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この、勇敢な屋敷しもべ妖精に、ほんの少し頭を悩まされることもありました。ダーズリー家のキッチンをケーキまみれにしたり、ハリー宛てにきた手紙を隠したり、ドビーのせいで危うく退学にされそうになったり。だからといって、ドビーがハリーにとって素晴らしい友だちではなかったとは到底言えません。
ケーキをめちゃくちゃにしたり、ランプに頭を何度もぶつけたりしたことは簡単には忘れられませんが、今回はドビーから、良き友になるための教訓を学びたいと思います。
魔法界で最も勇敢な屋敷しもべ妖精は、友情についてどんなことを教えてくれるのでしょうか。
友だちの考えに賛成し、応援してあげるのはとても良いことです。しかし、その友だちがやりたい事と、すべき事が違っている時もあります。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で、ハリーをホグワーツに行かせないためにドビーがとった行動は、素晴らしいアイデアとは言えないかもしれません（この記事の始めに触れたケーキの事件を思い出してください）。ですが、その行動にはちゃんと理由があったのです。
ハリーは学校に戻りたがっていましたが、ドビーはホグワーツがどれほど危険な場所かを、そしてたとえ惨めな思いをしてでも、ダーズリー家にいる方が安全だと知っていたのでした。ハリーをダーズリー家に留めておくには、意志を強く持って嫌われるようなこともしなければならないと分かっていました。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
相手を助けるためなら、なんでもするのが良い友だちです。例えば、朝の4時まで最悪のデートの話を聞いてあげたり、空港に迎えに行ったり、先生が隠し持っている鰓昆布を盗んで、友だちが水中で呼吸できるようにしてあげたり。えっ？わたしたちだけですか？
ドビーは、（偽物の）"マッド-アイ"・ムーディが鰓昆布の話をしているのを聞いて、大急ぎでスネイプの研究室に忍び込み、鰓昆布を盗みました。そのおかげで、ハリーは三大魔法学校対抗試合の第二の課題を通過することができました。盗んでいるところを捕まれば、主人からクビを言い渡されることは分かっていたはずです。
友だちのために何かを盗むことを勧めているわけではありませんが、言いたいことはわかりますよね。ドビーは、良き友でいるためには、どんなことでもするのです。
学校のいじめっ子から友だちの名誉を守ったり、友だちを悲しませる恋人に文句を言いに行ったり、友だちのために立ち上がることは簡単なことではありません。
ドビーはハリーを守ろうという一心で、主従関係から解放されてすぐに、あの恐ろしいルシウス・マルフォイに立ち向かっていきました。
自分よりはるかに背の高い魔法使いに魔法をかけるなんて、絶対に怖かったはずです。しかし、ドビーは自分が持っている力を全て使って、ハリーを傷つけるルシウスを止めようとしました。
ドビーが秘密を守れないことはよく知られていますが、友だちが恥ずかしい思いをしないようにいつフォローすればいいか、ちゃんと分かっているのです。
屋敷しもべ妖精の仲間、ウィンキーがバーテミウス・クラウチ・シニアに解雇されたショックから、ホグワーツでバタービール浸りになっていました。ドビーは飲みすぎたウィンキーを「必要の部屋」に移動させたり、元気が出るように励ましたりしていました。
わたしたちもドビーを見習って、友だちがナイトクラブで酔いつぶれている写真をFacebookにアップしないようにするべきですね。
誰もが友だちに傷ついてほしくないと思っているでしょう。しかし、ドビーは自分の身を危険にさらしてでも、友だちを守りたいと思っています。『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、ドビーはベラトリックス・レストレンジとハリーの間に立ってこう言いました。「ドビーはハリー・ポッターとその友達を助けに来た！」
そのゆるぎない愛は、ドビー自身の悲惨な死を招くことになりましたが、最後まで、どんなときでも友だちの味方でした。
それでは、今回はこのくらいで失礼して、ちょっと泣いてきます。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
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