『ハリー・ポッターと呪いの子』で大人になった自分たちを見たら子供時代の3人組はどう思うのでしょうか? 

『ハリー・ポッターと呪いの子』では、私たちのお気に入りの3人組はすでに大人になり、それぞれ家庭やキャリアを持っています。しかし、幼いころの3人はこの未来を果たして想像していたでしょうか?原作から読み取れる、彼らが夢見ていた大きくなった自分と、実際に大人になった現実の彼らを比較してみましょう... 

ハリーは自分が幼いころに思い描いた理想の人生を送っているといえるでしょう...おおよそのところは 

ハリーがまだ幼かったころ、彼が唯一なりたいと思っていた職業は闇祓いでした...。ホグワーツを卒業するまでにあれほど闇の魔法使いと戦ったのですから、もう懲り懲りになっていたとしてもおかしくないですよね!幸いにも、彼は自分の憧れの職に就くことができ、さらには魔法省の魔法法執行部の長官にまで登りつめることができました。そのため、キャリアという面で見れば、自分が思い描いた夢のような人生を歩んでいるといえるでしょう。幼いころの彼が大人になった自分を見たとしたら、彼が体験してきた大冒険も含めてこの結果には満足していたに違いありません。

しかし、ハリーが望んでいたのは自分の思い通りのキャリアだけではありませんでした。母親と父親がいない状態で育ったハリーなら、おそらく自分自身の家庭を持ちたいと強く考えたに違いないでしょう。ダーズリー一家と血の繋がりはあったものの、ハリーが心から望んでいた温かな家庭ではなかったのですから。幸いにも、彼はホグワーツにいたころから自分の家族を形作りはじめ、卒業してからもそれは続きました。『ハリー・ポッターと呪いの子』で再び私たちが出会ったハリーは、愛するジニーと結婚し、3人の可愛らしい子供たちにも恵まれていました。

とはいえ、彼の人生のすべてが完璧というわけではなかったのです。ハリーは息子のアルバスと心を通わすことにかなり苦労していて、まだ自分の過去を引きずっていました。幼い頃のハリーが見ていたら、きっと大人になった自分が息子アルバスとの絆を深めるために試したいくつかの方法には、思わずあきれ顔をしたことでしょうし、そもそも自分の名声がギクシャクした親子関係になった要因のひとつであることには苛立ちを覚えていたでしょう。しかしながら、こういったことを差し置いたとしても、ハリーは自分の人生の展開に間違いなく驚くことでしょうね。

ハーマイオニーが魔法省の職員になったことは驚きではありません...けれども、もしかすると

同世代の中で最も賢い魔女だったことを考えれば、ハーマイオニーが魔法省の職員になったことは当然だったと思われるかもしれません。しかし、幼きハーマイオニーがこの結果に満足していたかは疑問の余地があります。幼いころのハリーとロンは、闇の魔法使いを捕まえることを夢見ていましたが、ハーマイオニーはまったく別のことに情熱を燃やしていました――S.P.E.W.(しもべ妖精福祉振興協会)を覚えていますか?幼いころ、彼女は「何か本当に価値のあることがしたいと思うの」と言っていましたよね。そして、当時は屋敷しもべ妖精の権利のために戦うことこそが本当に価値のあることだと思っていたのでした。魔法省のために働くことはあまり彼女にとって魅力的ではなく、どちらかというと苦手意識を持っていました。当時、魔法省大臣だったルーファス・スクリムジョールがハーマイオニーに、将来的に魔法法関係の職に就くことを考えているのかと聞いた際、「いいえ、違います...私は、世の中のために何かよいことをしたいと願っています!」と返していました。人は変わるものですね。

私たちが『ハリー・ポッターと呪いの子』で目の当たりにしたハーマイオニーは、幼いころ彼女があれほど警戒していた組織のトップの仕事に就きましたが、それでも彼女の子供時代の野望であった、魔法界をよりよい場所にしたいという願いはまだ心の中にしっかりと持っていました。大人になった彼女は権力を手にしたので、必要だと思った改革に取り組むことができるようになりました。

また、彼女とロンが結婚し、子供をもうけ、人生を共にするには十分といってよいほどの口論をようやくしなくてもよくなったことに彼女はむしろ喜んでいたことでしょう。魔法省では長時間の勤務をしなければならなかったため、想像していたよりも家族と過ごせる時間は少なかったかもしれませんが、最終的に行き着いた先としては幼いころのハーマイオニーはわりと満足していたのではないでしょうか。そのうえ、彼女は自分の子供たちにとって自慢の母親になれたことは明白ですね。

ロンの夢は大人になってから変わりました...しかし、それが悪いことではないのです

ホグワーツ5年目のころ、ハリーがロンに卒業後はどうするつもりなのかと尋ねた際、ロンは恥ずかしそうにしながら、闇祓いになりたいと答えました。そして実際、しばらくの間はそう思っていました――しかし、その夢はのちに変化したのです。魔法省で、ある程度の期間働いたのち、ロンは退職し、ジョージが運営するウィーズリー・ウィザード・ウィーズの店を手伝うことになります。ヴォルデモートや、彼の信者たちと何年にもわたって戦ってきた後、魔法界に笑顔をもたらせる兄の仕事を手伝えるようになったことは彼にとって喜ばしいことだったに違いありません。

子供時代のロンが大人になった自分を見たら、もしかするとハリーとハーマイオニーが影響力のある仕事に就いたのに対し、自分が同じポジションになれなかったことに少しイライラしたかもしれません――彼は特に、見下されることを嫌がりますからね。しかし、彼は自分の願望が変化していったことを理解し、自分が誰かの陰に隠れるような存在ではなくなったのだということに気づくでしょう。

『ハリー・ポッターと呪いの子』で登場するロンは、自分の現状にかなり満足しているようでした。彼は立派な父親になっていましたし、ユーモアなセンスも健在で、次世代の子供たちを楽しませることに喜びを感じていました(とりわけリリー・ポッターはロンおじさんにとてもなついているようでした)。最高の父親で、自分の子供たちとの関係に不安を抱えているようには見えませんでした。ウィーズリー・ウィザード・ウィーズのお店で働く人物としてもぴったりで、自分たちが販売する面白い商品を楽しんで披露していました。ハーマイオニーとの絆も強く、ときにはロマンチックにさえ見えました――お互いの誓いの言葉を新しいものにしようと思っていたのですから(彼がスプーン1杯分以上の感情を持っていることが証明されましたね)。総じて、大人になったロンは人生を謳歌していたといってよいでしょう。そんな幸せそうな自分の姿に子供時代のロンが出会っていたら、きっと彼が選ぶことになった道に完全に納得したに違いありませんね。