DCコミックス

絶対に忘れないバットマンの85の瞬間

1939年、世界はバットマンと出会った。それ以来、彼はかなり忙しい。『Detective Comics #27(原題)』でデビューを果たしてから(ちなみに、本号は85周年アニバーサリー・エディションが出た)、ダークナイトは数えきれないほど様々な機会を通じて自分のアイデンティティを作り上げ、この地球上でもっとも人気あるスーパーヒーローへと成長していった。

先ほど「数えきれないほど」という言葉を使ったが、これは意図的である。というのも、バットマンの忘れられない瞬間をすべて列挙しようとすれば、あまりにも数が多すぎて不可能だからだ。そのため、その試みははなからやめることにした。代わりに、生誕85周年という記念すべき年を祝い、「たったの」85個まで絞ってみようと思う。ちなみに、今から列挙するものはランキング形式でもなければ、年代順でもない。どちらかというと、ダークナイトがいかに素晴らしい人物であるかの理由がたくさん入った福袋とでも思ってもらいたい。さて、私からの話はこれくらいにして、バットシグナルを灯そうではないか!バットマンの歴史上、忘れられない85の瞬間をとくとご覧あれ。

1.「バットマン」のアニメシリーズにおけるイントロの順番。完璧としか言いようがない。

2.バットマンがサメ撃退用のバットスプレーでサメを退治する瞬間(1966年のドラマ「バットマン」にて)

3.バットマンがDCのマルチバースに登場するすべてのバットマンたちと協力した瞬間(2023年の『Batman #135(原題)』)

4.ブルース・ウェインが彼だけの秘密の滑り台を通ってゴッサムのダウンタウンにあるオフィスからウェイン邸の下のバットケイブまで降りていく瞬間(『バットマン フォーエヴァー』)

5.バットマンが人魚になる瞬間。べつに人魚になってもいいだろう?(1949年の『Batman #53(原題)』)

6.バットマンが他社の有名な、ある国の旗をスーツにしているスーパーヒーローを倒した瞬間(『D.C. vs. Marvel #3(原題)』)

7.バットマンが宇宙から地上へ落下する瞬間…ちなみに生還もする(2022年の『Batman #130(原題)』)

8.ベン・アフレック扮するバットマンがガーゴイルの上に立ち、背景で稲妻が落ちる象徴的な瞬間(ザック・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』)

9.若きブルース・ウェインが穴から暗い洞窟に落ち、コウモリを怖がる瞬間(『バットマン:ダークナイト・リターンズ』)

10.マイケル・ジアッチーノの楽譜が高々と鳴り響く中、ロバート・パティンソン扮するバットマンが姿をあらわす瞬間(マット・リーヴス監督『THE BATMAN-ザ・バットマン-』)

11.バットマンがエースという名の若きヴィランの最期を優しく慰めながら見届けた瞬間(「Justice League Unlimited(原題)」“Epilogue(原題)”)

12.アダム・ウェストがバットマンとブルース・ウェインの電話会話をでっちあげる瞬間(ドラマ「バットマン」<シーズン2>“アイス・スパイ”)

13.爆発しているMr.フリーズのロケットから、バットマンとロビンがロケットのドアをサーフボードのように利用しながら脱出した瞬間。あれは格好良かったと納得せざるを得ないだろう。(『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』)

14.ブルース・ウェインがゾッドの襲撃から逃れるため、メトロポリスのダウンタウンを疾走した瞬間。このとき、彼はバットマンの衣装を着ておらず、生き残るすべはもはやなかった。このときのブルースは、ただ単にできるだけ多くの人を助けたいと思っていたのだった(『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』)

15.マイケル・キートンが初めて「私はバットマンだ」と言った瞬間(1989年『バットマン』)

16.バットマンとペンギンのなんとも激しいカーチェイス(マット・リーヴス監督『THE BATMAN-ザ・バットマン-』)

17.『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』においてDCAU版ブルース・ウェインが初めてバットマンのスーツを着用した瞬間。シャーリー・ウォーカーの音楽とアルフレッドのリアクションは大きな相乗効果をもたらした。

18.バットマンが“Who’s the (Bat)Man”を口ずさみながらジョーカーと彼の手下たちを倒していく瞬間(『レゴバットマン ザ・ムービー』)

19.ガイ・ガードナーを一発で倒す瞬間(1987年の『Justice League #5(原題)』)

20.若きブルース・ウェインがベインを倒すためにコウモリの大群をあつめる瞬間(ドラマ「ゴッサム」<シーズン5>“ゴッサムを救え”)

21.バットマンがミュータント・リーダーを倒し、彼のギャングを乗っ取った瞬間(『バットマン:ダークナイト・リターンズ』)

22.打ち負かされた血まみれのブルース・ウェインがどのようにして犯罪者たちの心に恐怖心を植え付けられるのかと考えていたときに、突然小さなコウモリが書斎の窓を割って入ってきた瞬間。「はい、父上。僕はコウモリになります」(『Batman #404(原題)』)

23.1989年の『バットマン』および1992年『バットマン リターンズ』におけるダニー・エルフマンの楽曲

24.バットマンがモービウスチェアに座り、宇宙のすべての知識を与えられ神になった瞬間(2015年『Justice League #42(原題)』)

25.『Detective Comics #1000(原題)』でバット・ファミリーが全員集結してグループ撮影をした瞬間。全員が揃うのを見ると嬉しくなるものだ。

26.若きブルース・ウェインがジェローム・ヴァレスカとサーカスのびっくりハウスの中で戦う瞬間(ドラマ「ゴッサム」<シーズン3>“サーカスの夜”)

27.クリスチャン・ベール扮するバットマンがヒース・レジャー演じるジョーカーを拷問する瞬間。毎回鳥肌が立つ(『ダークナイト』)

28.ブルース・ウェインとディック・グレイソンが、お互いの両親を亡くした過去により結束力を高める瞬間(「Batman: The Animated Series(原題)」“Robin’s Reckoning, Part 1(原題)”)

29.アダム・ウェストのバットマンが必死に爆弾を処理しようとする瞬間(1966年ドラマ「バットマン」)

30.『ダークナイト ライジング』にてブルース・ウェインが骨折しながらも自力で穴から抜け出す瞬間。

31.『バットマン:ロング・ハロウィーン』もしくは『バットマン:ダークビクトリー』においてティム・セールによって描かれたすべての瞬間。どれも最高傑作だ。

32.バットマンが赤ん坊に変身するも、結局犯罪と闘うことを決断する瞬間。来たれ、バット・ベビー(1962年『Batman #147(原題)』)!

33.バットマンが(またもや!)赤ん坊に変身し、今度はジョーカーが彼を育てることを決めた瞬間。このとき、2023年で最もワイルドなDCストーリーが誕生した(漫画『ワンオペJOKER』)

34.「Batman: The Brave and the Bold(原題)」シリーズの最終回“Mitefall!(原題)”における映像のすべて。バットマンの遺産への素晴らしいトリビュートだった。

35.バットマンが初めてタンブラーをスピンさせた瞬間(『バットマン ビギンズ』)

36.ダークナイトがダミアン・ウェインの遺体を引き上げるために惑星アポコリプスの奥深くまで旅をし、彼を生き返らせようとする瞬間(『Batman: Robin Rises(原題)』)

37.ノーム・ブレイフォーグルが描いた『Detective Comics #587(原題)』のカバーイラスト。今まで描かれたダークナイトの絵としては最高のものの一つであることは間違いないだろう。

38.バットマンが棺桶に閉じ込められ、生き埋めになった瞬間。あらゆる予想に反して、彼は脱出に成功する(『バットマン:R.I.P.』)

39.恐竜に乗っているバットマンを見てみたいと思ったことはないだろうか?是非『Dark Nights: Metal #1(原題)』をチェックしてほしい!

40.バットマンが壁を爆破し、ゴッサムの腐敗したエリートたちのディナーを邪魔した瞬間。「お前たちはよく食べた。ゴッサムの富を食べつくしたことだろう。その精神も。お前たちの食事はじきに終わる。この瞬間から…お前たちの誰もが安全ではないと思え」(『Batman #405(原題)』)

41.ブルース・ウェインが2人の男児の面倒を見ようとし、降参する瞬間(『Batman: Black and White Vol 2(原題)』)

42.『ザ・フラッシュ』の中で1992年以来にバットスーツを着たマイケル・キートンを目の当たりにした瞬間

43.ケヴィン・コンロイがCW制作のドラマ「BATWOMAN/バットウーマン」で『キングダム・カム』のバットマンの衣装を着て登場した瞬間

44.バットマンが今までで最も難しく困難な死のトラップである「梟の法廷」の迷路から生還した瞬間(『バットマン:梟の法廷』)

45.バットマンがハル・ジョーダンのパワーリングを与えられ、ひと時だけグリーン・ランタンのパワーを得た瞬間(2006年『Green Lantern #9(原題)』)

46.スク―ビードゥーとチームを組む瞬間…しかも2度も!(『Scooby Doo Team-Up(原題)』)

47.両足を骨折し、車椅子生活を余儀なくされる――にもかかわらず、毎晩犯罪と闘うために外出する瞬間!!!(1950年『Batman #61(原題)』)

48.「Batman: The Animated Series(原題)」“Almost Got ‘Im.(原題)”のエピソードに登場するキラー・クロックが実はずっと変装したバットマンだったと私たちが知る瞬間。彼の影が次第にバットマンのシルエットへと変化していった場面にはゾッとさせられたものだ。

49.米テーマパーク・シックス・フラッグスの「バットマン・ザ・ライド」を体験した瞬間。あのくねくねとしたコースや、突然の落下はまさに爽快だ!

50.ビデオゲーム『バットマン アーカム・アサイラム』及びその続編の中でバットマンが静かに敵を倒す瞬間。

51.バットマンが彼の両親の仇であるジョー・チルと再会する瞬間。バットマンは自分のマスクを取り、自身がチルが何年も前に殺したカップルの息子であることを明かし、罪を償わせると誓うのだった(1948年『Batman #47(原題)』)

52.1989年の映画『バットマン』でバットウィングが月の前を飛ぶ瞬間。これぞ映画だ!

53.『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』でバットマンが警察に追いかけられ、マスクを取られそうになった瞬間。映画の終盤でダークナイトはすんでのところで追手から逃れることができる。

54.バットマンがザターナの、呪文を逆から唱える技をマスターし、魔法の世界へ足を一歩踏み入れる瞬間(2020年の『Superman: Man of Tomorrow #19(原題)』)

55.クリスチャン・ベールのバットマンが『バットマン ビギンズ』の中で犯罪者たちを「俺に誓え!」と尋問する瞬間。ああ怖い。

56.バットマンが『Detective Comics #241(原題)』で虹色のコスチュームを着た瞬間。全色着られるなら、一色だけなんてもったいないだろう?かなり攻めている瞬間でもあり、今後ももっと着てほしいものだ。

57.バットマンが、偽のSNSアカウントをいくつか作成し、自分について嘘の噂を流すことがあると明かした瞬間(2011年『Batman Incorporated #6(原題)』)

58.バットマンが、牢に入れられたジャスティス・リーグのメンバーを全員助け出した瞬間。スーパーマンやワンダーウーマンでさえ鉄格子を曲げることができなかったが、バットマンは別の方法を考え出すことができた(1963年『Justice League of America #18(原題)』)

59.ダークナイトが火を使って白い火星人集団を倒す瞬間(1997年『JLA #3(原題)』)

60.バットマンが初期の『World’s Finest(原題)』の表紙でロビンやスーパーマンとおちゃらけて楽しんでいる瞬間。どの表紙も、ダークナイトが彼の最高の仲間たちと楽しい時間を過ごしているものだった。新鮮。

61.ブルースがタリア(ラーズ・アル・グールの娘)との結婚生活を試してみて、案外結婚も良いものだ、と感じた瞬間(『Batman: Son of the Demon(原題)』)

62.バットマンがアポコリプスに連れて行ってもらうためにわざとパラデーモンに捕まった瞬間。到着して間もなく、バットマンはヘルスケイプの中を戦いながら進んでいき(しかも一人で!!)、スーパーマンの救出に向かった(2012年『Justice League #5-6(原題)』)

63.バットマンが、激しく落ち込んだベイビー・ドールを慰める瞬間(「Batman: The Animated Series(原題)」“Baby-Doll(原題)”)

64.バットマンが低所得の犯罪者に名刺を渡し、ウェイン・エンタープライズでの仕事に応募するように説得した瞬間。ブルース・ウェインとしての影響力を使い、彼女に仕事を与え、犯罪から足を洗い人生を再スタートできるように助け出した(『Batman #664(原題)』)

65.ブルースがナイトウィングとバットガールの口論を、二人が夫婦であることを宣言して収めた瞬間。誰の権限によってかって?バットマンに決まってるだろう!(『Dark Knights: Death Metal: Last Stories of the DC Universe #1(原題)』)

66.別次元の世界を訪れた際に、バットマンがそこに住むトーマスとマーサ・ウェインの命を助け、自分の中である意味、二人の死を克服した瞬間(『Detective Comics #500(原題)』)

67.ブルース・ウェインがデイリー・プラネットを「なんか面白そうだから」というだけの理由で買収した瞬間(2001年『Superman #168(原題)』)

68.『バットマン:ダークナイト・リターンズ』にてバットマンがスーパーマンを倒し、彼をあざける瞬間。「覚えておけ、クラーク。このさきの長い人生、お前の最もプライベートな瞬間においても、お前の首にかかった俺の手の感触を覚えておけ。お前のことを負かした、たった一人の男のことを覚えておけ」

69.まったく狂っているアニメ『ニンジャバットマン』の中でバットマンとロビンが猿の集団とコウモリの大群を掛け合わせて巨大なバット・ゴッドを作り出し、ジョーカーの巨大ロボットを倒す瞬間。

70.バットマンがやっと自分の気持ちに素直になり、キャットウーマンにプロポーズした瞬間(2017年 『Batman #24(原題)』)

71.1966年のバットマンのテレビシリーズにおける戦闘シーンで「BIFF」、「POW」や「ZOCK」といった擬音を見かけたすべての瞬間。

72.バットマンが24秒間、真空空間を耐え抜いた瞬間(『JLA:Welcome to the Working Week(原題)』)

73.バットマンの、上半身裸でのラーズ・アル・グールとの剣での戦い。こういった瞬間に、デニー・オニールやニール・アダムスがいかにコミックを作る際の偉大なライター/アーティストペアであるかがうかがえる(『Batman #244(原題)』)

74.『Detective Comics #275(原題)』にてバットマンがゼブラ・バットマンになった瞬間。ゼブラ・バットマンは普段のバットマンとさほど変わらないのだが、すべての固形物を嫌う特性がある。ちなみに衣装も黒と白の縞模様だ。

75.ブルース・ウェインが2年連続で「ピープル誌」の「世界で最もセクシーな男」に選ばれた瞬間(『Batman Confidential #52(原題)』)

76.バットマンがユーティリティベルトの中にペロペロキャンディを持ち歩いていると知った瞬間(『Batman: Urban Legends #3(原題)』)

77.バットマンが、爆弾の爆発を阻止する唯一の方法が、318キロのゴリラを絶対に床に触れさせないようにすることだと知った夜。「ゴリラを持ち上げる(!)」以外にダークナイトになにができたというのか?ちなみに特殊能力は一切使われていない。(『Detective Comics #339(原題)』)

78.『バットマン:ノーマンズ・ランド』のすべて。バットマンが荒れ果てたゴッサムをもとに戻した瞬間には息を呑んだ。

79.バットマンがジョーカーの猛毒に侵されたあとに自身を救った瞬間(「バットマン」“The Laughing Bat(原題)”)

80.クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』三部作におけるハンス・ジマーの音楽。素晴らしいの一言に尽きる。

81.バットマンが完全にマチス・マローンのペルソナになりきった瞬間。変装、衣装、うぬぼれた態度のすべて(『Batman: The Brave and the Bold(原題)』“The Mask of Matches Malone(原題)”)

82.バットマンがドラキュラとその手下の闇の怪物たちと闘う瞬間(『The Batman vs. Dracula(原題)』)

83.ゴッサム内のテーマパーク「Gotham’s World of the Future Fair(原題)」での、バットマンとジョーカーの激しい戦い(『バットマン:マスク・オブ・ファンタズム』)

84.ジャスティス・リーグがルーシャス・フォックスの救出ミッションを拒んだため、バットマンがチームを抜け自身のグループを作り上げた瞬間(1983年『Batman and the Outsiders #1(原題)』)

85.1939年の『Detective Comics #27(原題)』。この単体のコミック誌こそが、ポップ・カルチャーに大きな影響を与え、そこから数々の銀幕でのヒット作を出し、画期的なビデオゲームを作り上げ、様々なTV番組へと分岐し、数多くの関連作品を世に出すことになった。この、当時ほんの10セントのコミック誌から、すべてが始まったのだ。

これで85個だ!でも正直に話そう、実際あと850個くらいは挙げることができた。なんせ、今日挙げたのはバットマンの長い歴史のなかのほんのいくつかの瞬間にすぎないのだ。おそらくあなたのお気に入りの瞬間のうち、入っていないものもいくつかあっただろう。もし話し足りないのなら、いつでもDCコミュニティ(英語のみ)のほうに投稿してくれ。今年は一年中、バットマンの85周年を祝っているだろうから。バットマン、85周年おめでとう!

バットマンと、彼の年間を通してのお祝いについてはぜひ、DC公式ページをチェックしてほしい。

ライター:ジョシュア・レイピン=ベルトーネ
Xアカウント(英語のみ):@TBUJosh

注釈:この特集で述べられている見解や意見はジョシュア・レイピン=ベルトーネ個人のもので、必ずしもDCエンターテインメント及びワーナーブラザースの見解を反映するものではありません。また今後のDCの見通しを保証または否定するものでもありません。