映画『モータルコンバット』のデジタルダウンロードを先行配信中、デジタルレンタルを本日9月29日(水)より、ブルーレイ・DVDのセル&レンタルを10月20日(水)より開始いたします。
本作は、"フェイタリティ"という本作独特の残虐なトドメ技描写が満載の、禁断のアクションゲームが原作。地球で選ばれた最強の戦士たちが血沸き肉躍る戦い"モータ ルコンバット"に挑み、世界を守るため奮闘します。
この度、本作のデジタルレンタル開始を記念して、本作の超重要キャラクター・スコーピオンを演じ、『ラストサムライ』以降数々のハリウッド作品に出演し続ける真田広之と、地球上の戦士たちの指南役・ライデンを演じた、マーベル作品を始め『ミッドウェイ』などハリウッド大作への出演が続く浅野忠信のインタビューが到着!世界中が注目する話題作でメインキャラクターを務めた日本人キャストが思うこととは――。
――『モータルコンバット』というゲームのことや、演じられたハサシ・ハンゾウとスコーピオンという キャラクターについてはご存じでしたか。
知識として知っていましたが、自分でプレイしたことはなかったので、オファーを戴いてから研究しました。調べ始めてからとても有名で人気のあるキャラクターなんだということを知りました。自分は過去に忍者の役を結構やっていましたから、巡り巡って忍者の役がまた来たという驚きがありました。
――どのように演じられようと思われましたか。
ハンゾウは元々日本人という役じゃないですか。それを日本人が演じるのであれば、日本らしさをちゃんと出さなければいけないと思いました。セットデザインから衣装小道具に至るまで、自分がやるからにはこうありたいという思いがあって、小道具や衣装の方々とセッションを重ねて、なるべくオーセンティックな日本ものにしていきたいというところから始めました。スコーピオンに関しては、ゲームのイメージと日本らしさの融合を図らなくてはいけないということが、まず頭に浮かびました。
――冒頭でハンゾウとして見せるアクションシーンで留意されたことはありますか。
振り付けの段階から関わらせていただいたのですが、あそこは感情的なものが大事だと考えました。家族を殺されてすぐ後の戦いなので、ハンゾウが何の為に戦っているかを観客が実感できるシーンにしたいと考え、監督やアクションコーディネーターと一緒になって作っていきました。
――アクションシーンを演じるにあたって事前にトレーニングなどはされたのですか
日頃からやっている基礎的なものに加え、持久力を付けるために普段より少し長く走ったりしましたが、特に前もって準備はしていません。昔取った杵柄ですね。
――ハンゾウとスコーピオンとではどのように演じ分けようと思われましたか。
ハンゾウの時には忍者の統領らしく、そして家族を大事にする男という時代劇に登場するキャラクターを演じていきました。家族とともに自分も殺され恨みをもって地獄に落ち、スコーピオンとして帰ってきた時に同じ思いを引きずりながらも、見え方が違うようにしようと考えました。ハンゾウとスコーピオンとでは、戦い方も使う武器も違ってきます。映画全体を貫く存在でありながらも、それぞれの違いを感じられるようにしました。
――もちろんスコーピオンもご自身で演じられたのですよね。
はい。動きそのものがやはり違いが出てしまうので、殺陣に関しては自分でやりました。スコーピオンの衣装は結構重いので、地面での立ち回りは良いんですが、ジャンプしたり転がったりはかなり負担がありました。それでも向こうは容赦なく何テイクも撮りますから、暇さえあればストレッチをして撮影に臨みました。
――スコーピオンが繰り出す「Get over here!」のセリフで撮影現場が湧いたそうですが。
ゲームの中でも幾つかある有名なセリフの1つだそうで、セットでのリハーサルで1回目に言った時、スタッフやキャストの皆さんが大喜びしたんです。この時を待っていたという感じで拍手が起こりました。そんなに大事なセリフだったのかと気づかされました。やりがいという意味でも楽しかったですし、このリアクションを劇場で得られればいいなという思いで演じました。
――ライデンを演じた浅野忠信さんについてはいかがですか。
ライデンという役の意味合いを背負い、存在感を見せながらしっかりとストーリーテリングをしていく大事な役として、責任を果たしていたと思います。浅野さんとは同じ場面での出演はなかったのですが、現場で一緒になった時は互いのモニターを見に行ったり、待ち時間に雑談をしたりしていました。
――最後に『モータルコンバット』を観る人にメッセージをいただければ。
ゲームをしたことがある方もない方も、ともに楽しんでいただける作りになっています。是非ご覧下さい。
――ライデン役は指名だったそうですね。
嬉しかったですね。僕はゲームをプレイしていなかったので、ライデンというキャラクターについて色々と調べました。そうしたら『モータルコンバット』の中でライデンがとても重要なキャラクターで、世界中に熱狂的なファンがいると分かりました。脚本を読んだら作中でとても重要な役でしたし、雷を使って戦ったり常に目が光っていたりしていてとてもワクワクしました。
――ライデンは人間界の守護神で威厳が求められる役でした。
ライデンがストーリーの中で喋る重要なセリフを毎日練習する中で、ライデンという役が自分の中にしみこんでいった感じでした。威厳は絶対にありますが、それはズシンと重たいものというよりは、煮えたぎる何かを持っているといったものだと思いました。ただ落ち着いているのではなく、いつ何をするか分からないという力を感じさせる意味での威厳を、発揮できたのではないでしょうか。
――ライデンは格闘こそしませんが杖を振るう仕草などで力強さを見せてくれました。
杖を打つシーンは全身でやりましたね。リハーサルの時から思いきりやって、そこまでやらなくても良いと言われたくらいです。杖はしっかり作ってもらったので演技にも勢いが出ました。格闘については、僕の中では絶対にパート2が来ると思っているので、皆さんの力を借りてヒットさせてくれれば、次はライデンが暴れ回るところを見せられると思います。
――共演の真田広之さんとは役作りについて何か話されましたか。
真田さんとは撮影でご一緒することはなかったんですが、現場で話したり食事にいったりする時間を作れました。真田さんが演じられたスコーピオンはとても重要な役でした。その真田さんを通じてライデンとスコーピオンの関係性が見えてきました。
――『モータルコンバット』にはアジアから大勢の俳優が出演しています。浅野さんご自身を含めこうしたアジアの役者たちが世界で活躍していることに感慨はありますか。
僕はハリウッドでアジア人が主役となるような映画が作られる時代が絶対に来ると思ってやってきました。『モータルコンバット』でそういったものの一員になれたことを誇りに思いますし、そこまで努力してきたことを発揮できたのではないかとかと思います。
――浅野さんは本作も含め多数の海外作品に出演されています。日本の俳優が世界で活躍するためには何が必要ですか?
日本で普通に義務教育を受けていると、言うことは聞いてなるべくはみ出さないようになることが染みついてしまって、それが俳優としては邪魔になることがあるのかもしれません。どんどんと世界に出て行って、今まで日本でやってきたことにも疑問を持って違うアプローチをして良いんだということを、考えて欲しいと思いますね。日本人だから日本で仕事をするというのではなく、どこでも仕事はできるしどこでも友達はできるし力を発揮できる。そう思っている若い人たちはきっと大丈夫です。僕と同世代かもう少し下の世代でそういう意識を持っていない人も、すべて忘れて自分が活躍できる場所を広げていった方が良いと思います。
――世界中から集まった出演者たちとは良い関係が築けましたか?
撮影ではみんな仲良くなりましたね。一緒にご飯を食べに行ったりしました。実はシャン・ツンを演じたチン・ファンは僕と誕生日が同じで、敵対する相手のリーダーだったんですが誕生日のお祝いをしたりして仲良くなりました。是非また結集したいですね。
――作品を観る人にメッセージをお願いします。
アジアの俳優たちが集中して、すべての力を出し切って挑んだ作品です。真田さんや僕も含めた日本の俳優も良い役を戴いて力強く演じさせていただきました。そこを観て欲しいですね。ゲームのファンにも楽しめる作品になっていますし、ゲームをプレイしたことがない人でも、エンターテインメント作品を観たい、アクションを観たいという人に向けて面白い作品になっていると思います。