『ジャスティス・リーグ』を好評ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信中です。さらに、6月6日(水)より、スーパーマン誕生80周年を記念して、クリストファー・リーブ主演の『スーパーマン ディレクターズカット版』に30分を超える未公開映像を追加した、『スーパーマン エクステンデッド・エディション』のブルーレイを発売いたします。
『ジャスティス・リーグ』では、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で命を落としたスーパーマンが仲間たちの力で復活を果たします。アメコミライターの杉山すぴ豊さんによる『ジャスティス・リーグ』解説第2弾となる今回は、誕生80周年を迎えるスーパーマンについて、コミックへの登場から本作に至るまでをご紹介いたします!
今年2018年は、アメコミ好きにとってメモリアル・イヤーです。スーパーマンがコミックでデビューして80周年(1938年)、伝説のTVドラマ・シリーズ「スーパーマン」の最終回から60周年(1958年)、クリストファー・リーブ出演の『スーパーマン』映画公開から40周年(1978年)です。コミック、TV、映画、どのメディアにおいても、スーパーマンの成功が先駆けとなって、そのあとに続くスーパーヒーロー作品のお手本になった、ということがおわかりただけるかと思います。
スーパーマンがなぜこれほどまでにアメリカ人を熱狂させたのか?それについては様々な意見があるのですが、僕がなるほどと思ったのは2つあって、一つはアメリカは若い国だからヨーロッパみたいに英雄神話というものがそもそもない。だから神話に出てくる超人たちのすべてを兼ね備えたスーパーマンの存在がその役割を果たした。もう一つは、スーパーマンは惑星クリプトンからアメリカへと移り住んだ"移民"であり、移民がアメリカを偉大にしたということの比喩である、と。
一方、スーパーマンはアメリカだけでなく、世界中、日本でも受け入れられたわけですが、ではそれはなぜか?恐らく世界で初めて"空を飛ぶヒーロー"だったからじゃないかと。やっぱり空を飛べる、というのは人間にとって憧れであり、最初にそれを見せてくれたヒーローだったわけです。僕は物心ついたときから鉄腕アトムやウルトラマンを見ていたから、ヒーローが空を飛ぶ、というのは当たり前でしたが、その"当たり前"こそスーパーマンが作ってくれたのですね。これはクリストファー・リーブ出演の『スーパーマン』のリチャード・ドナー監督もコメントしていましたし、また僕が実際、『マン・オブ・スティール』の公開時にヘンリー・カビルにインタビューした時も言われたのですが、スーパーマン映画の成功の秘訣は、いかにスーパーマンが空を飛ぶことを観客に信じ込ませるか、にかかっているんだと。
さてクリストファー・リーブの『スーパーマン』は"驚異の超人"としてみんなが"ファン"になるヒーローとして描かれていましたが、『マン・オブ・スティール』から始まるヘンリー・カビル版は"超人に脅威"を感じて世間が"不安"になる、という味つけもされています。この辺が時代を反映して興味深いですね。
『ジャスティス・リーグ』は、スーパーマンが登場する映画としても最新作になるわけですが、劇場公開時のプロモーションではスーパーマンの登場(スーパーマンの復活)は隠していましたから。スーパーマンが出ること自体は皆知っていたのになぜわざわざ隠すのか?映画を観て納得がいきました。復活したけど正気を失ったスーパーマンが、他のメンバーと戦うシーンがありますよね。ある意味ステッペンウルフより手強いです。フラッシュをにらみつけるスーパーマンの目が本当に怖い(笑)。もしかするとザック・スナイダーはスーパーマンこそ本作におけるメイン・ヴィランとして描くつもりだったのかもしれません。だから他のヒーローたちと並んでいる宣伝ビジュアルを避けたのではないかと。スーパーマン映画史の中で、悪役としてのスーパーマンを描いた最初の作品かもしれません。
しかし映画の後半でヒーローとして大活躍するスーパーマンの姿を観てやっぱりかっこいい!そうした声も多く、本格的に『マン・オブ・スティール2(仮)』の製作が検討され始めたという噂もあります。
スーパーマンのメモリアル・イヤーである、2018年に、ぜひ新しいスーパーマン映画の製作発表のニュースを聞きたいものですね。