ハーマイオニーはホグワーツに入学する前、学校で必要な教科書リストを暗記しているほど準備万端でした。しかし、肖像画が動き、階段がいたずらをしてくるようなホグワーツの校舎では、ハーマイオニーでさえも、想定外の事態に備えることはできません。ホグワーツは魔法にみちた迷路のような建物――ですが、外から見ると、ただのお城なのです。
何が起きるか予測できないホグワーツ魔法魔術学校について、知っておくべき大切なことがいくつかあります......。
ホグワーツ城は、森に囲まれた高い山に建てられています。湖をボートで渡る以外にたどり着く手段はありません。毎年、9月1日になると新入生たちは、ホグワーツ特急から降り、ハグリッドに連れられてボートに乗り込みます。鏡のような湖の静かな水面を進み、つたのカーテンをくぐると、入江に到着します。
ハグリッドによると、「何かを安全にしまっておくには、グリンゴッツ銀行が世界一安全な場所」だそうですが、おそらくホグワーツはゴブリンが経営するグリンゴッツ魔法銀行よりも安全だと思います。立ち入り禁止の廊下に行かなければ、の話ですが......。
スリザリン寮生は将来、闇の魔法使いになることが多く、ハッフルパフには間抜けな生徒が入ると言われています。新入生たちはそろってグリフィンドール寮に憧れていて、レイブンクローの人気はそこそこ――ハグリッドや、マルフォイ、ハーマイオニー、ロンの話を聞いているとこんな印象を抱くのではないでしょうか。組分け帽子の言葉は、マルフォイたちよりもずっと信頼できます。組分け帽子によると、グリフィンドールは勇敢な者が、ハッフルパフには心優しく勤勉な者が、レイブンクローには機知に優れた者が、スリザリンには狡猾な者が集まるそうです。
......ゴーストだけでなくポルターガイストのピーブズも住みついています。4つの寮にはそれぞれ専属のゴーストがいます――グリフィンドール寮の専属は、ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿(ほとんど首無しニック)です。扉をすりぬけることのできるゴーストたちとの学校生活は一筋縄ではいかないのですが、一番厄介なのはピーブズです。ピーブズに何度もいたずらをしかけられて、授業に遅れた新入生は数知れません。
そうそう、グリフィンドールの談話室は、本当に素晴らしいんです。塔のなかの階段を登った先にあります。活気があって居心地がよく、奥に進むと、カーテンのかかった四柱式ベッドが並んだ寮(寝室)へと続いています。
ホグワーツの階段は単純ではありません。城のなかには、形も大きさも行き先もバラバラな142の階段があります。幅の広いもの、狭いもの、途中で消えてしまうものや、金曜日にはいつもとちがう場所へ連れていく階段などがあります。授業に遅れたくない生徒には、階段を使うのはおすすめできませんね。
ホグワーツの扉はそれほどいいものではありません。生徒が礼儀正しくお願いしないと開かない扉や、くすぐられるのが好きな扉、なかには、もはや扉ではないものだってあります。「扉のように見えるけれど実は硬い壁が扉のふりをしている」のです。それから、みぞの鏡のように謎に満ちた物が置いてあるような、使われていない部屋へ続く扉もあります。
ホグワーツに勤める先生は、本当に個性豊かです。――ホグワーツで唯一のゴーストの教師、魔法史のビンズ先生から、呪文学のフリットウィック先生までありとあらゆる先生がいます。マクゴナガル先生は厳しいですが、どんな生徒に対しても公平です。スネイプ先生は厳しいですが、それほど公平とはいえません。闇の魔術の専門家、クィレル先生は神経質で、ダンブルドアは天才ですが茶目っ気たっぷりで少し変なところがありました。
管理人のアーガス・フィルチと飼い猫のミセス・ノリスは、ホグワーツの生徒たちを激しく嫌っています。しかし、ハグリッド――ホグワーツの森番――はフィルチ以上に生徒たちのことを大切に思ってくれています。禁じられた森の端にある丸太小屋に、大きな黒色のボアハウンドのファングと一緒に暮らしています。ファングはミセス・ノリスよりはるかに人懐っこい性格です。
ホグワーツの壁には、あちこちに絵画や肖像画がかけてあり、絵の中の人物たちは自由に額から額へと移動しています。グリフィンドールの談話室は、ピンク色のシルクのドレスに身を包んだ太った婦人の肖像画に守られています。
ホグワーツの外も不思議な物であふれています――温室で栽培されている魔法植物に始まり、禁じられた森に潜んでいる魔法動物たち、トロールが入り込めるトンネルや、魔法薬学の教室、地下にある船着場など、いろんな場所があります。
大広間の天井は魔法がかかっていて、ここでは素晴らしいごちそうが出されます。毎日の朝食だって豪華ですが、特別な日のごちそうは必ずチェックしておかなければなりません。みなさんが想像できる全ての料理がテーブルに並びます。「ハッカ・キャンディ」だって出てくるのですから。
生徒たちの手紙はふくろうが運んできてくれます。そのふくろうたちは普段、ホグワーツのふくろう小屋にいます。こんな郵便局なら、行列を待ってでも行きたいですよね。
ホグワーツの図書室には本当に扱いの難しい魔法について書かれた本が置いてあります。例えば、「闇の魔術に対抗する防衛術」を学ぶ上級生が使うような本です。もし、そういう扱いの難しい本を許可なく棚から出したら、叫ぶよう魔法がかけられています。...本当です。
スネイプ先生の魔法薬学の授業は地下牢教室で行われていて、冬の間は特に寒くなります。廊下には隙間風が入り、夏の教室はうだるように暑くなります。ですから、魔法を使っても、ホグワーツの生徒や先生は気まぐれなイギリスの気候の影響を受けてしまうということです。
CREDIT:COURTESY OF POTTERMORE
出典:POTTERMORE
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