1940年第2次世界大戦中のアメリカ。ヒトラー率いるナチスがヨーロッパで勢力を拡大するなか、反ユダヤ主義で親ヒトラー派の英雄的飛行士チャールズ・リンドバーグが大統領選で現職のルーズベルトを破り新しい大統領となる。
リンドバーグ政権によって扇動される憎悪と差別はやがて、物語の主人公となるユダヤ系家族のレヴィン家の人々にも暗い影を落としていく…。
現代アメリカ文学を代表する作家フィリップ・ロスの同名の歴史改変小説をHBOがウィノナ・ライダーを始めとする実力派キャストでドラマ化。
ニュージャージー州ニューアーク。ユダヤ人の保険外交員ハーマンは、昇進が近いと信じて隣町への引越しを視野に家族を下見に連れて行くが、妻ベスは住み慣れたユダヤ人街を離れることへの不安を隠さない。そんな中、秋の大統領選に立候補した反ユダヤ主義の英雄的飛行士リンドバーグの演説を聞いたユダヤ人街の住民に不安が広がる。一方、失恋したばかりのベスの姉エヴリンに新たな出会いが訪れる。
リンドバーグ候補の人気が全米で広がり、ニューアークのユダヤ人街には不安が広がる。そんな中、ユダヤ教の聖職者ラビでありながら反ユダヤ主義のリンドバーグ支持を表明したベンゲルズドーフは、エヴリンにある提案をする。毎晩政治の議論が激しく交わされるレヴィン家では、ハーマンと衝突してばかりの甥アルヴィンがある決断を下す。
リンドバーグが大統領になるや、レヴィン家の周囲ではカナダに移住する家族が出始める。新政権のプログラムに参加し、ケンタッキー州でファームステイしないかと叔母エヴリンに勧められたレヴィン家の長男サンディはそれに乗り気だったが、話を聞いたハーマンはユダヤ人家族の結束を崩そうとする大統領の企みだと猛反対する。そんな中、レヴィン家は首都ワシントンへ家族旅行に出かけるが…。
ファームステイから帰ったサンディは、ボランティアプログラム「庶民団」の“顔”に抜擢され、体験談を語って勧誘活動に励んでいた。そんな中、エヴリンはナチスドイツの外務大臣を国賓として招くホワイトハウスでの晩餐会に、ラビと共に招かれるが、この会にサンディを連れて行こうとしたことでハーマンとベスは激怒。一方、右脚を失くして帰宅したアルヴィンは、叔父モンティのもとで働き始める。
都市部のユダヤ人を郊外に拡散させる狙いのリンドバーグ政権の政策により、レヴィン家はケンタッキーに転勤を強いられることに。ラビとエヴリンの仕業と見たベスはラビに懇願へ、そしてまだ幼い次男のフィリップが1人でエブリンの元を訪ねる。そんな中、ハーマンらユダヤ人が毎晩聴いているラジオの過激派ホスト、ウィンチェルが次期大統領選に出馬を表明する。
ウィンチェルの大統領選への立候補がユダヤ人襲撃に拍車をかけ、全米各地に暴動が広がる。暴動を終息させようと自分が操縦する飛行機で南部に向かった大統領のリンドバーグは、その帰路で突如消息を断ってしまう。さらにその消息を巡って、ある陰謀説がささやかれ始める。