DCコミックス

質問してみよう「スーパーマンとフラッシュのどちらがより勝った回数が多い?」

ようこそ。ここではDC コミックスの謎を紐解いていきますよ。私は司会のアレックス・ジャフィー。DCの世界ではHubCityQuestionとしての名でも知られています。質問がある場合は、DCのコミュニティーにある私のバーチャル・オフィス(英語のみ)に質問を投げてくれれば、できる範囲でお答えしましょう。

さあ、答えていきますよ!

宇宙人名鑑 第5巻:S~T

ジェフ・ミッドナイターさんからの質問です:
サナガー人、クリプトン人、ケルビム人をはじめ、どれほどの宇宙人が地球を訪れては離れ、地球に留まってきましたか?

これまで半年間、地球へ来訪したことのある宇宙人を解説し、この課題に取り組んできました。頭文字A~Rから始まる宇宙人においては例外を除き、過去の解説をご参照ください。なぜ例外としたかは長文でしたためている但し書きをご確認いただければ分かると思います。抜けている宇宙人がいれば、ご連絡ください。ここで取り上げられなかった宇宙人は巻末の付録に追加していく予定です。

サブロム人:緑色の肌でコウモリのような耳と赤い目を持ち、ヒゲのような突起物が顔にある巨人。“孤独の要塞”(北極にあるスーパーマンの秘密基地)から侵攻を開始し、地球に攻め込んできたことがあります。

サターン人:コミックスのゴールデン・エイジ(1938年~1950年の連載を指す)では、悪魔のような皇帝が支配する土星帝国が土星とその周囲の月を全て支配していました。地球も支配下に置こうとする皇帝のもくろみを受け、土星の奴隷商、サターネットとイーヴレスは頻繁にワンダーウーマンと対戦しているのです。その後、サターン人は“土星の息子”であるジェムのように肌が赤く、火星の入植者の子孫として認識されるようになります。

スクラブ族:毛のない青い肌の宇宙人。スポーツと競争をこよなく愛し、滅亡を逃れるために1対1の対決を仕掛けてくることで知られています。スーパーマンとモハメド・アリが地球を代表し、スクラブ族と対戦したのは有名な話です。

シピルクズ人:オレンジ・ランタンのリーダーであるラーフリーズがこれに当たります。漆黒の夜の戦いではネクロンと戦いに参戦したり、クリスマスの本当の意味を発見したりするほど、ラーフリーズは地球に幾度も来訪しているのです。

スカラリア人:人間のような外見をしたスカラリア人は、母系制のようです。テクノロジーをあまり利用せず、超人的な反射神経を武器に他の種族に攻撃しては発展を繰り返してきました。1000年後の未来では、リージョン・オブ・スーパーヒーローズ相手に女性だけで構成されたスカラリアの奇襲部隊で戦いました。

ソマフトラン族:額に2本の触角を持つ薄紫色の肌をした種族。他の種族には有害な細菌類を多く体内に共生させています。

ソマフトラン・インフェクシャス・ラスはリージョン・オブ・サブスティテュート・ヒーローズの一員です。

スペース・クラーケン:“海の神”宇宙人ドローグによってアンキス星より地球に送り込まれた巨大な怪物。生きた戦闘機として惑星に大水害をもたらし、住民を変異した兵士に変えてしまいました。

スター・コンカー:ヒトデのような隻眼(せきがん)の宇宙人。他の生物の顔に寄生して宿主を操るテレパシーのような能力を持っています。スターロ・ザ・コンカーのように巨大化する個体もいます。

サン・イーター:既知の宇宙で最も強力な生命体の1つとして知られています。サン・イーターは無形または人型の形をしており、宇宙規模のエネルギーを吸い取ることに長けています。かのスーパーマンも過去に幼いサン・イーターを孤独の要塞に飼っていたことがあり、また、ジャスティス・リーグも人型サン・イーターであるスターブレイカーと何度も対戦しているのです。

シムビースト:小さい寄生生物の種族。連結することで変幻自在に姿を変え、宿主の体から伸びることでさまざまな形態になります。シムビーストは、エリートの一員であるメナジェリーの動力源でもあるのです。

タロック人:タロック星系からやってきた青い肌をした、人間の外見をした宇宙人。スターマンであるマイケル・トマス、シネストロ・コァのまじない師であるリサ・ドラク、リージョン・オブ・スーパーヒーローズのシャドウ・ラスもタロック人なのです。

タリン人:エルフのような種族。元々は好戦的でしたが、自ら遺伝子操作を行い平和的な種族になりました。しかし、フィアサム・ファイヴのサイモンによってほぼ絶滅させられています。最後のタリン人となったジャラス・ミニオンは地球に逃亡し、ティーン・タイタンズの一員となりました。

タマラン人:ベガ星系に住む金色の肌をした人間のような見た目をした宇宙人。クリプトン人と同様に、タマラン人は太陽から驚異的なパワーを得ており、怪力、飛行能力、話者の肌に触れさえすれば言語を取得する能力を持っています。代表的なタマラン人は、コミックス版に登場するティーン・タイタンズのメンバー、スターファイヤーです。

チックチック:昆虫のような種族。人型パワースーツに集団で乗り込み、新たな星の侵略をもくろんでいます。パワースーツを黄色く塗るのは、グリーン・ランタン・コァから身を守るため。クライシス後、ハル・ジョーダンがグリーン・ランタン・コァのメンバーとして遂行した初期の任務は、地球に侵略してきたチックチックのリージョンを撃退することでした。

テクニス:人工知能を持つエイリアン・コンピューターの集合体で、宇宙を飛び回るスワンプシングによって初めて地球の者たちにその存在を認識されます。テクニスはティーン・タイタンズのサイボーグを取り入れようと地球にやってきたのです。

サナガー人:サナガー星の主な種族で人間に類似した宇宙人。Nthメタル(エヌス・メタル)の製造技術に長けており、好戦的な彼らは並外れたパワー、スタミナ、そして超感覚を持ちっています。初代ホークマンとホークガールがこの種に当たります。(違う代かもしれませんが)

ソート・ビースト:トリケラトプスに似ているソート・ビーストは、クリプトン星の生物で、思考を映像化して投影できます。クリプトン星が破壊された際、少なくとも1体のソート・ビーストが、孤独の要塞で生き延びていたとされているのです。

トーモック:千年もの間、宇宙を荒らしてきた種族。サディスティックなシェイプシフターの彼らは、優れた生物工学の技術を持っています。バルダリア族の宿敵であるトーモックは、ガイ・ガードナーを抹殺するために地球にやってきました。

トロッキアン:外見はウーリーマンモスのような四足歩行の種族。頭部の代わりに長い牙が二本あります。シネストロ・コァの一員だったムースという名のトロッキアンがシネストロ・コァ・ウォーの大戦で戦士として地球を訪れています。

ソーロニアン:トカゲのような見た目をしています。千年後の未来で地球の科学警察に潜入するオンティールもこれに当たります。

フラッシュVSスーパーマン:本当に速いのは、どっち?

カポメージさんからの質問:
フラッシュとスーパーマンが競争した際の勝敗を示す公式の成績は、ありますか?競争する度に邪魔が入ってしまうのが面白いです。誰か統計を取っている人がいれば、ぜひ教えてください!!

朗報です!これから勝敗を計算したいと思います!

スーパーマン対フラッシュがこれまで行ってきたレースの統計を取る際に少し厄介な点があります。それはDCの歴史上、スーパーマンは1人しかいないのに対して、フラッシュは何人も存在するという点です。よってカル=エルと赤いスーツを着た複数のフラッシュと足の速さを競ってきたレースは、それぞれに分けて比較したいと思います。

VSジェイ・ギャリック

よく議論になるのは、陸上での対決ならフラッシュの方がスーパーマンより速いのですだが、飛行になるとフラッシュよりもスーパーマンが速いという話題です。これから真相を確かめますが、これまで記録されたものでジェイがスーパーマンと対戦した、たった1回のレースは完全に地面を走行して行われました。

コミックス版『DC First: Flash/Superman』のなかで、アブラ・カダブラによりヒーローたちのレースが執り行われますが、勝者には死を、敗者は死を免れるというルールでした。当然ながら、2人のヒーローは自分が犠牲になると訴えます。しかし、ウォリー・ウェストから伝授されたテクニックでスーパーマンの速度を吸収し、最終的にジェイがフィニッシュラインを先に切りました。

レース結果:ジェイ1勝、スーパーマン0勝

VSバート・アレン

テレビシリーズ、『SMALLVILLE/ヤング・スーパーマン』フォース・シーズンのエピソード5で、若きクラーク・ケントはバリー・アレンやウォリー・ウェストと出会う遥か前に未来のインパルスと不思議な出会いを果たします。まだまだ修行が足りないといわんばかりに、バートは、砂埃にせき込むクラークをカンザス州にある長い一本道に置いていくのです。

レース結果:バート1勝、スーパーマン0勝

VSバリー・アレン

ではもっと、深堀りしていきますよ。クライシス以前の対戦ではバリー・アレンとスーパーマン両者の力は互角とされていました。コミックス『Superman 第119号』に登場するのは陸上のレースで、『The Flash 第175号』と『DC Comics Presents 第2号』では飛行してもよいとされるレースでした。スーパーマンとフラッシュの対戦で決定的な勝利と呼べるものは『World's Finest Comics 第198~199号』で紹介されています。198号の表紙には大胆にも次のように宣言されています: “勝者は、必ずいる!”表紙のイラストとは裏腹に、このレースもまた陸上で行われ、バリーが勝利を収めています。

アニメ映画『Death of Superman』のタイアップシリーズであるコミックス版『Death of Superman Part1第10号』 に登場するバリーは、ミスター・ミックスイェズピトゥイックによって手配された、亡きスーパーマンとの陸上レースを回想するシーンがあります。バリーは使える力を全て発揮してスーパーマンを倒すよう、スーパーマン本人に勧められて勝利。そして、賭けレースをしていたミスター・ミクシィジピトルクは大損を強いられたのでした。

バリーとスーパーマンとの間で最も悪名高い陸上レースは『The Flash: Rebirth 第3号』に登場します。バリーが再会を果たしたばかりの家族を守るためにスピードフォースに戻ろうとするのを、他のjリーグメンバーとスーパーマンが一緒になって、それを引き留めようとします。

「バリー、お前とは幾度となく競ってきた。俺が勝利したレースもあったな」とスーパーマンは旧友に言います。(これは本当かどうか事実確認が必要ですね)これに対するバリーの答えはネット上でよく目にする、あのスクーンキャプチャーです。「クラーク、あれはチャリティのためだよ」と言い残したバリーは、ギアと速度をあげます。フラッシュについていくことのできないスーパーマンは置き去りに。2018年のフラッシュ・ウォーでも、同じような展開があります。ここではバリーとウォリー2人のヒーローたちに追いつけないスーパーマンが描かれています。飛行能力を駆使しても、追いつけないのです。

バリーに対してスーパーマンが初めて勝利した、とかろうじていえるのは、コミックスの『Superman第709号』、つまりフラッシュポイント以前のスーパーマンの話で描かれています。この時も陸上のレースでしたが、クリプトン星のサンストーンが入った王冠に操られてしまうフラッシュは無謀な走りを見せます。追いついたスーパーマンはバリーの頭から王冠を外してあげるものの、バリーは、そもそも自分が混乱していたからクラークが追いつけたのだと硬くなに主張します。

クラークがバリーに決定的な勝利を収めたといえるのは、トム・キングとアンディ・クバートの『Superman: Up in the Sky 第4号』のなかで描かれています。再び陸上でのレースですが、スーパーマンはどうやってフラッシュに勝ったのでしょうか?正直に言うと、本来ならスーパーマンはフラッシュに勝てないのです。スーパーマンは多くの才能を持っていますが、フラッシの方が足の速いヒーローなんです。フラッシュにとって面白くない事実ですが、それ以上にスーパーマンは最も重要な局面で不可能なことをやってのける不動の存在なんです。(これがスーパーマンが以前に話していた“勝ち”なのかもしれません)

通算記録: バリー3勝、スーパーマン2勝、引き分け3

陸上レースの記録: バリー2勝、スーパーマン2勝、引き分け1

VSウォリー・ウェスト

スピードフォースの研究家たちは、最近はバリーが主役になりつつあるが、人類最速の男はウォリー・ウェストだというでしょう。『Adventures of Superman 第463号』のなかで、ウォリーは初めてスーパーマンと陸上で対戦しています。スーパーマンは、若いフラッシュが師匠バリーの代わりを務められるほどの実力はないと懐疑的になるのですが、すぐに自分の間違いに気づかされます。

ウォリーは『The Flash第209号』で、スーパーマンが飛行していたのにもかかわらず、再びマン・オブ・スティールを打ち負かします。ウォリーはフラッシュとしてのキャリアが比較的に長いものの、カル=エルとのレースはそれほど多くありません。前述したように、バリーとウォリーはフラッシュ・ウォーの際、スーパーマンを完全に圧倒するのでした。アニメ・シリーズ『スーパーマン』のなかの『Speed Demons』の回や『Titans: Rebirth 第7話』など、結果がはっきりしないレースがいくつかあります。何故ならレースはいつも完遂されることなく尻切れトンボに終わるからです。しかし、記録を見れば分かるように、ウォリーが明らかな勝者なのです。

通算記録:ウォリー3勝、スーパーマン0勝

陸上レースの記録:ウォリー1勝、スーパーマン0勝

これらの結果からも分かるように、スーパーマンが飛行能力を使えば、いかなる歴代フラッシュにも勝てるという俗説は、どうやら真実ではないようですね。バリーとウォリーの場合においても、スーパーマンが飛行したレースを全部ひっくるめても、勝敗はハッキリしています。しかしながら、スーパーマンが勝利を収めた数少ないレースは全て陸上で行なわれたものでした。つまりフラッシュとスーパーマンのレースでどちらが勝つか?という答えの真相はコレです。「勝利を必要とする者が勝つ」ということです。

信じがたいことにスペースの都合上、今回はここまでです。次回は、地球に来訪歴のある宇宙人名鑑を締めくくりたいと思います。それでは、今後もDCコミュニティー(英語のみ)をお楽しみください。また勇気を出して、質問を投げてみてくださいね。

気になって夜も眠れない質問がありますか?DC ユニバースで気になることがあれば、DCコミュニティー(英語のみ)でご確認いただけます。

ライター:アレックス・ジャフィー
Xアカウント(英語のみ): @AlexJaffe

注釈:本コラムで述べられている見解や意見は、あくまでアレックス・ジャフィーのものであり、必ずしもDCエンターテインメント及びワーナー・ブラザースの見解を反映するものではありません。