パーシー・ウィーズリーのように偉そうな監督生にも恋人ができるのです―この事実にウィーズリー家の兄弟たちは驚いていました。
パーシーがクィディッチにも行かず、忙しいからと自分の部屋に閉じこもるようになると、兄弟たちは様子がおかしいと気付き始めます。「あいつらしくないんだ。君が到着する前の日に、統一試験の結果が着いたんだけど、なんと、パーシーは十二学科とも全部パスして、『十二ふくろう』だったのに、にこりともしないんだぜ」フレッドがハリーにこんなふうに言っていました。
ついにパーシーの不可解な行動の理由が分かります!それは―彼女ができたこと―。その相手は、レイブンクロー寮の監督生、ペネロピー・クリアウォーターでした。お似合いのふたりですよね。その秘密を最初に知ったのはジニーでした。だれもいない教室でふたりがキスをしているところに、何も知らないジニーが入ってしまいます。フレッドは、パーシーとペネロピーが付き合っていることを知ったとき、びっくりしてジョージの頭に本の山を落としてしまいました。
一目ぼれは十代のころにはよくあることで、死んでいるからといって例外ではありません。ホグワーツの生徒だったマートル・エリザベス・ワレンは、初めて秘密の部屋が開いたときにバジリスクに襲われ、殺されました。それからというもの、自分が死んだトイレにゴーストとして住みついています。
―そして、ある日ハリーを好きになるのでした。
ハリーとロンが秘密の部屋から出てきたとき、マートルは生きているハリーを見て、少し残念そうな顔をします。実はマートルは、そのときすでに、ハリーが死んだ後の計画を考えていました。それはマートルのこの台詞から分かります。「あぁ......わたし、ちょうど考えてたの。もしあんたが死んだら、わたしのトイレに一緒に住んでもらったらうれしいって」
ふたりが監督生用の浴室で再会したとき、マートルはずいぶん長いこと会いにきてくれなかったじゃない、と文句を言っていました。
「いつかまた、わたしのトイレに来てくれる?」ハリーが透明マント取り上げると、「嘆きのマートル」が悲しげに言った。「ああ......できたらね」内心ハリーは、今度マートルのトイレに行くときは、城の中のほかのトイレが全部詰まったときだろうなと考えていた。
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
報われない片思いは、トイレの排水管に流れていきました。
真実の愛を見つけるまでの道のりは簡単ではありません。ハリーは四年生のときにそれを実感しました。レイブンクロー寮のクィディッチ・チームでシーカーを務めるチョウ・チャンを初めて見たとき「ハリーは緊張していたのに、チョウ・チャンがとてもかわいいことに気づかないわけにはいかなかった」ようです......。
結局、ハリーは勇気がなくて、クリスマス・ダンスパーティの当日までチョウをダンスに誘えませんでした。しかし、チョウはそのときすでに、セドリック・ディゴリーと行く約束をしていました。
ハリー、チョウ、セドリックの三角関係は、セドリックの死という悲劇的な結末を迎えます。それでも、チョウとハリーが付き合うことはありませんでした。ふたりはバレンタインデーにホグズミードでデートをしますが、ハリーがこれからハーマイオニーと会うことを話すと、チョウは険しい表情になり帰ってしまいます。後になって、ハーマイオニーにそのときのチョウの気持ちを説明されたハリーは、ようやく自分の発言がいけなかったと気付くのでした。
ハリーとはうまくいかなかったチョウでしたが、その後、レイブンクローのマイケル・コーナー(ジニー・ウィーズリーの元恋人)と付き合い、最終的にはマグルの男性と結婚します。
勤勉で恋愛をしているイメージがあまりなかったハーマイオニーですが、クィディッチでブルガリア代表のスター選手、ビクトール・クラムとクリスマス・ダンスパーティにやってきたときは、誰もが、特にロンが、驚きました。ふたりは食事そっちのけで夢中で話し込んでいました。
三大魔法学校対抗試合の第二の課題でハーマイオニーは人質になりました。なぜなら、クラムにとって、人質に取られて最も動揺する人物がハーマイオニーだったからです。クラムは、第二の課題でハーマイオニーを助けると、夏の間、自分のところに遊びにこないかと誘いました。それほど、彼女に夢中だったのですね。
クラムたちダームストラング専門学校の生徒が国に帰ってからも、ふたりは文通を続け、ロンをやきもきさせました。ジニー・ウィーズリーが言うには、ハーマイオニーはクラムと絶対にキスをしているそうです。
兄というものは、妹に初めての恋人ができると気に入らないものですが、ロンだって例外ではありませんでした。ハーマイオニーがいつもの会話の中で、何気なくジニーがマイケル・コーナーと付き合っていることを話すと、ロンは怒って「気に食わないやつだ」と間髪入れずに言いました。多くの学生時代の恋愛がそうであるように、ジニーとマイケルも長くは続きませんでした。レイブンクロー寮生だったマイケルは、クィディッチでグリフィンドールに負けたとき、不機嫌になり、それが原因でジニーに振られてしまいます。
しかし、ジニーはマイケルと別れてしばらくして、ディーン・トーマスと付き合い始めます。「ディーンとジニーが固く抱き合って、糊づけされたように激しくキスをしている姿を目撃してしまった」とき、ロンは震えあがりました。
ジニーの新しい恋人が気に食わなかったのはロンだけではありませんでした。ハリーは(自覚していなかったかもしれませんが)激しい嫉妬がこみ上げ「頭にカッと血が上り、思慮分別が吹き飛んで、ディーンに呪いをかけてぐにゃぐにゃのゼリーの塊にしてやりたいという野蛮な衝動で一杯になった」のでした。
ジニーはハリーの気持ちに気付いてディーンと別れ、ようやくハリーと結ばれました。
六年生が始まった頃、ラベンダー・ブラウンがロンのことを好きになります。ロンがキーパーとして初めて出場したクィディッチの試合でグリフィンドールが勝利し、祝賀パーティが開かれます。遅れてパーティに参加したハリーはロンが「ラベンダー・ブラウンと、どの手がどちらの手かわからないほど密接に絡み合って立って」いる姿を目にします。
付き合い始めたふたりはそれから数週間、一緒にいるときはずっとキスをしているのではないかと思えるほどいちゃついていました。それを見たハーマイオニーは怒りに燃え、傷つきました。六年生が終わる頃、ロンとラベンダーに別れが訪れます。理由は、ラベンダーがロンとハーマイオニーの友情に嫉妬したからでした。別れて目を赤く腫らしたラベンダーとは対照的に、ロンはほっとしていました。"ウォン・ウォン"はなんて残酷なんでしょう。
CREDIT: COURTESY OF POTTERMORE
出典:POTTERMORE
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