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外見だけでは測れないブルービートルが持つ真の実力

スーパーヒーローの原点を描く物語では、逆境を乗り越え、正義を貫くための選択をする主人公の姿が描かれる。それはブルービートルも例外ではない。忘れてはいけないのが、ド派手なアクションと強力なスーパーパワーの数々、そして誰もが親しみやすいヒーロー、ハイメ・レイエス。そう彼だ!

しかし、私がブルービートルという映画に感動したのは、登場人物の外見だけではなく、内面にあるヒーローを見出そうとしている点だ。この映画を観る全ての人が、年齢や人生経験に関係なく共感できる、いや、むしろ共感すべきメッセージがある。むろん、私は共感することができた。

予告編の最初の10秒こそが、この映画の最も重要なテーマが垣間見える瞬間だ。サングラスをかけて海を眺める青年に「ミスター・レイエス?」と声がかかる。彼は高級リゾートで優雅に休暇を楽しむ大金持ちに見えるのだが、実はそのリゾートで働く従業員なのだ。

このミスター・レイエスこそがハイメ・レイエスである。大学卒業後に実家に戻った彼は、ロースクールを目指して法律の勉強を何年にもわたって続けてきた。物語の序盤、ハイメはパルメラシティ空港で自慢の家族に出迎えられる。父アルベルト、母ロシオ、妹ミラグロ、叔父ルディとナナの愛称で呼ばれるばあちゃんだ。大学生活を送っている間、実家では平穏な日常が続いていると思い込んでいたハイメ。しかし、自宅周辺の再開発が進み、家族が家を失うことになった事実を知りショックを受ける。彼は大学院への進学を諦め、妹とリゾートで働きながら家族を助ける道を選択する。

ハイメはこの職場で、見かけとは違う内面を持つ登場人物と出会うことになる。ジェニー・コードは裕福なコード・ファミリーの一員で、上品で美しく、スタイリッシュな女性だ。しかし、彼女は甘やかされたわがままなお金持ちのお嬢様ではない。テッド・コードの娘であるジェニーは、自分の信念のために戦う強い意志を持ち、正義のためなら自分の手を汚すこともいとわない。彼女は、地球外からやって来た謎のスカラベをビクトリア・コードが恐ろしい兵器開発に利用する前に盗み出します。しかし、追い詰められたジェニーは、スカラベが奪われないように、ハイメに手渡すことに。

その後、ハイメはそれを家に持ち帰る。青色のスカラベを目にした家族は大した反応を示さない。しかし、それはスカラベが目覚めて動き出すまでのことだった…。ハイメに取り付いたスカラベは、体と融合しながら外骨格に似たスーツに姿を変えて全身を覆う。しかし、その怪物のような容姿とは裏腹に、スカラベは「守ること」を目的として設計されたものだと判明する。本人は自覚こそないが、ハイメがこのスーツを着る資格をもつヒーローだったのだ。

カージ・ダーと名乗るスカラベと協力し合うことを学ぶなかで、ハイメは家族の力を借りながら、自分に起きている変化を理解しようとする。そんなとき、派手なファッションに身を包む、大きな声のあのルディ叔父さんが、テクノロジーとエンジニアリングに関する驚きの才能を発揮させるのだ。決して彼のユニークなマレットヘアに騙されてはいけない。最高にイケてるヘアースタイルに隠された素晴らしい頭脳が、ハイメを何度も窮地から救い出す。テッド・コードのバグを操縦するための装置を発明するのはその一例だが、重要なのは、彼が常にハイメの話に耳を傾け、助言をしながらサポートする存在であるということだ。私たちの人生にもルディ叔父さんのような存在が必要だろう。

忘れてはいけないのが、愛くるしいナナの存在だ。優しい笑顔の彼女は、音楽好きで、縫い物をしながら大好きなテレビ小説(特にMaría la del Barrio)を楽しむような人。彼女こそまさに誰もが思い描くばあちゃんそのもの。

しかし、そのばあちゃんからは想像もできないことをやってのけるのがナナだ。

レイエス家に悲劇が起きた後、「涙を流す時は来る でも今じゃない」と、ナナが家族に喝を入れる。パゴ島にあるコード・インダストリーの施設で捕らわれているハイメの救出作戦を指揮するのもナナだ。ロシオは、昔彼女が革命に関わっていたことを家族に打ち明ける。そして、この話を裏付けるかのように、ナナはテッド・コードの武器庫で見たこともないような大きな銃を手にする。そう、実は超イケイケだったのだ!

スーパーパワーだけがブルービートルの魅力ではない。チャンスを与えられれば、ハイメ、ジェニー、ルディ、ナナ、誰であろうと隠れた力を発揮できる姿こそが見どころの映画なのだ。誰しも内に秘めた力を見せることができれば、きっと周りを驚かすことができるだろう。

アンヘル・マヌエル監督、ハイメ・レイエスことショロ・マリデュエナ主演のブルービートルは12月20日(水)よりデジタルレンタル、ブルーレイ、DVDリリース予定。ブルービートルの公式ハブにて、銀幕デビューを果たした新人ヒーローに関するニュースや特集記事、動画をチェック。今すぐあなたの感想をDCコミュニティーでシェアしよう。

ライター:ケリー・ノックス
Xアカウント:@kelly_knox(英語のみ)

注意:当記事で語られた見解や意見はあくまでもケリー・ノックス個人によるもので、必ずしもDCエンターテイメントやワーナー・ブラザースの見解と一致するものではありません。また今後のDCの見通しを保証、または否定するものではありません。