本当の意味で最高の「死の秘宝」とは

3つの「死の秘宝」――透明マント、蘇りの石、ニワトコの杖――は、長年にわたって多くの魔法使いたちをとりこにしてきました。ですが、みなさんが一番心惹かれるのはどれでしょうか?


ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

「あなたの言うとおりだと思うわ」ハーマイオニーがロンに話しかけた。「単なる道徳話なのよ。どの贈り物がいちばんよいかは明白だわ。どれを選ぶべきかと言えば――」三人が同時に声を出した。ハーマイオニーは「マント」、ロンは「杖」、そしてハリーは「石」と言った。
「ハリー・ポッターと死の秘宝」

もし、自分がこの3つの秘宝からひとつを手に入れることができるなら、どれを選びますか?不思議な話ですが、ハリー、ロン、ハーマイオニーが、自分ならどれを選ぶか話していたとき、彼らは全員違うものを選んでいました。

みなさんはどう思いますか?もちろん好みはあると思いますが、それぞれを比べて、ここではひとつを選んでみましょう。真剣に考えると、意外に難しいと思いますよ。

透明マント


© JKR/Pottermore Ltd. ™ Warner Bros.

「死の秘宝」のひとつがハリーの冒険の序盤で登場していたと考えると、おもしろいですよね。実は、『ハリー・ポッターと賢者の石』で出てきていました。さらにおもしろいのが、魔法界で最も強力で貴重な魔法アイテムを使って、ハリーはただホグワーツをこそこそ歩きまわり騒ぎを起こしていたのです。

ハリーが父親から受け継いだ、この素晴らしい透明マントはポッター家に代々伝わってきました。最初の持ち主は、「吟遊詩人ビードルの物語」の題材になった三人兄弟の末っ子、イグノタス・ペベレルです。

ここでは透明マントが、最高の「死の秘宝」だと思う理由を挙げていきます。三人兄弟のうち、透明マントを選んだイグノタスは何年もの間『死』から隠れ、逃れることができました。一方で、上のふたりの兄弟たちには、不幸な死が訪れています。それに、思い出してください。もし、ハリーが透明マントを持っていなかったら、何度つかまっていたことでしょう。透明マントを選ぶのは、非常に妥当な選択です――どおりでハーマイオニーが選ぶわけですよね。さらに、この透明マントがあれば、日常生活でかなり便利なはずです。パーティーで会いたくない知り合いから隠れたり、幽霊のふりをして友だちにいたずらをしたり、他にもきっと役に立つと思います。

しかし、透明マントには注意すべき点もあります。もし、悪者の手に渡れば、犯罪を犯す最高の道具になってしまうでしょう。ちょっと考えてみてください。透明マントをかぶれば、絶対に捕まることはないのです。ですが、イグノタス・ペベレルのように賢い使い方をすれば、素晴らしい人生に導いてくれるかもしれません。最高じゃないですか?

蘇りの石


© JKR/Pottermore Ltd. ™ Warner Bros.

「どんな呪文をもってしても、死者を呼び覚ますことはできぬ」ダンブルドアがハリーに語っていました――しかし、この伝説的な石は、それに近いことができる力を持っています。「三人兄弟の物語」のなかで、蘇りの石は愛する者の魂を呼び戻すことができる、と言われています。しかし、それには犠牲が伴います。「三人兄弟の物語」では、次男がこの石を使って死んだ恋人の魂を呼び戻しました。彼女は、「冷たく悲しそう」で、完全にはこの世にはなじめずに苦しみました。結局、悲しみに暮れた次男は自ら命を絶ってしまいました。

ハリーが蘇りの石について知ったとき、この秘宝に最も魅了されたことは無理もありません。ハリーはそれまでの人生で、たくさんの人の死を経験しています。たとえ前と同じ姿で現れることはない、と言われたとしても、愛する者を呼び戻すことのできるアイテムに惹きつけられて当然です。もちろん、本を読んでいて、ハリーに共感する人はたくさんいるでしょう――しかし、呼び戻した友だちが本当の意味で幸せではないとしたら、この世に連れ戻す価値はあるのでしょうか?それとも短い時間でも戻ってきてくれたら、悲しみを癒すことができるのでしょうか?

やっと蘇りの石を見つけたとき、ハリーは両親とリーマス・ルーピン、シリウス・ブラックを呼び戻すために使いました。彼らの助けで、ハリーはヴォルデモートとの最後の闘いに向かうことになります。彼らに会えたからこそ、ヴォルデモートと対峙する勇気をもてたのではないでしょうか。

蘇りの石を選ぶことは、多くの人にとってものすごく苦しい選択かもしれません。しかし、世の中に最高の恩恵をもたらす力を持っていることも確かです。想像してみてください。過去の素晴らしい指導者たちを呼び戻してアドバイスを求めたり、ちゃんとお別れを言うために愛する人を蘇らせるのです。これより素敵な魔法があるでしょうか。

ニワトコの杖


ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

「死の秘宝」のうちのひとつが、ほかのふたつよりずっと優れていると言う人も多くいます――それは、ニワトコの杖と呼ばれています。伝説的なこの杖は、何世紀ものあいだに死の杖、宿命の杖などいくつもの呼び名がつけられてきましたが、結局、残った名前はひとつです。無敵に思えるこの杖は、多くの魔法使いを魅了し、残酷にも持ち主たちの命を奪いました――ゲラート・グリンデルバルドからヴォルデモート卿まで、大勢の強力な魔法使いの手に渡ってきました。もちろん、殺人を犯さなくてもニワトコの杖を手に入れることはできます――実際にアルバス・ダンブルドアは、有名な1945年の決闘で、グリンデルバルドから正々堂々と杖を勝ち取りましたし、ハリーはその当時の所有者、ドラコ・マルフォイを武装解除させて手に入れました。ヴォルデモートは、ニワトコの杖に取り憑かれて、破滅の道をたどりました。そこまで良いものではないですよね?

しかし、ニワトコの杖の力は果てしないように思えます――折れたハリーの杖を直せたこともそうですが、普通の杖にはできないことができるのです。しかし、強い力には大きな責任が伴います。当然ですよね。最後にハリーは、ニワトコの杖はその価値以上にはるかに厄介な存在だと気づきます。そのとおりです。ニワトコの杖を手にすれば、史上最強の魔法アイテムを手に入れたことになります――しかし、大勢の闇の魔法使いに毎日狙われることになるのです。この杖に、本当にそれほどの価値があるのでしょうか?

勝者は......

それは、あなた次第です。ですが、今回の記事をもとに考えると、わたしたちはハーマイオニーやイグノタス・ペベレルに賛成し、「透明マント」を選びたいと思います。他のふたつの秘宝はリスクが高すぎますが、透明マントは気軽に使うことができますよね。

この議論の続きを、友だちとしてみてください!友だちが何を選ぶかで、その人のことをもっと知ることができるはずです......。

CREDIT:COURTESY OF POTTERMORE
出典:POTTERMORE
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