『キング・アーサー』映像特典【聖剣エクスカリバーの伝説】の一部を初公開!

2017.10.13 ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信

2017年10月18日(水)より『キング・アーサー』のブルーレイ&DVDを発売・レンタル開始いたします。さらに、4K ULTRA HD&3D&2Dブルーレイセット、3D&2Dブルーレイセットも同日発売いたします。また、デジタル先行配信中です。

ゲームユーザーもハマる本作の魅力を徹底解説!

この度、ゲーム・映画コラムニスト ジャンクハンター吉田によるゲームユーザーもハマる本作の魅力を徹底解説したレポートが到着いたしました。

晴れてブルーレイ&DVDがリリースされるガイ・リッチー版『キング・アーサー』(敢えてこう呼ぶ必要があるほど大胆かつ、大衆娯楽向けに改変)は、彼の持ち味を最大限に活かした映像マジックで彩られており、現代的に説明するならば若者層を取り込む仕掛けをしていたかどうかは分からないが、嬉しいことにゲームのユーザーに対するアプローチが物凄く強く感じられる良作に仕上がっていた。

ブルーレイに収録されている映像特典で撮影現場の舞台裏を観ると、CGだけに頼らず大掛かりなセットを組みまくって3ヵ月にも及ぶ撮影期間があったことに驚かされる。リッチー監督がアーサー王を映画化する構想を抱いてから劇場公開されるまでに約8年かかったのも、この素晴らしいセットを含めた美術部の仕事を見てしまったら無理はないと納得。

本作には、シルベスター・スタローンの『ロッキー』的要素も加えられており、トレーニングを重ねてアーサー自身そのものが強くなっていく描写がRPG(ロールプレイングゲーム)風味に展開し、さらに魔物使いな魔術師、遠距離攻撃を得意とする弓矢使い、近接格闘最強アジア人の武道家がパーティーを組んでいったり、物語に絡んでいったりする様子もゲーム的エッセンスが強い。当然、本作はアーサーにフォーカスを当てて、売春宿のスラム育ちな人間臭さを押し出した成長物語で構築されているところが斬新極まりない......のだが、このようなアウトサイダーな設定でアーサー王伝説を描くことを許したワーナーの懐の深さが大変素晴らしいのではなかろうか(笑)。

アーサー王がもたらした伝説が、20世紀以降、映画やアニメ、漫画だけではなく、数多くのアクションゲームからRPG などのゲームへ取り入れられている要素なのは、特にゲームユーザーならば誰もが知ってのとおり。筆者の知るところでは1983年にパソコンで発売された『スターアーサー伝説』シリーズ(全三部作のアドベンチャーゲーム)がアーサー王をモチーフにした日本初のゲーム化だったのではなかろうか。リッチー監督もアーサー王伝説を大胆アレンジしまくって、自身の作品テイストへ仕上げたことから最初に思い浮かんだのが『スターアーサー伝説』だったのだが、史実を忠実に描いたって何の驚きもない。やはり、アーサー王伝説を自分自身の作品へと昇華させることがクリエイティビティを高める部分でもあるし、特にリッチー監督の得意とするスローモーションや360度ショットなど(このような映像だけでも十分ゲームっぽい!)ポテンシャルを存分に活かした絵作りには、昔からブレない姿勢で映画作りをしているこだわりが満載で爽快感が得られる。

爽快感と言えば、まだ触れていなかった聖剣エクスカリバーでの剣闘アクションにも注目したい。アーサー王伝説と共にアーサー愛用の剣としてセットで知られているエクスカリバーだが、幾多のRPGに登場する聖なる剣でもっとも有名である。当然、その強さは自分自身によるところが大きいのだが、劇中でもアーサーは剣を石から抜くことができても、覚醒するまではエクスカリバーが本来持つ強さを引き出せない。まさにこの点もRPGにおける、レベルアップしてからの覚醒へと直結。低いレ ベルでは扱えない剣の存在感を分かりやすく描いていた。

キチンと修行したのちに覚醒して使えるようになるけども、ケレン味を観る者へ抱かせるため、トレーニングモンタージュも本編内に収められているのはまさにロッキー・バルボアな様相。極めつけはその覚醒っぷり。両手で強く思いを込めて握りしめることでエクスカリバーの特殊スキルが発動。アーサーは目にも止まらぬ速さで動けるようになり、一振りごとにバッタバッタと敵をなぎ倒していくさまは、『ドラゴンクエスト』シリーズで言うところの"ギガブレイク"で周囲の敵を一掃している感覚とオーバーラップ。ゲーム好きであれば 一番気持ちが上がるシーンになっているので絶対必見!

TEXT:ジャンクハンター吉田

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