『アメリカン・スナイパー』(2014)、『ハドソン川の奇跡』(16)、『15時17分、パリ行き』(18)、『運び屋』(18)と、実話を基に"衝撃の真実"を描いてきたクリント・イーストウッド監督。89歳、40本目となる監督最新作『リチャード・ジュエル』は、1996年のアトランタで起こった爆破テロ事件の"真実"を描く"衝撃の問題作。
1996年、アトランタで爆破テロ事件が勃発。不審なバックを発見した警備員リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)の迅速な通報によって数多くの人命が救われた。だが、爆弾の第一発見者であることでFBIから疑われ、第一容疑者として逮捕されてしまう。ジュエルの窮地に立ち上がった弁護士のワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)は、この捜査に異を唱えるのだが...。
今回解禁となった予告編は、緊迫感に溢れる衝撃的な映像となっている。パニックに陥った会場の公園で「爆弾だ!早く逃げろ!」と人々を避難させるジュエルの姿、警察による爆破物の検証シーンが連射される。「彼が爆破犯だと?」というFBIと思われる声に、爆弾を発見した警備員に疑いの目が向けられたことが示唆される。彼の無実を信じるたった一人の弁護士ワトソンは「容疑が晴れるまで黙秘しろ、俺が話す」とアドバイスし、息子を愛する母ボビー(キャシー・ベイツ)は「母さんが守るからね」と、第一容疑者となった息子への報道を見つめる。声紋判定のためにボイスサンプルが欲しいFBIは、ジュエルに「公園に爆弾がある、爆発まで30分」と言えと強要する。
ワトソンは「彼を陥れようとしているのは、政府とマスコミだ」と会見で釘を刺すが、「事件を起こす動機は、ヒーロー願望と警察への憧れ」だとする女性記者キャシー・スクラッグス(オリビア・ワイルド)によって、"悪人か聖人か"という記事がスクープされ、容疑者報道は次第にエスカレートしていく。その頃、FBIの取調室では、「公園に爆弾がある、爆発まで30分」と執拗に迫る捜査官(ジョン・ハム)の尋問が続いていた。
今回、撮影現場でのひとコマをとらえた3ショットのメイキング写真が同時解禁された。クリント・イーストウッド監督が話しかけ、スーツで正装した主人公リチャード・ジュエル役のポール・ウォルター・ハウザーと、弁護士ワトソンを演じるサム・ロックウェルが耳を傾けている。腕組みをしたサムが監督をじっと見つめている姿が印象的な1枚だ。
この爆破テロ事件は国とメディア報道、それに便乗する世間の誹謗中傷。SNSの普及により冤罪社会が確立された現代社会、こんにちにも通じる、他人事ではない事件である。
リチャード・ジュエルは悪人なのか、それとも聖人なのか!? その真実は、スクリーンで明らかになる。