「ハリー・ポッター」シリーズの登場人物をヒントに新年の目標を考える

新しいグループに参加する(ネビルとダンブルドア軍団)

現実の世界に生きるわたしたちには、ヴォルデモートが突然現れてパニックになるというような不安はありませんよね。だから、ダンブルドア軍団のような組織に参加して、正しい闇の魔術に対する防衛術を教わる必要はありません。しかし、ダンブルドア軍団に限らず、どんなクラブも新しい出会いの場であり、自分を磨ける場所です。それはハリーを見ると明白でしょう。ダンブルドア軍団を作ったことで(実は、組織を作ったのはハーマイオニーなのですが、今の段階では置いておきましょう......)、ハリーは、チョウ・チャンと仲良くなることができました。ハリーとチョウの恋はうまくいきませんでしたが、重要なのは、ダンブルドア軍団を通して違う寮の生徒と交流する機会を得たことなのです。

わたしたちにも同じことがいえるのではないでしょうか。新しいグループに参加するためには、安心できる場所から一歩外に踏み出さなくてはいけません。しかし、そこには新しい仲間との出会いや、それ以上のものがあるはずなのです。新しい場所で何が待ち受けているかなんて、そこに実際に行った人にしか分かりませんよね。いつもと違うグループに参加することの本質は、新たな技術を磨き、新しい何かを学ぶことです――例えば、読書会で知らない本との出会いがあったり、アマチュア劇団で演劇を学んだり、陶芸教室で素敵な花瓶を作ったり(●陶芸●(ポタリー)教室といっても、ハリー・ポッターについて学ぶ教室ではないのが残念ですが......)。どんな教室でも、参加してみればきっと自分のためになることを学べるはずです。ダンブルドア軍団からネビルがどれだけたくさんのことを得たのか思い出してください――友だちに支えられ、自分の弱さに立ち向かい、ネビルは優秀な魔法使いに成長しました。つらい試練を乗り越えるなら、同じ悩みを抱える人たちと一緒に挑戦すると心強いですよね。

怖がっていたことに挑戦してみる(ルーピン)

誘いを受けてすぐに断ったという経験はないですか?今の生活に満足しているからといって、何か新しいことに挑戦するのをやめたことは?もしかすると、自分のやり方がすでに決まっていて、不安になるようなことはしたくないという人もいるかもしれません。ルーピンも同じような状況でした。狼人間だという事実を隠して静かな生活を送っていました。ルーピンが「ふわふわした小さな問題」のことで「闇の魔術に対する防衛術」の教授を辞めたときのことを考えてみてください。教授を辞めるように言われたわけではないのに、辞職をしたのちに身を隠しました。狼人間だという事実を知った周りの教授や生徒の反応を恐れたためです。さらに、互いに想い合っているのに、トンクスと付き合うのをためらっていました。ルーピンの「トンクスには、誰か若くて健全な人がふさわしい」という言葉には、狼人間ではない人がふさわしい、という思いが込められていました。

友人たちの後押しのおかげで、ルーピンはようやくトンクスと付き合い始めます。狼人間として生きる不安が消えることはありませんでしたが、ルーピンはずっと恐れていたこと――自分の人生に、誰かを招き入れること――に挑戦しました。もし、問題が目の前に立ちはだかっているように感じたとしても、その問題のせいで人生を楽しむことを諦める必要はないのです。スカイダイビングをやってみてください、と言っているわけではありません。「こうすれば最後にはきっと幸せになれる」と感じることがあるのなら、ためらわないで挑戦してみるとよいでしょう。そう、ルーピンみたいに。

もっと積極的になる(ジニー)

自信を持つことって、どうしても難しいですよね。近所のお店サクッと自信を買うなんてできませんから。ですが、時間とほんの少しの信じる気持ちがあれば、周りの人も気づくくらい、もっと自信を持つことができるのです。そのよいお手本がジニーです。ジニーは「ハリー・ポッター」シリーズの最初の数巻は、すぐに顔が赤くなってしまうハリーの大ファンとして描かれています。1年生のときにヴォルデモート卿の記憶に操られても、恥ずかしがり屋な性格は変わりませんでした。

しかし、時間が経つにつれて変化が表れます。特にジニーが3年生になると個性が花開きはじめ、ハリーの友だちグループにも溶け込み、ユーモアのセンスを身につけ、内面的な強さを鍛え、「コウモリ鼻糞の呪い」に磨きをかけました。また、多数派に流されない強い意志を持っていました。例えば、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の最後で、ハリーと一緒に神秘部に戦いに向かいました。ハリーが気づいてくれるのを待つだけじゃなくて、他の男の子と付き合ってみたら、とハーマイオニーからアドバイスされたジニーは、誰かに尽くすのではなく、自分が楽しいと思うことに集中しました。生まれ変わったジニーは自身を手に入れ、ハリーはジニーに惹かれはじめました。ああ、本当によかった。

とにかく、周りの人にどう思われようと、本当の自分や可能性を分かっているのは自分だけなのです。成長していくジニーがそう教えてくれました。ジニーの行動を見習って、他の誰かではなく、自分の物語を大切にしてみてください。

ヴォルデモートを殺して魔法戦争を終わらせる(ハリー)

なんてね、冗談ですよ。冗談ですが、素晴らしい1年の始まりだと思いませんか?