「聖28一族」ってだれのこと?

1930年代または1940年代に、魔法界で純血を維持している一族の血筋を守る目的として、純血の一族をリストアップした書籍が匿名で出版されました。

ヴォルデモートは、自分は混血にも関わらず、純血主義を唱えていました。また、魔法族の先祖がマグルと結婚していなければ魔法界は絶滅していただろう、と考える魔法使いからは「聖28一族」という考え方は、冷ややかな目で見られていました。

サラザール・スリザリン(このひどい主義をはじめた人物)が純血だと認めた一族はどういう人たちだったのでしょうか。また、彼らの子孫についてわたしたちはどんなことを知っているのでしょうか。そのなかに、ハリーと出会った人物はいたのでしょうか。

アボット家 - ハリーは、ゴドリックの谷でアボット家のだれかの墓を見つけました。ハンナ・アボットはハリーの同級生で、ホグワーツの戦いでは勇敢に戦いました。

エイブリー家 - 「ハリー・ポッター」シリーズでは、名字しか登場しません。ひとり目のエイブリーは、トム・リドルがスラグホーン先生に分霊箱について聞いていた「スラグクラブ」の集まりのとき、ちょうど部屋をでていったところでした。ふたり目のエイブリーは死喰い人で、神秘部を襲撃したメンバーのひとりです。ヴォルデモートが初めて失墜したとき、エイブリーは「服従の呪文」で動かされていたと主張して「辛くも難を逃れた」と言われています。

ブラック家 - ハリーの名付け親であるシリウスは、ブラック一族で初めてスリザリンに組み分けされませんでした。シリウスは、後にロンドンにある家に不死鳥の騎士団の本部を設けました。ブラック家の屋敷に現れた先祖の幽霊たちは、とても悔しかったことでしょう。シリウスの弟、レギュラス・ブラックは死喰い人でしたが、ヴォルデモートに疑念を持つようになり、分霊箱を破壊しようとしました。また、シリウスには、いとこがたくさんいます。ベラトリックス・レストレンジやナルシッサ・マルフォイもそのひとりです。

ブルストロード家 - ブルストロード家出身の人物には、性格の悪いスリザリン生とドラコ・マルフォイの先祖がいます。まず、ミリセント・ブルストロードはハーマイオニーと何度も喧嘩をしています。ハーマイオニーは、ポリジュース薬にミリセントの猫の毛を入れてしまって変身に失敗したこともありましたね。

バーク家 - カラクタカス・バークは、邪悪な魔法専門店であるボージン・アンド・バークスの創始者のひとり。ハリーは憂いの篩で、カラクタカス・バークの姿を見ています。バークは、貧しい暮らしをしている妊娠中のヴォルデモートの母親からスリザリンのロケットを買い取っていたのでした。

カロー家 - アミカス・カローと、アレクト・カローは兄妹で死喰い人でした。ふたりとも、ホグワーツでの教師の仕事に採用されました。

クラウチ家 - もしバーテミウス・クラウチに、アズカバンの脱獄者や、死喰い人の息子"バーティ"ジュニア以外の人生があったなら、とても真面目な人生を送っていたかもしれません。バーティは、ポリジュース薬を使って、"マッド-アイ"・ムーディになりすまし、ハリーを三大魔法学校対抗試合に参加させました。

フォーリー家 - 「ハリー・ポッター」シリーズには、フォーリー家の人物は登場しませんでした。

フリント家 - スリザリンのクィディッチ代表チームでキャプテンを務めていたマーカスはフリント家の一員です。その名前のとおり、激しく怒りっぽい人物でした。

ゴーント家 - ヴォルデモートに劣等感を植え付けた人物として、祖父のマールヴォロ・ゴーントと、伯父のモーフィンの肖像画が登場します。マールヴォロとモーフィンは、自分たちの純血という地位や、サラザール・スリザリンの唯一生き残っている子孫である、という考えに取り憑かれていました。ふたりは、ヴォルデモートの母親、メローピーを虐待し、スクイブ (両親あるいは親のどちらかが魔法族であっても魔法を使えない人物のこと)を非難します。何度もマグルを襲った後、マールヴォロとモーフィンはアズカバンに収監されました。メローピーはたったひとりで残され、同じ村に住む、当時少年だったマグルのトム・リドル・シニアを好きになりました――わたしたちは、この話がここでおしまいじゃないということは、分かっていますよね。

グリーングラス家 - ダフネ・グリーングラスは、ハリー、ロン、ハーマイオニーの同級生。原作では1度しか登場していません。ドラコ・マルフォイは、アステリア・グリーングラスと結婚します。アステリアは、マルフォイ家よりもマグルに対して寛容でした。

レストレンジ家 - ベラトリックスと夫のロドルファスは、ヴォルデモートの忠実な部下のひとりでした。ベラトリックスは、モリー・ウィーズリーとの戦いで命を落とし、ロドルファスは、ホグワーツの戦いで怪我を負いました。

ロングボトム家 - ネビル・ロングボトムは、ハリー、ロン、ハーマイオニーの親友のひとりで、グリフィンドール寮生です。ネビルは祖母のオーガスタに育てられました。なぜなら、闇祓いの両親はベラトリックス・レストレンジらによってひどい拷問を受け、それ以来、聖マンゴ魔法疾患傷害病院に入院しているからでした。ネビルは、ホグワーツの戦いで、ヴォルデモートのヘビ、ナギニを殺します。それが闇の魔法使いが破滅に向かう大きな鍵になりました。その後、ネビルはホグワーツで薬草学を教えることになります。

マクミラン家 - アーニー・マクミランはハッフルパフ寮生で、三大魔法学校対抗試合の際には、セドリック・ディゴリーを応援します。ハリーと同級生で、ハリーたちとは何度も険悪な雰囲気になりますが、それでも良い友達です。

マルフォイ家 - 長く続いた支配力は、ドラコ・マルフォイとドラコの両親、ルシウスとナルシッサの世代で終わりを迎えるかもしれません。マルフォイ親子は、ホフワーツの戦いでは、最後までヴォルデモート側で戦っていました。純血の魔法使いドラコは、アステリア・グリーングラスと結婚し、スコーピウスという息子が誕生します。

ノット家 - 痩せて背の高いセオドール・ノットはホグワーツでハリーと同級生でした。セオドールの父は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でヴォルデモート卿の復活の際に招集された死喰い人のひとり。また、早い時期から死喰い人として採用されていました。カンタンケラス・ノットは、「純血一族一覧」の著者だと考えられています。

オリバンダー家 - 紀元前382年から、素晴らしい杖職人の家系として知られるオリバンダー家は、最も古い魔法族だと言われています。

パーキンソン家 - ドラコ・マルフォイと昔付き合っていたパンジー・パーキンソンは、いかつい顔のスリザリン寮生。

プルウェット家 - ハリーは、ギデオン・プルウェットとフェービアン・プルウェット兄弟(モリー・ウィーズリーの兄弟)が第一次魔法戦争で活躍しますが、死喰い人に殺されたことを知ります。アントニン・ドロホフはふたりを殺害したことで有罪となっていますが、プルウェット兄弟の殺害には5人の死喰い人が関わったと言われています。

ロジエール家 - エバン・ロジエールはヴォルデモートが消滅する前に殺されています。

ロウル家 - ソーフィン・ロウルは、大柄でブロンドの死喰い人だと説明されていました。『ハリー・ポッターと死の秘宝』のなかで、ハリー、ロン、ハーマイオニーがロンドンの中心部に逃げてきたとき、ヴォルデモートとの間で問題を起こしたと言われていました。

セルウィン家 - ドローレス・アンブリッジは、自分がセルウィン家の血筋だと主張していましたが、それが真実かどうかは明らかになっていません。セルウィンという名前の死喰い人は、ルーナ・ラブグッドの誘拐に関わりますが、「ハリー・ポッター」シリーズでは、ほとんど登場しません。

シャックルボルト家 - キングズリー・シャックルボルトは、魔法界最強の闇祓いのひとりです。第二次魔法戦争の際には、イギリスのマグルの首相の護衛に抜擢されています。その後、魔法大臣を務めます。

シャフィク家 - 「ハリー・ポッター」シリーズには、シャフィク家の一族は登場しません。

スラグホーン家 - 魔法薬学の教授で、元スリザリン寮監のホラス・スラグホーンは、優秀な生徒を集め、交流する「スラグクラブ」を主催しています。

トラバース家 - アズカバンを脱獄した死喰い人のひとり。ヴォルデモートがマッキノン一家を滅ぼした際に手助けをしたことで有名な一家です。

ウィーズリー家 - ビル、チャリー、パーシー、フレッド、ジョージ、ロン、ジニーは、ウィーズリー家の末裔です。ウィーズリー家からは、「名前を呼んではいけないあの人」との戦いのなかでたくさんの犠牲者がでましたが、それでも、その後何代にもわたって続いていきます。モリーとアーサーは、多くの孫に恵まれます。そのなかには、ロンとハーマイオニーの子ども、ローズとヒューゴ、それからハリーとジニーの3人の子どもたち――ジェームズとアルバス、リリーもいます。

ヤックスリー家 - 「ハリー・ポッター」シリーズに登場するヤックスリー家の人物は卑劣な死喰い人のひとりです。

ポッター家が「聖28一族」に選ばれなかった理由
ポッターという名字は、マグルに多いと言われています。ハリーの一族が純血一族のリストに載らなかった理由を、J.K.ローリングはこんなふうに語っています。「最も信頼のおけるリストと言われている『純血一族一覧』を匿名で編集した人物は、ポッター家をさかのぼると汚れた血を持った人物がいるのではないか、と疑っていたのよ」

CREDIT:COURTESY OF POTTERMORE
出典:POTTERMORE
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