ご存知でしょうが、ホグワーツは生徒たちを4つの寮に分けます。しかし、どの生徒も「帽子」が落ちるほど早く寮が決まるわけではありません。
わなわなと恐怖で震えているピカピカの新入生たちを組分ける際、組分け帽子はその生徒の頭のなかから読み取れる複数の資質をもとに寮を判断します。もう分かりきっているかと思いますが、念のため説明しておくと、グリフィンドールに組分けられる生徒は勇敢であり、レイブンクローは賢さを持ち、ハッフルパフは親切で、そしてスリザリンは(実はイメージと違って)巧妙で才覚があるとされています。
しかし、実際には生徒たちはそんなに分かりやすく白黒つけられるものではありません...。
生徒によっては、この寮しかないと思われるほど、分かりやすい人はいます――それこそ、ドラコがハッフルパフに組分けられる姿を想像できますか?その通り。彼がスリザリン以外の寮に入ったら、大混乱になることでしょう。
その一方で、ハーマイオニーのような生徒もいます。ハーマイオニーは勇敢でしたが、同時にとても頭も良かったので、恐らく紙一重の差でレイブンクローでなくグリフィンドールに入れられたのだろうと想像できます。そのため、組分け帽子が彼女を組分けるのに、なんと4分もかかったというのも不思議ではありません。ちなみに、生徒を組分けるのに5分以上かかることを「ハットストール(組分け困難者)」と呼びます。ハーマイオニーは、ハットストールになる寸前でしたね。
ネビルも似たような状況にありました。最終的にはグリフィンドールに組分けられましたが、彼は、しばしばハッフルパフ生らしい特性を見せていました。彼の優しいところはハッフルパフ生そのものといえます。加えて、ネビル自身もハッフルパフに入れることを検討してほしい、と言ったほどだったので、このときも組分け帽子はハットストールを起こしそうになりました。ホグワーツ在学中は長いこと、おとなしく忘れっぽい生徒として知られたネビルでしたが、最終学年のとき、彼がグリフィンドールに組分けられて正しかったということが証明されます。なにしろ、ホグワーツの戦いでグリフィンドールの剣を使って蛇のナギニを倒したのですからね。この行動は、これ以上ないくらいグリフィンドール生らしいといえるでしょう。
とはいえ、やはりネビルのなかにはハッフルパフらしさがずっと残っていたともいえます。彼は最終的には薬草学の教授になるのです。――それは、かつてハッフルパフの寮監であったスプラウト先生の後任として―また、彼はハッフルパフ生のハンナ・アボットと結婚します。そのため、確かにネビルはハリー・ポッターシリーズのなかでとりわけ勇敢な登場人物ではあったものの、彼は常に黄色い性格が見え隠れしていたといえます。
信じられないくらい大量の知識が備わっているからといって、組分け帽子がすぐに指を鳴らして(もちろん、指があった場合の表現ですが)すぐに生徒の所属する寮を決められるわけではありません。ミネルバ・マクゴナガルを組分けた際は、グリフィンドールとレイブンクローで悩み、決断するのになんと5分半も要しました――それほど、彼女の勇敢さと知性の高さはどちらも素晴らしいものだったのです。
ホグワーツ1年目の生徒たちが入学し、組分けられるときの年齢は11歳です。このとき、気高い勇敢さがあったわけではないピーター・ペティグリューは、グリフィンドールに組分けられました。そしてみなさんご存知の通り、ペティグリューは年を重ねるにつれ闇の帝王にのめりこんでいき、最終的にはリリーとジェームズ・ポッターを裏切るのです。これまた、勇敢さが感じられない行為です。組分け帽子は、自分の判断が間違っていたことを頑なに拒むことで有名ではありますが、入学して数年経過した場合でも、はたしてペティグリューをグリフィンドールに組分けていたのでしょうか?
ウィーズリー家はたいてい、グリフィンドールに組分けられることで有名でした。そして実際に、この赤髪一家のほとんどの人は騎士道精神にあふれていました。しかし、パーシー・ウィーズリーがグリフィンドールの「赤と金色らしさ」を見せるまでには、かなり時間がかかりました。ハリーがパーシーに会って間もないころ、パーシーはしばしば本を読みふけっていました。これは、非常にレイブンクロー生らしい資質です。また、彼は非常に野心的であることでも知られていました。これはどちらかというとスリザリン生らしい資質です。そしてその一面は、彼が魔法省に就職し、家族と疎遠になってから一層強く出るようになったのでした。
しかしながら、ホグワーツの戦いで最終的にパーシーのグリフィンドール色は無事に戻りました。パーシーはこの戦いにおいて、魔法大臣であったパイアス・シックネスに呪文をかけ、その後すぐに魔法省へ辞表を叩きつけました。実にグリフィンドール生らしい行動です。
もちろん、運命づけられていると思われる寮があったとしても、それは組分けの一部でしかありません。例えばハリーは、ホグワーツの門にたどり着く前にすでにスリザリンについて悪い噂を大量に聞いていました。そのため、組分け帽子にスリザリンだけはやめてほしいと心からお願いしていましたね。ネビルもかわいそうに、おどおどしながらも自分はグリフィンドール生になるにふさわしいと何度も信じようとしていました。
最終的に、組分け帽子はハリーの意見を聞き入れ、彼をグリフィンドールに入れました。このように、自分の希望でも入る寮は変わるのだということを、のちにハリーは自分の息子、アルバス・セブルス・ポッターにも言い聞かせています。
このことから、ダンブルドアの言っていたことは正しかったといえますね。「ハリー、自分がほんとうに何者かを示すのは、持っている能力ではなく、自分がどのような選択をするかということなんじゃよ」
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