この度、9月6日(金)に豪華キャストが集結する公開初日舞台挨拶が開催されました。日本中を震撼させた連続殺人事件の遺族から相談を受け死刑囚に会いに行く元ヤンキーで児童相談所の職員である主人公:夏目アラタ役の柳楽優弥さん、物語の鍵を握る"品川ピエロ"の異名をもつ連続殺人犯にして死刑囚の品川真珠役の黒島結菜さん。真珠の中にあるブラックボックスの闇を晴らしてほしいと言いアラタに協力を求める弁護士の宮前光一役を演じた中川大志さん、アラタが勤める児童相談所の先輩で真珠に心酔していく桃山香役の丸山礼さん、控訴審の裁判長で真珠の本心を疑う神波昌治役の市村正親さん、そして本作のメガホンを取った堤幸彦監督が登壇しました。
イベントでは、公開日を迎えた気持ちはもちろん、撮影時の秘話やプロモーション時のエピソードなど、さらには、上映後だから話せる緊迫の面会室での撮影の裏側、撮影中には聞けなかった今だからこそ聞けることなどをお互いに聞き合っていただき、大盛り上がりのイベントとなりました。
上映が終わり、会場の観客の興奮は冷めやらぬまま、公開初日舞台挨拶がスタート。公開を待ちに待った大勢のファンから鳴りやまない拍手に包まれながら登場したのは黒いスーツに身を包んだ夏目アラタ役の柳楽優弥さん、モノトーンながら優雅なドレープ袖ドレス姿の品川真珠役の黒島結菜さん、シックな姿の宮前光一役の中川大志さん、本作が映画初出演となる黒のフリルワンピース姿の桃山香役の丸山礼さん、シックなスーツを身にまとった神波昌治役の市村正親さん、そして数々の名作の監督を務め、本作のメガホンを取った堤幸彦監督の6名の豪華キャストと監督。
ファンたちの熱い声援と拍手を全身に客席中通路から登場し、観客ともハイタッチをするなど満面の笑みを見せた。そして客席中央にキャスト監督一同が揃うと、本作の「結婚」というテーマになぞらえMCの合図とともに客席へキャスト・監督より 一斉に"ブーケトス"が行われ早くも観客の熱気もさらにヒートアップ。
そんな熱気の中でトークセッションが始まり、柳楽さんは早速観客からの「おめでとう!」という掛け声と拍手に包まれながら「本日ようやく公開初日を迎えられてうれしく思っております。こうして満席で迎えていただきありがとうございます!」とあらためて観客に向けて感謝、黒島さんは「無事初日を迎えることができてうれしいです。そして皆さんの熱気を感じて、映画を楽しんでいただけたのかなと思っています!」と無事に映画を公開できたことだけでなく、さらに観客たちの満足度の高さに喜びを見せていた。中川さんも「ようやく作品をお届けできるということで、まるで結婚式のような華やかな気持ちです!」と万感の思いを表現しました。
登場時のブーケトスについて、柳楽さんは「結構ブーケが硬かったので、大丈夫だったのかな」と観客を気遣う様子を見せながらも「盛り上がっていただけたのでいい思い出になりました!」とやり切った表情。黒島さんは「初めての経験だったのでどこに投げたらいいのかわからなくて目を閉じて投げていて、誰が受け取ったのかも見えていなかったんですけど、いい経験ができて楽しかったです」とコメント。続いて中川さんもあえて真面目な表情を浮かべながら「そうですねー...風の抵抗も考慮して、ということですかね。いい放物線を描いたんじゃないかな」と会場を笑わせていた。ブーケを受け取ろうとする観客たちの様子を見ていた丸山さんは「『俺は独身なんだよー!』と言っている人がいて、こうやってアピールすればいいのかと思いました」と納得の表情。そのうえで「実生活でやったことがなかったので、リアルの結婚式での練習ができたのでうれしかったです」と振り返りました。同じくブーケトスが初めてという市村さんは「僕の方をじっと見ている人がいてそこめがけて投げました」と観客からのアピールという圧を感じるなど、なかなかできない経験にキャストたちも楽しんだ様子でした!
先の読めないハラハラドキドキのシーンが続く本作。現場で感じたハラハラドキドキした瞬間について聞かれた中川さんは「我々はやっぱり法廷のシーンがかなり見せ所といいますがかなり大変なシーンでした。台本でも10ページ近くかなり長いシーンで、通しで撮影したのでかなり緊張感がありました」と撮影現場を振り返り、映画初出演の丸山さんは「どなたに会ってもドキドキハラハラしてました...」と振り返りつつも、「黒島さんとは同い年ということでライバル視していた部分もあったので(笑)、初めて会うシーンまで会話をしないまま撮影に入って、精神がえぐられるような思いでした。黒島さんの歯が目の前で見ると本当に怖くて」と撮影中の気持ちを吐露。
また、市村さんは控訴審の裁判長の役ということで柳楽さん、黒島さんと共演した裁判所のシーン振り返り「真珠がアラタに向かって柵を乗り越えてジャンプしていくシーンで、こっち側から見ていて真珠のジャンプのすごさに感動していました。ジャンプ力もだけど、心がジャンプしているっていうか...パリオリンピックに出る人かな?」と真面目に語りながらもおちゃめな一面も見せていた。
本作のメガホンをとった堤監督は映画監督として50本以上もの作品を手掛けているが「冒頭に東京拘置所が出てきますが、実際に東京拘置所の前で本当にロケをさせていただいたのが初めてなんです」と意外な初挑戦が明らかに。「許可をいただいてきちんと撮影させていただいたり、中を見せてもらって取材させていただいたり、初めての経験でしたね」と実際に撮影が実現したことでリアルな描写が描けたことに自信を見せていた。
そして話題は佐藤二朗さん演じる、死刑囚アイテムコレクター・藤田信吾の衝撃的なキャラクターの話へ!過去最も共演回数の多い俳優が佐藤さんの柳楽さんは、「今回も"親戚の二朗さん"って感じがして楽しかったです」と話し、黒島も「実際に直接会話するシーンはなかったんですが、法廷のシーンで二朗さんがずっとブツブツつぶやいてるのが聞こえて...(笑)、一番不気味なんじゃないかなと思いました」とコメント。中川さんも「奇妙な、不気味さもあるような役で、でもすごい好きなキャラクターですね。実際にこういうコレクションをしている方もいらっしゃるらしいので、そういうリアルさを感じさせる絶妙なところを二朗さんも狙っていたのでは?」と佐藤さんの演技力に感嘆。
撮影が面会室中心ということもあり、現場で話す機会が限られていたキャスト陣。初日舞台挨拶ということで、久しぶりに一堂に会し、改めて聞いてみたいこと、伝えたいことを発表する場が設けられました。初めに監督は市村さんへ「裁判長の役ってなかなかやろうと思ってできないですが、その辺の苦労はありませんでしたか?」と質問。市村さんは「普段は舞台でやっているので観客の前で演じているんですが、撮影で傍聴席に人がいるのはまた感覚が違っていて...手に汗をかきながら演じたんですが、完成した作品を見たら全くそんな感じがしなくて我ながらさすがだなと思いました」と自画自賛し、大きな拍手が!
続いて市村さんは本作が映画初出演となった丸山さんへ「ロバート秋山さんに...」と振ると「今日は女優なんだよ!」と丸山さんもすぐさまモノマネを披露。会場を大いに沸かせました。さらに市村さんから「初映画ってどんな気持ちでした?」と問いかけられると、丸山さんは「全部が初めてですし、とにかく柳楽さんとコミュニケーション取らないと!と思って突っ走っちゃって、『握手してください』から始まったんです」と初出演らしい初々しいエピソードを披露。
実際の撮影については「演じる環境に入ったばかりだったのでとにかく人と繋がっておかなければ、という一心で。あとはもう流れに身を任せていたら終わってました」と苦笑いを浮かべると、柳楽さんからは「僕は丸山さん好きですよ」と思わぬラブコール。「面会室のシーンで感情的になる難しいシーンなのに、嫉妬心とか感情表現されている風に感じたので...ありがとうございました!」と感謝されると丸山さんはまさかの展開に困惑しながらもひたすら恐縮。
丸山さんは撮影の時にもいろいろと教えてくれたという中川さんへ「先日のジャパンプレミアで手を引いてエスコートしていただいたんですが、その写真を拡大してPCの壁紙にしています」とメッセージを送ると、中川さんは笑いながらも「共演するシーンが多かったんですが、隣で演じている丸山さんに映画の神様がおりてくるというか、二度と起きないゾワっとする瞬間がたまにあるんですが、そういう瞬間に立ち会えてよかったです」と逆に感謝される一幕も。
そして中川さんから黒島さんへは「品川真珠は色んな衣装がありましたけど一番お気に入りの衣装は?」と面会室のジャージ姿だけでなく法廷では白いワンピースや制服姿など様々な衣装を着ていた真珠について聞かれると、黒島さんは悩みながらも「意外にまだ制服姿が大丈夫なんだって思いました(笑)」というと中川さんが「まだ制服似合ってましたよね」と観客に呼びかけて大きな拍手が!
「恥ずかしいんですけど、もしかしてまだできるのかもって、うれしいようなもっと大人にならないといけないような、複雑だけどすごく印象に残っています」と答え、再び観客からも絶賛の拍手を受けていました。黒島さんは柳楽さんに対して「毎日撮影が大変でへとへとだったんですけど、法廷シーンの撮影で柳楽さんが高級うなぎ弁当をエキストラの皆さんも含めて100人分くらい差し入れしてくださって『かっこいい!』ってなりました。あれで頑張れました。ありがとうございます」とあらためて柳楽さんに感謝。柳楽さんは「僕もうなぎが大好きで、現場に入れると皆さんの士気が上がるのでやりました!」と明かし、まさに座長として、大変な撮影を支えていたことが明かされた。
最後に柳楽さんは堤監督へ「堤監督の撮影方法が、現場にもいろんなモニターがあってベースを作って編集しながら撮影するスタイルがウディ・アレンの影響だった聞いたんですけど」と独特な撮影方法について質問。堤監督は「昔、ニューヨークにいたときに公園でウディ・アレンの撮影現場に遭遇して、ふと見ると映画の撮影なのにすぐ横で編集しているチームがあったのを見たんです。それから20年くらいやってます」とまさに参考にしていたことを明かしました。
最後に公開初日を迎え、これから本作を観る人々に向けて、黒島さんは「観客の皆さんの反応見ていたら、結構楽しんでいただけたのかなと自信になりました。皆さんからいろんな人におススメしていただいて、いろんな人に見ていただきたいです」とメッセージを送った。続いて柳楽さんは「今回の作品は、1960年代前後の名作にあるような"映画だから描けるファンタジー"というところが描かれているので、どういうチャレンジなるだろうという気持ちで参加させていただきました。それが、このように満席で拍手をしていただけたのは最高な初日になったと思います」とコメントし、フォトセッション後イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。