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昼の仕事もこなしたスーパーヒーロー10人(成功度合はさまざま)

スーパーヒーローの仕事は、おおよそフルタイム勤務だといってもいいだろう。だが、誰もがスーパーヒーローの仕事一本で家賃や住み込み執事の給料を支払えるほどの富を持っているわけではない。また、お金が悩みの種ではない場合でも、一般人を装うために仕事をする必要がある者もいるだろう。眼鏡をはずして、仕事用のシャツを脱いだら実はスーパーパワーを持つ宇宙人でした、なんてことがばれないようにするためにも。

今回は、そんなヒーロー10人を挙げてみることにした。DCユニバースの隅々から集めた選りすぐりのスーパーヒーローたちで、一時的にでも、昼の仕事もこなしたことのある者たちだ。ただし、彼らがともに働いた一般人たちにとってよき同僚だったのか、はたまた次の人のことを考えず、ポットに入っている最後の一杯分のコーヒーを淹れてそのまま行ってしまうような人物だったのかは、みなさんの想像におまかせする。

1 スーパーマン:記者

最初に紹介するのはこの人以外あり得ないだろう。「昼の顔」を持つ人物として彼以上に有名なヒーローはいないと言ってもいいのではないだろうか。物腰柔らかなクラーク・ケントはデイリー・プラネット新聞社の記者だ。彼はいつも締め切りをきっちりと守り、厳しいボスの下でもせっせと働き、日中のすきま時間を使って何度も世界を救ってきた。

2 ハル・ジョーダン:テストパイロットおよび整備士

時には、スーパーパワーを持つことと引きかえに自分のキャリアを犠牲にしなければならないこともある。その良い例がハル・ジョーダンだ。もとは軍のテストパイロットだったハルだが、最終的にはグリーンランタンというスーパーヒーローとしての仕事1本に落ち着くことになる。数多くのテスト機を厳しいスケジュールの中で乗りこなしながら、それと同時に銀河の平和を守るのがどれほど難しいことなのかは、誰でも簡単に想像できるだろう。

3 バリー・アレン:科学捜査官

ハル・ジョーダンとは逆に、昼の仕事とスーパーヒーローの仕事をバランスよくこなしてみせたのがバリー・アレンだ。彼はスピードフォースとかなり仲良くなりながらも、刑事法科学部門の科学捜査官としての昼の仕事も精力的にこなしていった。超スピード(及び、差し迫った状況において、文字通り時空を駆け抜けることができる能力)は、事件を解決するのにはかなり便利だったのだろう。ただし、その力を使うことによってマルチバースが完全に崩壊してしまう危険とも常に隣り合わせではあったのだが。

4 デッドマンとナイトウィング:サーカス団員

すべてのスーパーヒーローが学校へ行き、学位や資格を取ることで就けるような仕事をしていたわけではない。ボストン・ブランドとディック・グレイソンはともに移動サーカスで空中ブランコの曲芸師として働いていた。ボストンにとってはそれが命取りになってしまったが(大丈夫、そのあと元気になったから。ある意味)。そしてディックは、この仕事によって大切な家族を失うことになってしまった。このことから、もし君がコミック誌の登場人物になったとしたら、サーカス団員になることはあまりお勧めのキャリアパスではない、と言えるかもしれない。

5 ブルーデビル:スタントマン

ブルーデビルことダニエル・キャシディの物語にはいくつかの複雑な紆余曲折があったのだが、彼の始まりの物語を見失うわけにはいかない。ダニエルはもともと、ハリウッドでスタントマンと特殊効果スタッフとして勤めていた。原作における彼の誕生秘話によると、ブルーデビルのペルソナはダニエルがある映画のために作った複雑で超高度な補綴(ほてい)スーツに由来しているのだ。その映画の名前は…なにを隠そう、『ブルーデビル』だ。そして、映画の撮影中に、文字通り本物の悪魔に呪いをかけられてしまい、ブルーデビルのスーツが完全にダニエルと一体化してしまった。結果として、彼自身がモンスターになってしまったというわけだ。ほんと、嫌になっちゃうね。

6 ミスター・ミラクル:脱出アーティスト

他にもパフォーマンスアーティストを職業としていた人物たちを挙げるとするなら、ミスター・ミラクルのことは忘れてはいけない。スコット・フリーはアポコリプスの地獄で育ち、ダークサイドによって容赦なく数々の拷問を受けてきた。しかし、彼はその超人的な精神力と頭脳をもってアポコリプスからの脱出に成功し、やがて自由の身となる。そして、自身のその超人的な脱出能力を使って脱出アーティストになることにしたのだ。「脱出王フーディーニ」のカラフル衣装版とでも思ってもらえれば、分かりやすいだろう。

7 ブースター・ゴールド:「プロ」スポーツ選手、俳優

まあ、厳密に言うとブースターはスポーツ選手としては実際にはプロにはなっていないのだが。しかし、試合で賭けごとをして失脚していなかったのなら、プロになっていた可能性はある。だが、プロのフットボール選手になるという野望を手放すことになったおかげで、彼はもう一つの昼の仕事に打ち込めるようになったのだ。「俳優/セレブリティ」という仕事だ。皮肉にも、セレブになるという考え自体が芽生えたのは、彼がスーパーヒーローになるための努力をはじめたことがきっかけだった。ブースターは自身のヒーローとしての功績を使い、広告契約をもぎ取り名声の道を上りつめようと考えたのだ。一応言っておくが、今回私たちがリスト化しているのはみんなのお手本になるようなヒーローたちではなくて、あくまで昼の仕事もこなしていたヒーローたちであるということは忘れないでほしい。

8 マーシャン・マンハンターと(またしても)ナイトウィング:警察官

ジョン・ジョーンズとディック・グレイソンはともにそれぞれの故郷の星で警察官として勤務していた。ジョンのほうは故郷である火星が破壊されてしまう前はハードボイルドな刑事だったし、ディックはブルードヘイブン警察のなかで着々と実績を作り、出世の階段を登っていた。しかし、2人のキャリアは最後までとんとん拍子にはいかなかった。ジョンは、刑事を辞めるうんぬん以前に故郷である火星が住人もろとも壊滅してしまった。ディックはといえば、昼も夜も犯罪と闘っていたことでワークライフバランス、もとい「ワールド」ライフバランスをうまくとることができなくなってしまったのだった。

9 ワンダーウーマン:看護師、宇宙飛行士、政治家、博物館職員、そして…ファストフード店の店員?

ワンダーウーマンの「普通の人間」としての顔であるダイアナ・プリンスは、いくつものキャリアを持つという点で特殊なケースといえるだろう。そしてそれぞれの職業が、他のどの職業ともほとんど関連性がない。これだけのスキルを持っていたら、一体どんな履歴書が出来上がるのかは想像がつかないが、少なくとも彼女は従軍看護師から政治家、博物館の学芸員、ファストフード店の店員(嘘ではない!)、さらには宇宙飛行士の職にまで就いていたこともある。ちなみにしばらくの間はスパイをやっていたこともあったが、それは昼の仕事とは言えないのでここには入れないことにした。

10 カイル・ライナー:フリーランスのアーティスト

心配せずとも、DCヒーローたちのファンの中にもいるであろう、愛すべき個人事業主のみなさんも共感できるヒーローは存在する。カイル・ライナーがそれだ。セクター2814のグリーンランタンとしてハル・ジョーダンの後を継ぐ前、カイルはフリーランスのアーティスト兼グラフィック・デザイナーとして働いていた。そしてグリーンランタンとしてフルタイムで働くようになったのちも、彼はその創造力を使い続けることができた。今まで持っていた鉛筆や筆が指輪に変わり、彼が創り出すもの全てがアートになった、というだけの違いだ。

ライター:メイソン・ダウニー

注釈:この特集で述べられている見解や意見はメイソン・ダウニー個人のもので、必ずしもDCエンターテインメント及びワーナーブラザースの見解を反映するものではありません。また今後のDCの見通しを保証または否定するものでもありません。