正しく、誠実で、努力を惜しまないハッフルパフ。ですが、それだけがハッフルパフではありません。ハッフルパフ生の、あまり知られていない一面を見てみましょう。

常に相手に従うわけではない

ハッフルパフは過小評価されがちで、相手の言いなりになるというイメージがあります。確かに、ハッフルパフ生は４寮のなかで最も寛容という評判ですが、決して意志が弱いということではありません。それを間違いだと証明した魔法使いや魔女は、数多くいるのです。例えばニンファドーラ・トンクスは、相手の言いなりになりません。リーマス・ルーピンとの関係は、その完璧な例でしょう。身を守るためには一緒にいるべきではないというルーピンの考えに反対し、彼女は、最終的には彼を納得させました。また、ジャスティン・フィンチ‐フレッチリーとアーニー・マクミランも、頑固そうなハッフルパフ生でした。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の決闘クラブで起きたヘビ事件の後、ハリーがスリザリンの継承者ではないことを彼らに説得するのは非常に困難なものでした。寛容なハッフルパフに所属していても、簡単に相手に従うわけではないのです。

勇敢である

勇敢さはハッフルパフの主な特徴として挙げられていませんが、だからといって、彼らは正義のために立ち上がる勇気がないというわけではありません。ホグワーツの戦いでの彼らを振り返ってみましょう。多くのハッフルパフ生が、その場にとどまり戦いました。ハッフルパフより志願兵が多かったのは、グリフィンドールただひとつです。戦いの前は、グリフィンドールに次いで、すばやく立ち上がり、ハリーをスリザリンから守りました。そして勇敢といえば、セドリック・ディゴリーを語らずにはいられません。彼は学校の代表として、三大魔法学校対抗試合への出場に立候補しました。過酷かつ困難で、恐怖さえも伴う大会です。度胸がなければ、卵を守る恐ろしいドラゴンに立ち向かうことは到底できないでしょう。例外はあるにしても、ハッフルパフには勇敢な生徒はきっとたくさんいます。

縁の下の力持ちとは限らない

セドリック・ディゴリーは監督生でありクィディッチのスターであり、それと同時にみんなの憧れであり、かつ三大魔法学校対抗試合の代表であり、それでもってハッフルパフでした。彼は裏へ回るのではなく立派なロールモデルとなって、ハッフルパフへの偏見に立ち向かいました。ハッフルパフは勤勉な集団で、目立つことを好まず、注目を浴びたり偉業を成し遂げたりすることは望んでいないと多くの人が思っているようですが、セドリックが示したように、それは大きな誤解です。また、偏見に立ち向かったのは、彼だけではありません。多くのハッフルパフ生が立派に活躍しています。そのなかには、この寮の創設者であるヘルガ・ハッフルパフも。彼女の偉業はハッフルパフのすべてを物語っており、その名は歴史に刻まれています。考えてみれば、常に最善を尽くす寮の生徒が偉業を成し遂げるのは、不思議ではありませんね。

冒険が好き

刺激や冒険といえばグリフィンドールが連想されがちですが、他の寮の魔女や魔法使いにはその特徴がまったくないというわけではありません。ニュート・スキャマンダーを見れば、それは一目瞭然でしょう。彼は奇妙で美しく、ときに危険な魔法生物を探して世界を旅したハッフルパフ生でした。また、何度も突拍子もない行動をしていました。ニューヨークでは、逃げ出した魔法動物たちをすべて集めることになっただけでなく、アメリカ合衆国魔法議会（MACUSA）から大胆に逃走し、闇の魔法使いグリンデルバルドと対峙することになったのです。さらに、アルバス・ダンブルドアからの依頼で、（海外渡航を禁止されていたにもかかわらず）リスクを承知のうえでクリーデンスを追うためにパリへ向かいました。ニュートのような性格から判断すれば、冒険好きで、探究心に駆られ、未知のものを発見したいという欲求があるという者も、ハッフルパフ生です。

平凡でも退屈でもない

ハッフルパフの特徴は４つの寮のなかで極めて地味だと、多くの人が言うことでしょう。グリフィンドールは大胆さ、スリザリンは狡猾さ、レイブンクローは賢さでよく知られているのに対し、ハッフルパフの勤勉であるという特徴は、少し地味にとらえられているようです。しかし、それは思い込みにすぎません。ニンファドーラ・トンクスはパンクな格好の優れた闇祓いで、七変化ゆえに自由に姿を変えられます。これ以上に刺激的なことはありません。他の寮と比べて派手でないように思えたとしても、決して地味なわけではないのです。彼らは気取ったり、注目を集めようとしたりしていないだけです。忠実で信頼できるこの集団が過小評価されるとしたら、それは他の寮のせいでしょう。

他の寮と同様に賢い

残念ながら、ハッフルパフには４寮のなかで最も賢くないという評判があります。しかし少し考えてみれば、それが本当ではないと分かるでしょう。ハッフルパフの寮監であるスプラウト先生は、魔法動植物に関して膨大な知識を持つ非常に優秀な魔女でした。彼女が知らない植物や菌類は、あまり知る価値がないものです。また、グローガン・スタンプは群を抜いて人気があった魔法大臣の一人で、ハッフルパフでした。彼は、魔法ゲーム・スポーツ部を設立しました。13世紀の有名な数占い師、ブリジット・ウェンロックもハッフルパフでした。数字の７が持つ魔法的特性を発見した人物です。この発見には、間違いなく頭脳が必要でしょう。ハグリッドはハッフルパフを「劣等生が多い」と言いましたが、多くのハッフルパフ生がそれを間違いだと証明しています。