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    ドラコ・マルフォイが典型的な悪役ではない理由

    私たちが出会った頃のドラコは傲慢で、偏見を持っていて、ハーマイオニーや他の生徒にとてもいじわるでした。しかし、根っからの悪人というわけではありませんでした。


    『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

    今回、ドラコ・マルフォイに注目する中で、彼は間違いなくひどいやつですが、悪人ではないということを明らかにしていきたいと思います。

    家族の影響

    ドラコは、自分の両親、特に父親の影響を受けていることは明らかです。その証拠に、ドラコはよく、「父上は......」というフレーズから話を始めていました。

    残念ながら、ルシウス・マルフォイの社会に対する考えはひどく偏見に満ちたものでした。その考えは、必然的に息子に受け継がれてしまいました。父親のルシウスは、半純血やマグル生まれの魔法使いは、純血の魔法使いより劣っていると信じていて、その信念は疑いもなく、ドラコに叩き込まれたのでした。

    ドラコにとって、父親のルシウスがどれほど無敵で揺るぎない存在だったか、考えてみてください。裕福で、大きな影響力があり、魔法省と強いつながりがある人物。そんなルシウスが「穢れた血」は劣っている、と言えば、事実だと思ってしまうのかもしれません。

    ルシウスは、ドラコにとても厳しく接することもありました。まあそれでも、ドラコは何ひとつ不自由のない生活をしていましたが、「ハリー・ポッターと死の秘宝」の「マルフォイの館」の章には、ルシウスが息子にプレッシャーをかけていることに、時折、うしろめたさを感じている様子が描かれています。ドラコの望みが、ただ父親に認めてもらいたいだけだと気づくと、彼に同情してしまいますよね。


    『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

    ハリーとの対立......

    忘れがちですが、実は、ドラコはハリーと友だちになろうとしていたこともありました。マルフォイ家の人々は、ハリーが赤ちゃんの頃、ゴドリックの谷で死の呪いをかけられても生き残った理由は、もしかすると、ハリーも強い力を持った闇の魔法使いだからかもしれない、と考えていたのです。

    ドラコから、自分の仲間になるように、と少し攻撃的な態度で言われたハリーは、その申し出を断ります。その代わりにドラコが絶対に仲良くなることのない二人の人物と友だちになりました。家は貧しくても幸せそうなロン・ウィーズリーと、マグル生まれのハーマイオニー・グレンジャーです。

    ハリーとドラコの対立はその瞬間から生まれ、ドラコの両親がけしかけたことによって、ふたりはさらに敵対するようになります。ハリーが、クィディッチでグリフィンドールチームの最年少シーカーに選ばれると、ルシウスはスリザリンチームの全員に新しい箒を買い、それと引き換えに自分の息子もシーカーにさせたのでした。ルシウスは、ハリーが何をしたとしても、ドラコのほうがもっとうまくできると思っていたようです。


    『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2

    本当の性格......

    ドラコの本当の性格が分かり始めるのは、ダンブルドアを殺すことを命令されたときです。いつも強気に振舞っていたドラコですが、脆さが見え始めます。結局、その任務を遂行することはできませんでした。

    その任務はドラコには「大きな名誉」と伝えられていましたが、よく考えると父親の失敗に対する罰のように思えました。それは、ドラコの母親、ナルシッサから見ても明らかでした。ドラコには、闇の帝王の命令を断ることはできませんし、父親を喜ばせる絶好のチャンスでした。平然とした態度を装っていたドラコでしたが、任務を遂行することを恐れていました。

    ドラコは、次第に具合が悪そうになっていき、いつもより顔色が青白く、明らかに眠れていないようでした。ハリーは、任務の重みに耐えきれなくなったドラコがトイレで泣いていることを知ります。ここまで見てしまうと、少しドラコに同情せずにはいられませんよね。最悪の状況にいるドラコには、何もできることはありませんでした。そして、彼には殺人は犯せませんでした。このエピソードから、若きドラコ・マルフォイについて、多くのことを知ることができます。


    『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

    ハリーを救おうとすることを選ぶ......

    ハリー、ハーマイオニー、ロンの三人がスナッチャーに捕まってマルフォイの館に連れて行かれたとき、マルフォイ家の人々は信じられないくらい喜んでいました。ヴォルデモートの期待に応えるチャンスが再び巡ってきたのです。

    しかし、ハーマイオニーがかけた蜂刺しの呪いのおかげで、ハリーの顔は元の形がほとんどわからないくらい腫れていました。そのため、本当にハリーかどうか確認するためにドラコが呼ばれました。ドラコにとっては、何年も敵対してきた相手についに仕返しをする最高のチャンスのように思えます。しかし、ドラコは乗り気ではありませんでした。これは単なる仕返しではなく、ハリーを死に追いやることだからです。

    ドラコは見間違いをすることを恐れたのかもしれませんが、つぎに起ころうとしていることに関わりたくなかったようにも思えます。ハリーのことを直視することもできないようでした。ハリーとドラコの何年にもわたる激しいライバル関係を振り返ると、この場面はドラコの素顔と彼の倫理観が垣間見えた瞬間でした。ドラコ・マルフォイがヴォルデモート卿からハリー・ポッターを救うなんて誰が予想できたでしょうか?


    『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

    性格はひどいけど、根は良い人......

    そういうわけで、ドラコは最高に良い人、とは言えないかもしれません。だって正直に考えてみましょう。偏見を持っていて、ばかげたことをしたり意地悪なときもあって......、まだまだ出てきそうですね。ですが、実はハリーもドラコに対しては時折同じような態度で接していたのです。ふたりは、お互いに最悪な態度をとっていました。

    しかし、ドラコが死喰い人の一員になることはありませんでした。父親の考えを刷り込まれて育てられたにも関わらず、心のどこかで、父親のような人生は嫌だ、という想いがありました。ホグワーツにいた頃、ハリーにたくさんひどいことをしていましたし、ハーマイオニーへの接し方は最悪でした。ドラコがそれまでやってきたひどいことを償うのは、曲がりくねった厳しい道を進むようなものです。しかし、スリザリン寮を象徴するヘビのようにくねくねした道を進むうちに、ドラコは自分の失敗から学んだのです。

    CREDIT: COURTESY OF POTTERMORE
    出典:POTTERMORE
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