている。この街の名前が示すとおり、コースト(沿岸)シティはカリフォルニアの太平洋沿いに位置している穏やかな気候の場所だ。シティは山脈に囲まれているので、ハイキングに行ったり、野鳥観察に行ったりと、様々なアウトドア体験も楽しむことができる。つまり、コーストシティでは陸海両方のいいとこ取りができる地形となっているのだ。朝は海へサーフィンに行き、午後は山へハイキング、なんてこともできてしまうだろう。これ以上最高の場所はあるだろうか?

ライター:ジュール・チン・グリーン
Xアカウント(英語のみ):@JulesChinGreene

注釈:この特集で述べられている見解や意見はジュール・チン・グリーン個人のもので、必ずしもDCエンターテインメント及びワーナーブラザースの見解を反映するものではありません。また今後のDCの見通しを保証または否定するものでもありません。