リーマス・ルーピンについて気づいていないかもしれない8つのこと

ーマス・ルーピンは、彼が抱えている「ふわふわした小さな問題」以上に、実に奥の深い人物です。

闇の魔術に対する防衛術の先生として彼が持っているさまざまなスキルや、息子テディのこと、トンクスへの愛なんかについては知り尽くしているかもしれませんが、われらがムーニーのこんな事実も知っていますか?

1.彼の名前は狼に由来している

ルーピンが狼人間であることをこっそりと教えるかのように、実は「リーマス」という名前には秘密があります。この名前の由来になったローマ神話のなかでは、「リーマス」は双子の兄弟、ロムルスとともに狼に育てられた人間として描かれているのです。「ロムルス」という名前にピンと来たのであれば、それは、ルーピンが『ハリー・ポッターと死の秘宝』のなかで、ポッターウォッチで話していたときに使った偽名と同じだったからでしょう。鋭い!お見事。

ルーピンが狼人間だというヒントは、実はほかにもありました。彼の名字である「ルーピン」自体も、ラテン語の「ルーパス」から来ており、その意味はなんと「狼」なのです。また、ハリー・ポッターシリーズがリリースされてから、作者のJ.K.ローリングはルーピンの父親の名前が「ライアル」であることを明かしていますが、これは古ノルド語の「リュールヴル」に由来しており、これまた「狼」を指す言葉なのです。そう、なにを隠そう、リーマスのお父さんの名前は語源までさかのぼると「オオカミ・オオカミ」になるのです!

2.リーマスは自分の守護霊(パトローナス)が大嫌いだった

ハリーに守護霊を創り出す呪文を教えたのはルーピンでしたが、彼自身の守護霊がどのような形をしているのかは作中で見ることはできませんでした(トンクスがルーピンと恋に落ちてから、彼女の守護霊が狼になったことくらいしか分かっていません)。J.K.ローリングがポッターモア内でリーマスについて語った内容によると、ルーピンの守護霊は狼人間ではなく、普通の狼だったそうです。狼は争いを好まず、家族を大切にする動物ですが、ルーピンは狼関連のものすべてに嫌悪を抱くようになってしまっていたため、有形の守護霊の代わりに、あえて形を持たない守護霊ばかり創り出していたそうです。

ローリングはこの点について、次のように話しています。

「リーマスは自分の守護霊が好きになれません。それが常に自身の苦悩を呼び覚ますからです。ルーピンは狼を思わせるものすべてを不快に感じます。そしてたびたび(誰かが見ているときは特に)、あえて形を持たない守護霊を創り出すのです」(ポッターモア)

3.ルーピンはわずか4歳のときに狼人間にされてしまった

リーマスを狼人間に変えたのはフェンリール・グレイバックです。彼は、リーマスの父ライアルが狼人間を侮辱したことへの復讐として幼いリーマスを襲いました。この事件はルーピンが5歳を迎える誕生日の直前に起こり、ライアルが助けに入ったことで命は助かったものの、狼人間へと変えられてしまったのでした。

4.いつも満月を怖がっていた

4歳から狼人間として生きてきたルーピンですが、それでも毎月、満月の夜に自分が狼人間に変身してしまうことを恐れていました。このことは、ルーピンが出現させたボガートから判明します。彼が教える闇の魔術に対する防衛術の授業で、まね妖怪ボガートの倒し方を教えていたとき、ルーピンの前に現れたボガートは満月の形をしていました。ハリーはこれをオーブだと勘違いし、ラベンダーはのちに、彼は水晶玉が怖いのだと思った、と言っています。

足なし蜘蛛が消えた。一瞬、どこへ消えたのかと、みんなキョロキョロ見回した。すると、銀白色の玉がルーピンの前に浮かんでいるのが見えた。ルーピンは、ほとんど面倒くさそうに「リディクラス!」と唱えた。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

5.マーリン勲章の勲一等を受賞している

ルーピンはホグワーツの戦いでのはたらきが評価され、死後、マーリン勲章の最も高い位である勲一等を受賞しました。これは狼人間としては初めてのことで、彼の受賞のおかげで魔法使いたちからのけ者扱いされてきた狼人間たちの状況を改善することに貢献しました。

6.欠点がないわけではない

ルーピンのことはもちろん大好きですが、彼が完璧な人というわけではありません。J.K.ローリングが2003年にロイヤル・アルバート・ホールでスティーヴン・フライと対談した際、次のように話しています。「ルーピンの欠点は、誰からも好かれようとすることです。たいてい、いつもここでヘマをします――あまりにも嫌われることが多かったせいで、友人ができると嬉しさのあまり、相手に対し寛大になりすぎるところがあります。」

これで『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』におけるルーピンの行動にも納得がいくでしょう。ルーピンただ一人が、シリウス・ブラックがどのようにしてアズカバンから脱獄したのかに気づき、また気づかれることなくホグワーツに侵入できる方法を思いつきましたが、それをダンブルドアに告げることができませんでした。

ルーピンの顔がこわばり、声には自己嫌悪の響きがあった。
「この一年というもの、わたしは、シリウスが『動物もどき』だとダンブルドアに告げるべきかどうか迷い、心の中でためらう自分と闘ってきた。しかし、告げはしなかった。なぜかって? それは、わたしが臆病者だからだ。告げれば、学生時代に、ダンブルドアの信頼を裏切っていたと認めることになり、わたしがほかの者を引き込んだと認めることになる......ダンブルドアの信頼が私にとってはすべてだったのに。」
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

7.彼の両親はボガートのおかげで出逢えた

シリーズ作品を通して私たちが特に好きな場面と言えば、闇の魔術に対する防衛術の授業で、生徒たちがボガート(目撃したひとの一番恐れるモノに姿を変える妖怪)の対処方法を学ぶ場面です。この時、何人かの登場人物たちの最も恐れるものが明らかになりました――ネビル(スネイプ先生)、ロン(もちろん、蜘蛛)、パーバティ(ミイラ)などです。その授業の指導をしていたリーマスの両親が、ボガートを通して出逢ったというのはなんだかしっくりきますね。

J.K.ローリングの記述によると、マグルのホープ・ホーウェルがボガートを暴漢と勘違いしていたところにライアルが現れ、あたかも本当に危険な男から彼女を助け出すかのように演技をしたことが2人の出逢いのきっかけになりました。ライアルがホープに真実を話したのはその数か月後のことだったそうですが、2人の恋は無事に成就し、ウエディング・ケーキにはボガートをあしらったそうです。なんとも素晴らしい!

8.リーマスが生き延びる可能性もあった

J.K.ローリングはかつて、もともとリーマスをホグワーツの戦いで死なせる予定ではなかったことを明かしました。しかし、アーサー・ウィーズリーが魔法省でナギニに襲われたのち、彼を生還させることにしたため、もはやリーマスを死なせるよりほかなかったと言っています。ローリングはこのことについて、次のようにツイート(ポスト)しています。「またしてもホグワーツの戦いの記念日になったので、約束通り、ひとつの死についてお詫びと弁明をさせてもらいます。今年はリーマス・ルーピン。正直に話すと、私は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』を書くまでルーピンを死なせる予定はありませんでした。アーサーを生かすことにしたため、ルーピンは死ななければならなくなったのです。」