マルフォイとハリーの5つの共通点

マルフォイとハリーはお互いを嫌い合っていました。しかし、ふたりは自分たちが思っている以上に共通点が多いのです。
今回は「ハリー・ポッター」シリーズを通して描かれた、マルフォイとハリーの印象的な共通点について紹介します。

1. 有名な家に生まれたこと

ハリーとマルフォイがホグワーツに入学する頃には、すでにポッター家もマルフォイ家もよく知られていました。ヴォルデモート卿の手にかかって死んでしまうずっと前、ジェームズ・ポッターはクィディッチのスター選手、リリーは名高いスラグ・クラブのメンバーでした。

ルシウス・マルフォイの名前は魔法省で知れ渡っており(そして恐れられていました)、妻のナルシッサは「高貴なる貴族ことブラック家」の出身です。
良くも悪くも、ふたりには大きな期待が寄せられていました。

ハリーとマルフォイには家族へ誇りがありました。だからふたりとも自分の家族の名誉を守るためによくケンカになっていたのです。
お互いの悪口を言うのを5分でもやめていたら、もしかすると、ふたりとも実は似たような非常に大きな期待に葛藤していたと気づき、分かり合えたかもしれません。

2. それぞれの寮の特徴を表すような性格

望みはあっという間にかなった。帽子はマルフォイの頭にふれるかふれないうちに「スリザリン!」と叫んだ。
「ハリー・ポッターと賢者の石」

スリザリンだけは嫌だと願っていたハリーは、グリフィンドールに組分けされてほっとしていました。ふたりの性格がそれぞれの寮の特徴通りに、ハリーの意思は固く、マルフォイは同じくらいずる賢く、家柄や、家族の人脈、お金が自分に有利に働くのなら迷わずそれらを利用することでしょう。ハリーは「選ばれし者」として有名になったことで権力と影響力を得ましたが、それを使おうとはしませんでした。

このエピソードから、自分の実力で成功しようとするグリフィンドール寮生に対し、スリザリン寮生はそんなのは労力の無駄だと思っていることが分かります。どちらかが正しく、どちらかが間違っているわけではありません ― ふたりは考え方が全く違うのです。ハリーとマルフォイが仲良くなれない大きな理由のひとつですね。

3. シーカーであること

「父は僕が寮の代表選手に選ばれなかったらそれこそ犯罪だって言うんだ。僕もそう思うね。」
「ハリー・ポッターと賢者の石」

ハリーもマルフォイもクィディッチが好きなことは言うまでもありませんが、試合中のふたりはよく似ています。どうしても寮の代表になりたいマルフォイの願いを叶えるために、父親のルシウスはスリザリンチーム全員にニンバス2001を買い与えました。

ハリーが初めて箒に乗った日、クィディッチ選手としての素晴らしい才能に恵まれていることが分かり(その事件が起きたのは、マルフォイがネビルの「思い出し玉」を盗んだおかげです)、グリフィンドール代表選手に選ばれました。

普通なら、互いに同じスポーツが好きなことが分かれば、友情が生まれそうなものですが、ハリーとマルフォイには新たな争いの種が生まれました。グリフィンドールとスリザリンのシーカーは、金のスニッチよりもお互いの姿を探すことに時間を費やしていたのかもしれませんね。

4.ヴォルデモートとの厄介な関係

ふたりの対立関係は、クィディッチの試合に垣間見えるよりも、さらに根深く敵意に満ちていました。第一次魔法戦争でポッター家は不死鳥の騎士団に参加し、ルシウス・マルフォイは死喰い人としてヴォルデモートに仕えました。

ハリーと闇の帝王の関係は疑う余地もありませんが(ハリーの額の傷をみても明らかです)、マルフォイは死喰い人になりヴォルデモートとより強くつながっていきます。父親のルシウスがアズカバンに投獄され、自分の命が危険にさらされると、マルフォイはプレッシャーと孤独を感じるようになります。ハリーも同じようなプレッシャーと孤独に何度も苦しんできました。例えば、スリザリンの後継者として間違われたときを思い出してください。(そういえば、マルフォイもスリザリンの後継者だと思われていましたね!)

ヴォルデモートとの望まないつながりによって、ハリーがマルフォイの体験していることを理解できる数少ない人物のひとりになりえたと考えてみると面白いですよね。
ですがもちろん、マルフォイにとってハリーは、世界中で一番悩みを打ち明けたくない人物です。

5. 全く違う経緯でお金に恵まれていること

ダイアゴン横丁でマルフォイとハリーが初めて会ったとき、ふたりともたくさんお金を持っていました。しかし、ふたりは真逆の環境で育ちました。マルフォイ家は散々甘やかしてマルフォイを育てたようですが、ダーズリー家はハリーのことをまるで腐った物かのように扱いました。そのため、グリンゴッツの金庫に保管されている自分たちの財産について、ふたりの考えはまるで違っていました。

「ポッター君。そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのとがわかってくるよ。間違ったのとは付き合わないことだね。そのへんは僕が教えてあげよう」
男の子はハリーに手を差し出して握手を求めたが、ハリーは応じなかった。
「間違ったのかどうかを見分けるのは自分でもできると思うよ。どうもご親切さま」 ハリーは冷たく言った。
「ハリー・ポッターと賢者の石」

マルフォイはよく、自分の家が裕福なことをひけらかしていますが、ハリーは虐げられ、貧しい暮らしをしていたことを決して忘れず、貧しい者にとても思いやりのある態度で接しています。ホグワーツ特急でたくさんお菓子を買いこんだハリーが最初にしたことは、新しくできた友だちのロンに分けてあげることでした。一方で、マルフォイはロンを貧乏だとばかにしていました。もしかすると、マルフォイ家が息子を甘やかさず、他人を見下すようなことをしない子に育てていたら、マルフォイとハリーは友だちになっていたかもしれませんね。

CREDIT:COURTESY OF POTTERMORE
出典:POTTERMORE
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