ルーナが恥ずかしいくらい正直だと思える場面5選

んな嘘も信じてしまうほど純粋なルーナ・ラブグッドは、なんでも正直に話すことがとても得意です。そこで今回は、そんな彼女の誕生日を祝して、ルーナの言葉が心にしみた場面をいくつか振り返ってみましょう。

ハリーに失礼だと非難したとき

シリウスが危険にさらされていると勘違いしたハリーが、怒鳴り散らしながら神秘部に乗り込もうと鼻息を荒くしていたとき、まさか彼の行く手を阻むのがルーナになるとは思いもしなかったことでしょう。しかしながら、一旦落ち着いてヴォルデモートに見せられた夢が現実であるかを確認したほうがよい(コホン:咳払い)というハーマイオニーの的確なアドバイスと同じくらい、ルーナの非常にシンプルなありのままの言葉も、ハリーが立ち止まって考えるきっかけになりました。

ハリーを手伝いたいというジニーからの申し出をぶっきらぼうに断り、ハーマイオニーに怒鳴り続けるハリーにルーナは「あんた、ちょっと失礼よ」(『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』)とだけ言い放ちました。もちろん、ルーナの言うとおりだったのです。確かに、ハリーは気が気ではなく、一刻も早くシリウスを助け出したいと必死だったとは思いますが、そういうときに周りをまったく気にかけないでいると、のちに後悔することになるのはこれまでの経験からも明らかです。ハリーはこの時、もう少し周りの言葉に耳を貸すべきでしたね。

自分自身のことをどれほど理解しているかを示したとき

シリウスが亡くなり、ダンブルドアから予言のことを打ち明けられたとき、ハリーは怒りと深い悲しみに沈んでいました。学期末のパーティーを心から楽しむことができずにいたハリーに対して、ルーナはまたしても、彼に新たな気づきを教えてあげたのです。

「ああ......うーん......」ルーナは肩をすくめた。「みんな、あたしがちょっと変だって思ってるみたい。実際、あたしのこと『ルーニー』ラブグッドって呼ぶ人もいるもンね」
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

この言葉から、ルーナがいつも冷静で平然としているように見えますが、―それは他人が自分をどう思っているか知らないからではなく、気にしていないからだということなのです。また、彼女は自分自身がどのような人間であるかをしっかりと理解していたからこそ、他人の気持ちに寄り添う力を持っていました。結局、シリウスの死後、ハリーを本当の意味で慰めてくれたのはルーナの言葉だけだったのですから。

「ほら、しっかりして。聞いただろ? ベールのすぐ裏側で?」
「君が言うのは......」
「アーチのある、あの部屋だよ。みんな、見えないところに隠れているだけなんだ。それだけだよ。あんたには聞こえたんだ」
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

自分がハリーの友達であることは周りにとって意外なのだろうと言ったとき

ルーナが自分自身のことをよく分かっていることがうかがえるもうひとつの場面は、彼女がネビルとともにホグワーツ特急でハリーと座っていた際、ロミルダ・ベインとその友人たちにくすくすと笑われたときのことでした。

「みんなは、あんたに、あたしたちよりもっとかっこいい友達を期待するんだ」
ルーナはまたしても、率直さで人を面食らわせる腕前を発揮した。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

ダンブルドア軍団の集会で見つけた仲間は、ルーナにとって大きな意味があるものでした― 集会に参加している生徒たちのことは「まるで友達みたい」と言い、自分の部屋にハリー、ハーマイオニー、ロン、ネビルとジニーの写真を飾るほどでした。しかし、やはりルーナは自分が周りからどう見られているかをよく理解していましたし、それを気にしませんでした。ルーナはどんなに居心地が悪くても、いつも物事に真正面から向き合える強さを持っているのです。

ロンの不親切な一面を見抜いていたとき

ルーナは自分の性格を理解しているばかりでなく、他人の性格もしっかりと観察できていました。ロンがハーマイオニーと仲違いし、ラベンダー・ブラウンと付き合い始めたときも、彼の態度の悪さを指摘した数少ない人のひとりでした。

「ロンて、ときどき、とってもおもしろいことを言うよね?」
二人で廊下を歩きながら、ルーナが言った。
「だけど、あの人、ちょっと酷いとこがあるな。あたし、去年気がついたもン」
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

もちろん、みんなロンのことは大好きです。でも、ルーナの言うことにもやっぱり一理ありますよね。

ドビーのことを完璧に褒めたたえたとき

ルーナの正直さは、必ずしも恥ずかしくなるようなものばかりではありません。ハリーたちをマルフォイの館から救い出してくれたドビーの墓前で彼女が贈った言葉は素直で、かつ愛にあふれており、これ以上の言葉はないくらい完璧なものでした。

「あたしを地下牢から救い出してくれて、ドビー、本当にありがとう。そんなにいい人で勇敢なあなたが死んでしまうなんて、とっても不公平だわ。あなたがあたしたちにしてくれたことを、あたし、決して忘れないもン。あなたがいま、幸せだといいな」
『ハリー・ポッターと死の秘宝』