3月4日(金)の全国公開まで1週間を切った『余命10年』。本編の上映終了後の高校生限定試写会イベントに、小松菜奈さんと坂口健太郎さんが涙を流している制服姿の学生たちからの大きな拍手に迎えられながら登壇しました。この日は、原作者・小坂流加さんの故郷である、静岡県三島市の映画館でも舞台挨拶にも登壇。小松さんは「映画の上映が終わった時に『良かったよ!』って声をかけてくださって、その言葉にグッときました。この映画は三島から始まった作品だったので、完成したら三島に行けると良いなって思っていたんです。なので三島の皆さんに届けることが出来て嬉しかったです」と原作者・小坂さんの故郷で完成報告出来たことに感謝を述べました。坂口さんも「本作は四季やロケ地が主役なところもあって。それらが、この作品に色を加えてくれましたし、三島の方たちに感謝を伝えられて、温かい言葉も頂けて嬉しかったですね」と笑顔でコメント。
そのような想いの中、約1年間に及ぶ撮影に挑んだ小松さんは自身が演じた茉莉という役について「全部を全身全霊で演じました。生きた感情でお芝居したいと思っていたので、お母さんに想いを吐き出すシーンではカメラが回っていない所で涙が止まらなくて...。何度も気持ちが動きましたし、茉莉の台詞の一言一言が胸に刺さりました。辛くもあり、切なくもあり、何とも言えない感情の中でお芝居していましたね。お母さんとのシーンは撮影前から緊張していて、毎日そのシーンのことを考えてしまうくらい。それで歯ぎしりがすごくて、歯が浮いてしまい奥歯を抜いたんです。それくらい撮影期間中はずっと茉莉のことを考えていました」と本作に込めた想いの強さを明かしました。その茉莉と恋に落ちることで運命を変えていく青年・和人を演じた坂口さんは「和人は茉莉のことを愛している男の子で良かった。最初は頼りない和人で、茉莉と再会して少しずつ精悍な顔つきになっていく変化は少し難しいところはありました。それでも最も大切だったのは茉莉のことをどれだけ愛するか。そこが嘘に見えてしまうとストーリー自体希薄なものに見えてしまうので、シンプルだけど、純粋に茉莉のことを好きでいようと思っていましたね」と振り返りました。
2人にとってまさに全身全霊で挑んだ作品となった本作。"この映画に出演した前後で変化したこと"を聞かれると、小松さんは「周りにいてくれる家族や友人や、支えてくださっている方たちを大切にして愛していかなければいけないなって改めて考えさせられました。家族の時間を大事にしたり、自分が幸せだなって思うことを噛みしめて、意識することが大事なんだなって思いましたね」とコメント。続けて坂口さんは「一日を大事に生きなければとは思うんですけど、そう出来ない自分もいる。何もしないでダラダラしているからこそ、力を発揮できることもあると思います。自分は初号を観たあと、身の回りにいる人のことを大切にしようと思いましたね。だからこそ、この作品を観ていただいた方たちもそう思っていただけたら嬉しいです」と回答しました。
最後に坂口さんは「この作品は色んな人の感情に刺さる映画で、響くポイントも違うだろうし、共通しているのは家族愛、友人に対しての愛情や、茉莉と和人の愛。作品を作る上で、こんなに愛を向けて現場に挑んだ作品は中々なくて。明日、学校で同級生や先生に映画が良かったと言ってもらえたら嬉しいです」と客席にいる学生へお願いし、小松さんは「皆さんも日々思うこと、考えることもあると思います。大切な人に、『いつもありがとう』という感謝の気持ちを伝えて欲しい。私もここぞっていう時に伝えたりするんですけど、言葉で伝えないと分からないことって沢山あるなって思うので、たまに気持ちを伝えてみるのも良いんじゃないかなって思います」と挨拶し、イベントは幕を閉じました。