色鮮やかな映像とユーモアにあふれた作品で観客を魅了してきたペドロ・アルモドバル。アカデミー賞®外国語映画賞に輝いた『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、アカデミー賞®脚本賞を受賞した『トーク・トゥ・ハー』(02)をはじめ映画界に偉大な足跡を残し続ける名匠が贈る最新作は、病に侵され安楽死を望む女性と彼女に寄り添う親友の最期の数日間を描く物語。75歳を超え円熟味を増したアルモドバルが、独自の感性溢れるカラフルな世界観で人生最期のかけがえのない日々を描いた最高傑作が誕生した。
本作の主演は、ウェス・アンダーソン監督作やジム・ジャームッシュ監督作の常連として知られ、『フィクサー』(07)でアカデミー助演女優賞®に輝いた女優、ティルダ・スウィントン。共演には、『アリスのままで』(14)でのアカデミー主演女優賞®に加え、世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞したジュリアン・ムーア。ふたりのオスカー女優が親友同士を演じ、繊細で美しい友情を体現する。
その日、あなたが隣にいてくれたならー
重い病に侵されたマーサ(ティルダ・スウィントン)は、かつての親友イングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会し、会っていない時間を埋めるように病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時に隣の部屋にいてほしいとイングリッドに頼む。悩んだ末に彼女の最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。そして、マーサは「ドアを開けて寝るけれど もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいないー」と告げ、最期の時を迎える彼女との短い数日間が始まるのだった。
■監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
■原作:シーグリッド・ヌーネス「What Are You Going Through」
■出演:ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ、アレッサンドロ・ニボラ