時には悲劇的なマグルと魔法使いの恋愛

い間、マグルと魔法族は、控えめに言ってもいい関係ではありませんでした。そして、そこに恋愛が絡むと、さらに複雑になってしまうのです......。

魔法界では、絶対にマグルを受け入れない一族がいます。しかし、愛はどんなところにも生まれるものです――そして、今回紹介するカップルたちが証明しているように、その愛にはとても大きな力があります......。

ドーカスとバーソロミュー

恋人とひどい別れ方をしたと思っているあなた。もう二度と同じことが起こらないように、法律が作られるほど悲惨な関係を想像してみてください。ドーカス・トゥエルブツリーズとバーソロミュー・ベアボーンに起きた悲劇はまさにそれです。ふたりの破滅的な恋愛のせいで、魔法族とノー・マジが親しくすることを禁止する法律が可決され、それは、ずっとずっと、本当に長い間守られていました。

アイリーン・プリンスとトビアス・スネイプ

セブルス・スネイプの家系については、詳しいことは分かっていませんが、暗く悲しい話がかすかに語られていました。自分を「半純血のプリンス」と呼んだ人物は、もしかするとマグルの血が流れていることを誇りに思っていたのかもしれません。しかし、彼が自分の両親を誇りに思っていたかどうかは、また別の話です。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、ハリーはスネイプの子ども時代や、自分の母親、リリーとスネイプの間の友情について知りました。さらに、スネイプが痛ましい子ども時代を過ごし、荒れ果てたマグルの村に住んでいたことや、両親(マグルの父と魔女の母)はけんかが絶えなかったことが分かります。

リリーが若きスネイプに、マグルの父、トビアスは魔法が好きか訊ねたときの返事は、言葉は少ないですが、多くを語っていました。「あの人は何にも好きじゃない。あんまり」

ライアル・ルーピンとホープ・ホーウェル

リーマス・ルーピンの両親は、マグルと魔法族の恋愛が成り立つという良いお手本ですが、時には事件が複雑化させることがあります。ライアル・ルーピンとホープ・ホーウェルは、ライアルがまね妖怪ボガートからホープを救ったときに出会いました。ルーピン家らしい行動ですよね!

これが、ふたりの幸せな結婚のきっかけとなり、そのうち、息子のリーマスが生まれます。

ライアルは、魔法省で働いていたときに、狼人間のフェンリール・グレイバックと争ったことがありました。その復讐として、グレイバックはライアルの息子、リーマスを咬みました。そして咬まれたリーマスは狼人間になってしまい、差別され続ける人生を歩むことになります。

ライアルとホープは息子に対する社会からの偏見を分かっていたので、家で勉強を教え、いろんな街を転々として、答えにくい質問をされないようにしていました。その後、リーマスはホグワーツに入学することができ、そこで未来の親友たちに出会うのでした。

トーマス夫妻

ディーンは、ハリーとロンの仲の良い友だちで、ジニーと付き合っていたこともありました......。しかし、実は、トーマス家には、ディーンの知らない暗い過去があります。

ディーンは、マグルの母親と彼女の二人目の夫に、異父兄弟たちとともにマグルの子として育てられました。しかし、トーマス夫人の一人目の夫には、とても悲しい物語があったのです。

映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の初期の脚本、そしてJ・K・ローリングからクリス・コロンバス監督に渡されたメモ書きには、ディーンと母親が、父親が家族を置いて出て行ったと思っているのは、事実とは異なることが明かされていました。トーマス氏は、自分が魔法使いであることを家族には告げておらず、ヴォルデモート陣営に加わるのを断ったせいで、死喰い人に殺されてしまったそうです。

ディーンと彼の母親は、トーマス氏が魔法使いだったことも、そしてとても勇敢な人物だったことも、全く知らないのです。

メローピー・ゴーントとトム・リドル

メローピー・ゴーントとトム・リドル・シニアの関係は、恋愛と魔法についての試練や苦難について、とても厳しい教訓をわたしたちに残しています。

貧しい家に生まれ、虐待を受けていたメローピー・ゴーントは、不幸なことに、純血にとりつかれた家族に育てられました。ゴーント家は、一族の純血を守るために近親者同士を結婚させていました。ずっと虐待を受けていたメローピーは、成長しても、ほとんど魔法を使えませんでした。そして、地元の少年――ハンサムなマグル、トム・リドル――に恋をするのです。

そのことを知った父親と兄は激怒しましたが、しばらくして、ふたりともアズカバンに収監されてしまいました。虐待され続ける生活からようやく自由になったメローピーは、魔力を鍛え始めます。しかし、悲しいことに、それまでの孤独な人生のせいで、間違った方向に努力をしてしまいました。トム・リドルが自分に恋に落ちるように、魔法を使ったのです。

メローピーとトムの「ロマンス」に村じゅうは驚きました。ふたりの窮屈な生活が始まり、メローピーは永遠に続く幸せな時間に現実逃避し、かわいそうなトムは彼女の魔法にかけられたままでした。そのうち、メローピーは妊娠し、この困った魔女は、魔法を解いてトム・リドルが自然に自分を愛してくれるか、試してみることにしたのです。

魔法が解けたトムは、すぐに嫌悪感をあらわにし、メローピーをたったひとり絶望の中に残したまま、去って行ってしまいました。そして、メローピーは息子を産むとすぐに亡くなってしまうのです。つらい過去を背負って生まれ、トム・リドルと名付けられた男の子は、やがて、史上最強の闇の魔法使いとして魔法界で知られるようになります。メローピーにとってさらなる悲劇となったのは、彼女が絶対に望まなかったであろうこと:生まれてきた息子が、決して自分を愛してくれなかった男性にそっくりだったことです。

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