シェアする

    「メディア王〜華麗なる一族〜」本日レンタル開始!

    2019.03.06 海外ドラマ

    アカデミー賞 受賞の映画『バイス』の鬼才が仕掛けた衝撃ドラマ「メディア王〜華麗なる一族〜」を海外ドラマ評論家、池田敏が徹底解説!

    本日2019年3月6日(水)より海外TVシリーズ「メディア王〜華麗なる一族〜<シーズン1>」のDVDレンタルを開始いたしました。

    「不動産王」トランプ氏にならび、「メディア王」と称される、実在の人物、ルパート・マードックをモデルにしたと言われるドラマである本作は、巨大メディア産業を束ねる富豪一族の長であるローガン・ロイと、その子どもたちを中心に、その権力の座の後継争いを複雑な人間関係とともに、シニカルに描く注目のシリーズ。

    DVDレンタルスタートを記念して、海外ドラマ評論家で、アメリカのエンターテイメント業界にも詳しい、池田敏さんが、アメリカのドラマ制作のトレンドや注目ポイントと合わせて、本作について徹底解説!「どいつもこいつも型破り、見方によってはイタいのが独自のユーモアを醸す。なおかつ実業界の熾烈な裏側が垣間見られる」のが面白さだと話す池田氏のコラムを読めばドラマがもっと面白く観られます!

    アカデミー賞®8部門ノミネート『バイス』の鬼才が仕掛けた衝撃ドラマ!

    "成功"に興味がない米国人は、けっして少なくないはずだ。たまに米国に行くと職業柄、必ず書店を覗く筆者だが、初めは伝記本(バイオグラフィー)のコーナーの広さに驚いた。"成功"を獲得した者に興味津々な米国人が多いと、たちまち痛感させられた次第だ。

    米国の映画・ドラマでも成功者を描く作品は多い。映画に関しては、古いところでは、実在の新聞王ウィリアム・ランドル フ・ハーストを主人公のモデルにした、鬼才オーソン・ウェルズの名作『市民ケーン』(1941)がある。

    ドラマに関しては、全米地上波の各ネットワークで平日のお昼に放送されているソープオペラ(連続メロドラマ)で題材になることが多い。そんなソープオペラの手法をゴールデンタイムに応用し、大富豪一族の争いを描いた、『ダラス』(78〜91)『ダイナスティ』(81〜89)が国民的に大ヒット。ちなみにこれらは近年、続編やリメイク版が生まれた。

    21世紀に入ってから全米TV界では、フィクションよりも実物のセレブリティのほうが面白いとばかりに、リアリティ・ショーに本人たちが登場。人気ロックバンド、ブラック・サバスのカリスマ的スター、オジー・オズボーンとその家族(出色だったのは次女ケリー)を追った『オズボーンズ』、世界的ホテルチェーン、ヒルトンホテルの創業者の曽孫娘パリス・ヒルトンと人気歌手ライオネル・リッチーの養女ニコールをダブルヒロインにした『シンプル・ライフ』は出演陣の非常識ぶりを茶化したが、むしろ彼らのセレブ度は高まった。

    つまりセレブとその一族は、米国では"鉄板"ともいうべき面白い存在だが、そんなストライクゾーンを意識しつつ、世界の頂点に立つ、とびきりデンジャラスなセレブ一家を描いた、全米TV界の雄"HBO"による、シニカルでオフビートな最新ヒットドラマが、「メディア王〜華麗なる一族〜」だ。

    本作のロイ一族は、多数のメディア・娯楽企業からなるコングロマリットを支配する一族。一番のモデルは、オーストラリア出身ながら米国や英国の世界的メディア企業を多数手に入れたルパート・マードックだろう。ただし、子供はマードックのほうが6人と多く、しかもマードックは84歳の時にミック・ジャガーの元妻のジェリー・ホールと再婚した。

    そして本作のロイ家は娯楽産業も経営していることから、映画会社を次々と傘下に収めているディズニーもモデルだろう。ちなみにディズニーを弟ウォルトと創業したロイ・ディズニーのファーストネームも同じスペルのロイ(Roy)だ。

    ヘリコプターに乗って家族で草野球をしに行ったりと、破格の金持ちであるロイ一族だが、どいつもこいつも型破り、というかハチャメチャで、見方によってはイタいのが独自のユーモアを醸す。なおかつ、実業界の熾烈な裏側が垣間見られるのがお楽しみだ。

    本作の第1話を監督し、全米で人気のコミカル派男優スティーヴ・カレルらと製作総指揮も務めたのはアダム・マッケイ。監督もした映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(15)で第88回アカデミー賞の脚色賞に輝き、カレルも出演している最新作『バイス』(18)は第91回アカデミー賞®で8部門にノミネート、1部門受賞。リアルな題材をブラックユーモアたっぷりに味付けする手腕を、この「メディア王〜華麗なる一族〜」でも発揮している。

    TEXT:海外ドラマ評論家 池田敏

    あなたへのオススメ作品