「誕「誕生日」と聞いて思い浮かべるものはただひとつ(ダーズリー一家と一緒に住んでいるなら話は別ですが...)そう、プレゼントです!もちろん、ハリーもいろいろなものをもらっています。この記事ではヘドウィグからお古の靴下まで、若き魔法使いハリー・ポッターがもらったプレゼントを紹介していきます。最下位からランキング形式で見ていきましょう。
ダーズリー家の人たちからもらったなかで一番良いプレゼントは、バーノンおじさんのお古の靴下とコートを掛けるハンガーでした......。そして「一番良い」といったのは、その年はダーズリー家の人たちがハリーの誕生日を覚えていたからです。ハリーが11歳を迎えてからの誕生日は、ほとんど無視されるようになりました。そう、ダーズリー家の人たちは残念なプレゼントを用意する才能があるのです。そんなわけで、いとも簡単にわたしたちのランキングの最下位を獲得したのでした。あのひどい家族から、わたしたちが期待するものは何もありませんよね。
まず一言いわせてください。チョコレートは素晴らしいものです。多くの人が最高の食べ物のひとつとして挙げるでしょう。そんななか、こんなに低い順位にしたのには理由があります。15歳の誕生日に、ロンとハーマイオニーがハニーデュークスのチョコレートを2箱贈ってくれましたが、ハリーはあまり喜んでいませんでした。その夏、ロンとハーマイオニーがほとんど連絡をくれなかったことにハリーは腹を立て、誕生日プレゼントのチョコレートの箱を開けもせずに捨ててしまいました。ハリーがひとつも食べずに捨ててしまったチョコレートはもったいないですが、これは喜べるプレゼントとはいえません。もしかしたら、17歳の誕生日にビルとフラーからもらった贈り物のほうが喜んでいたかもしれません......。
続いては噛みついてくる教科書です。ホグワーツの3年生になるハリーの誕生日にハグリッドが贈ってくれたのは、厳密にいえば役に立つものでした。しかし、明らかにこちらを襲ってくる意志があるような本がハリーの理想のプレゼントだとは思えません。それと同時に、地味で記憶に残らないプレゼントというわけでもありません――噛みつこうとしたことを思い出してみてください。ハリーはダーズリー家にいる間、この本が暴れださないように大人しくさせておかなくてはならなかったので、余計な苦労が増えてしまったことでしょう......。
本は、ハリーにとって最高のプレゼントではありませんでした。ロンはこの本がとても役に立つと思ったかもしれませんが、わたしたちには、ハリーがこの本を読んでいる姿は思い出せません。ハリーは、17歳の誕生日にこの本をロンからもらったわけですが、その頃のハリーの頭の中はというと分霊箱探しのことでいっぱいで、恋愛は後回しになっていました。それから、ジニーとはたとえ離れていても、すでに強い絆で結ばれていました。チョウに恋をしている時期にもらっていたら、もっと喜んでいたかもしれないですよね。それは誰にもわかりません。もしかすると、マダム・パディフットの喫茶店での悲惨なデートの前に読んでいたら、違う未来が待っていたかもしれません。ですが、全体的に考えてこの本が最高のプレゼントだったとはお世辞にもいえないでしょう。
悪く取らないでくださいね?ビルとフラーが贈ったこのプレゼントは、実用的で便利なものでした。そしてもちろん、ムッシュー・デラクールによると、このひげ剃りを使えばこの上ないほどつるつるになるそうです。でも、ほんの少しだけありきたりなプレゼントだと思いませんか?すごく変わっていて不思議な物にあふれた魔法界では、少しつまらないプレゼントに思えてきます。というわけで、魔法のひげ剃りは10位くらいがちょうどいいのではないでしょうか。
ハリーは、ハーマイオニーとロンそれぞれからかくれん防止器をもらっています。ロンからは13歳の誕生日に、ハーマイオニーからは17歳の誕生日にプレゼントされました。かくれん防止器が便利な道具であることは間違いないのですが、少しいらいらさせられることもあります――激しく回転しながら、耳をつんざくような音が鳴り続けているときは特にそうです。確かに。ハリーが3年生のときにかくれん防止器がこんなふうに反応したのは、卑怯な裏切り者ピーター・ペティグリューがネズミに変身した姿で、ロンのペット、スキャバーズとして近くにいたからなのでした。それでも、かなりうるさかったでしょうね。
ハリー本人は覚えていないかもしれませんが、本当にかわいいプレゼントなのでランキングに入れたいと思います。ハリーは、1歳の誕生日に、名付け親であるシリウス・ブラックからおもちゃの箒をもらっていました。1歳のハリーは、シリウスからプレゼントされたおもちゃの箒に乗り、飛び回っていたそうです。このプレゼントは、ハリーが箒で空を飛ぶのが大好きになるきっかけになったかもしれませんが、わたしたちは8位という順位を付けました。その理由は、ハリー自身がこの箒で遊んだ期間が短く覚えていなかったため、それから当時飼っていた猫を怖がらせてしまったからです。
プレゼントとして大きな箱いっぱいのいたずら道具をもらうのは少しも悪いことではありません。しかも、中身がウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店の商品なら最高です。そうはいっても、フレッドとジョージからもらうとずいぶんいい加減なプレゼントのように思えます――それが、魔法使いとして成人になる17歳の誕生日プレゼントならなおさらです。フレッドとジョージは自分の店の棚から商品を取ってくるだけで準備できるのですから――誰よりも心を込めて選んだとはいえないですよね。準備するためにかける労力は少ないですが、それでも楽しい気持ちにさせてくれるので、わたしたちのランキングでは真ん中の順位を付けました。
この素敵なプレゼントは、ハリーの17歳の誕生日にハグリットが贈ったものです――おまけに、めずらしい魔法道具でもあるんです!モークトカゲの革で作られているので、巾着の中身は持ち主以外には取り出せないようになっています。つまり、ハリーは中身を取り出せるのは自分だけという安心感を持って、大切な物をしまっておくことができるのです。結局、ハリーはこの便利な巾着に、忍びの地図を始めとする宝物を入れていました。それから、シリウスからもらった両面鏡のかけらの保管場所としてもこの巾着を使っていました――マルフォイの館に囚われたときには、その両面鏡がなければ脱出できませんでした。総じてとても素晴らしいプレゼントといえるのではないでしょうか。
この天才的なプレゼントはハリーの友だち、いや、天才的に素晴らしい友だちハーマイオニーからもらったものです。ハーマイオニーは、クィディッチや空を飛ぶことが好きではありませんでしたが、ハリーが心からうれしいと思う物を見つけるために、きっとたくさん考えたり調べたりしたのでしょう。そのかいあってハリーにとても喜んでもらえました。ハリーは包み紙を破った瞬間に感激して、時間があればいつでも便利なこの道具で箒の手入れをしていました。マージおばさんがダーズリー家を訪ねてきて、意地悪な言葉を次々と浴びせてきたとき、ハリーはこのプレゼントのことを考えるだけで仕返しをしたいという気持ちを抑えることができました......ここではほとんど抑えることができた、といっておきましょう......。
わたしたちのランキングのなかで最高のプレゼントに近づいてきました。お次に紹介するのは、ハリーが17歳になったときにジニーから贈られたキスのプレゼントです。このときふたりは別れていたのですが、まだお互いのことを想い合っていました。関係が終わってしまっているとはいえ、ハリーは本当に大切に思っている人から心のこもったキスを贈られて、文句をいうことはしなかったでしょう。一般的なプレゼントではありませんが、ハリーにとっては記憶に残るプレゼントだったに違いありませんね。
3位はハリーの17歳の誕生日に、モリー・ウィーズリーが贈った腕時計です。正確にいうとこの腕時計は新品ではなく、かつてモリーの弟であるフェービアンが使っていたものでした。フェービアンは、闇の帝王となったヴォルデモートが最初に起こした第一次魔法戦争で命を落としていました。間違いなく、この時計はモリーにとってものすごく大切なものであり、それをハリーに贈るというのはとても意味のあることでした。そういうところから、モリーはハリーのことをウィーズリー家のひとりとして心から想っていることがわかります。そして、ハリーにとってはとびきりうれしいプレゼントだったことでしょう。
惜しくも1位を逃したプレゼントはヘドウィグです。美しく、機転の効く、賢いこのフクロウはハリーがもらった最高の誕生日プレゼントのひとつでした。完璧なだけでなく、忠誠心が強く、ハリーの大切な仲間でした――ダーズリー一家のもとに戻り、ロンドン郊外のプリベット通りの彼らの家で閉じ込められたように過ごしているとき、ヘドウィグが魔法界とハリーをつなげてくれたのです。ヘドウィグは、ハリーが魔法界に足を踏み入れたその瞬間からハリーのそばにいました。ハリーにとって初めてできた友だちのひとりです。そもそも、ハリーにヘドウィグをプレゼントしたのはハグリッドでした。もしハグリッドが、自分はプレゼントを選ぶ才能があると思って得意げになっていても、わたしたちはとやかく言うつもりはありません。
これ以外はありえないでしょう。1位は絶対に、ホグワーツからハリーに届いた手紙です。ハリーがダーズリー家でのみじめな生活以外に、もっとたくさんのものが自分を待ち受けていると気づいた瞬間でした。実際、ハリーの前に広がっていたのはまったく新しい世界――そして、ハリーの本当の居場所でした。ハリーはこの手紙を受け取ったことで人生が大きく様変わりし、ようやく真の自分を見つけるチャンスを得たのでした。これこそ、最高で完璧なプレゼントですね。