孤独だが心優しかった男が、歪んだ社会の狭間で<悪のカリスマ>に変貌していく衝撃のドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描いた傑作サスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』(2019)。その圧倒的満足度と衝撃的ストーリーは、第76回ヴェネツィア国際映画祭で〈金獅子賞〉に輝き、第92回アカデミー賞で最多11部門ノミネート、ホアキン・フェニックスが主演男優賞の栄冠を手に入れた。そして世界興行収入は1,500億円(10億ドル)を突破、日本でも週末動員ランキング4週連続No.1を獲得、興行収入50億円/動員350万人超えを記録し、世界中で映画史を塗り替える未曾有の社会現象を巻き起こした。
その最新作となる2024年最注目作品『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が遂に公開となる。つい先日、主人公のアーサーことジョーカーにアカデミー賞俳優、ホアキン・フェニックス。そして新たに共演者となるレディー・ガガが意味深にダンスをするようなポスタービジュアルと日本での公開日・邦題が解禁され、徐々にベールを脱ぎ始めた本作に多くの期待の声が上がった。なお、タイトルに含まれる「Folie à Deux(フォリ・ア・ドゥ)」とはフランス語で「二人狂い」を意味し、妄想を持った人物Aと、親密な結びつきのあるBが、あまり外界から影響を受けずに共に過ごすことで、AからBへ、もしくはそれ以上の複数の人々へと妄想が感染、その妄想が共有されることを意味している。
映像は主人公アーサー(ホアキン・フェニックス)と、レディー・ガガ演じるハーリーン・クインゼル(通称ハーレイ・クイン)の出会いの場面から始まる。孤独だが心優しい男から《悪のカリスマ》へと変貌を遂げたアーサーに対し、「私は誰でもない、あなたと違って何もしてない」と心情を明かす。一見みすぼらしい二人が座る客席と、舞台上のピエロメイクを施した《ジョーカー》とハーリーンが流麗なメロディーにのせてポスタービジュアル同様にダンスを踊る姿が映し出されていく。トム・ジョーンズの「What the World Needs Now Is Love」にのせて、アーサー、そしてジョーカーとハーリーンの妄想とも現実ともつかないシーンが連続。映像の後半では、変化を問われたアーサーは「教えてやろう、もう俺1人じゃない」と答える。彼の狂気が"感染"し、徐々に変貌を遂げるようにも見えるハーリーンの身に一体何が起きたのか?期待と"妄想"を掻き立てられるものとなっている。
ガガが演じる女性ハーリーン・クインゼルと言えば、ジョーカーの精神科医として描かれることが多いが、今回レディー・ガガがどんなキャラクターを演じることになるのかも、大きな注目が寄せられている。前作『ジョーカー』でも印象的な仕草や、TVのセット、そして群衆の熱狂などの要素も随所に盛り込まれる一方、前作にはない舞台を思わせるような空間も印象的な映像となっており、まだまだストーリーの全貌は明らかになっていないが、大きな謎に包まれていたタイトル「フォリ・ア・ドゥ(=二人狂い)」の一端を垣間見ることができる、美しくも狂気に満ちた特報映像が解禁となった。