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    杖の材料は?「ハリー・ポッター」シリーズに登場する杖から分かること

    魔法使いによって、使う杖が異なるのは、決して偶然ではありません。


    © JKR/Pottermore Ltd.™ Warner Bros.

    「ハリー・ポッター」シリーズでは、ほんの些細な部分にまで細かく意味がこめられています。民話やイギリスの木の性質、ギャリック・オリバンダーのメモから分かるように、杖は持ち主の性格や運命を反映しています。

    「杖は持ち主の魔法使いを選ぶ。」
    「ハリー・ポッターと賢者の石」

    イチイとヒイラギ

    ハリーとヴォルデモートは、「兄弟杖」(2本とも、ダンブルドアのペットの不死鳥、フォークスの羽を芯とする)を使っていました。それを聞いて、はじめは変な感じがするかもしれませんが、ふたりには共通点がたくさんあります。ヴォルデモート卿とハリーのあいだにあるつながりは、まず分霊箱であることが挙げられます。ハリーはそのせいでパーセルタング(蛇語)が話せたのでした。それ以外に、育った環境も似ていました。ふたりとも孤児でマグルに育てられ、長い間、自分が魔法使いだという事実に気づかずに暮らしていました。それから、ふたりともペベレル家に代々伝わる秘宝を持っていることから、おそらく、血がつながっているのだろうと考えられます。ハリーとヴォルデモートの主な違いを理解するためには、ふたりの杖に使われている木材を調べてみればよいでしょう。

    イチイの杖は、生と死にまつわる力を持ち主に与えると言われています。
    「杖に使用される木材」Pottermore

    ヴォルデモートの杖に使われているイチイの木には、毒があります。実の果肉以外の部分には、人間に死をもたらすアルカロイドが含まれています。そんなイチイの木のように、ヴォルデモートは多くの人々の死を招きました。また、ヴォルデモートが掲げていた純血主義などの思想は、イチイの木と同じくらい毒性がありました。

    イチイには、木が枯れたあとも毒が消えないという面白い性質があります。同様に、ヴォルデモートがゴドリックの谷で敗れた後も、分霊箱や死喰い人は消えずに残り、人々の心や命を滅ぼしました。


    『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

    ヒイラギの杖は、危険で時にスピリチュアルな旅をする者を持ち主に選ぶ。
    「杖に使用される木材」Pottermore

    ハリーの杖は、ヴォルデモートの杖とは全く違います。ヒイラギは、幸運や成功、魔除けの象徴としてよく知られています。古くから、古代ローマの農神祭、キリスト教不信者の冬至のお祭り、もちろんクリスマスなど、慣習的なお祝いで使われてきました。

    ヒイラギのように、ハリーはヴォルデモートという悪をはね返し、魔法使いを団結させ、魔法界は「生き残った男の子」を祝福しました。


    『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

    ニワトコ

    ニワトコの杖と相性がいいのは、並外れた能力を持つ魔法使いだけです。ニワトコの杖の持ち主となり、使いこなすことができる数少ない魔法使いは、必ず特別な運命を背負うことになるでしょう。
    「杖に使用される木材」Pottermore

    ニワトコの木は、ドルイドの神話のなかで興味深い役割を果たしています。この神聖な植物は、人々を癒す力だけではなく、魔法の世界とつながりを持っていると信じられていました。ニワトコの木を切ったり、燃やしたりすることは、地母神を怒らせ、災いが起きると言われていました。ウイッカ信者のあいだでは、こんなふうに言われています。「ニワトコは女性の木。燃やせば呪われる!」伝説的なニワトコの杖は、材料となるために切られた瞬間から呪われていたのかもしれません。

    素晴らしいものであると同時に恐ろしいものである、というニワトコの杖の性質はそれを長年持っていたアルバス・ダンブルドアを見ると、本当のように思えます。ダンブルドアは、才能あふれる魔法使いでしたが、同時に家族の悲劇的な過去に呪われていました。力を悪用することの危険性を理解したとき、ニワトコの杖はダンブルドアのものになりました。この強力な杖は、間違った使い方をされると、すぐに持ち主を見捨ててしまいます。ダンブルドアは、知恵を使って魔法使いたちが道を踏み外さないように正しい方向へ導くという特別な運命を背負っていました。


    『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

    ニレ

    純血の魔法使いにしかニレの杖を使いこなすことができない、という迷信は、自分の血統を証明したいと考えるニレの杖の持ち主によって広められたのでしょう。
    「杖に使用される木材」Pottermore

    ニレは、イギリスの田舎に多く見られていた木で、寿命は約2000万年だと言われています。ニレは、長く、力強い血統を象徴しているので、伝統ある家系出身の魔法使いにふさわしい、と考えられていたのも不思議ではありません。ルシウス・マルフォイもニレの杖を持っていましたが、後にヴォルデモート卿のものになりました。

    残念ながら、ニレには、死や病気など悪い繋がりもあります。かつて、ニレの木は棺の材料として使われていましたし、突然、枝が枯れて折れるという性質も有名です。オランダ産のニレの木の病気が多くの種類の木を絶滅させました。そのため皮肉にも、ニレは堕落や腐敗の象徴としてとってかわってしまったのです。これは、ルシウス・マルフォイが地位から転落することと相応し、ルシウスの信念――例えば、マグルへの態度など――が根本から腐敗していることを表しています。


    『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

    樫の木

    樫の木の杖は、持ち主と苦楽を共にする忠実なパートナーとなります。
    「杖に使用される木材」Pottermore

    木の大きさや寿命の長さから、樫の木は強さと生命力を象徴しています。虫や鳥をはじめとした生き物に食べ物を提供し、またすみかとなって、イギリスにあるほかのどの木よりも、多くの生命を支えています。「大きくて、強く、動物たちに優しい」人物、と聞いて誰を思い浮かべますか?もちろん、ルビウス・ハグリットですよね。

    明らかな体の大きさや強さ以外にも、ハグリットは驚くほど我慢強い一面があります。家族や友だちを亡くし、ホグワーツを退学になり、アズカバンに投獄され、半巨人であることから偏見にさらされてきましたが、そんな厳しい状況を生き抜いています。ハグリットの樫の木の杖は折れてしまったかもしれませんが、どんなものも彼自身の心と忠誠心を壊すことはできません。

    そういえば、ハグリットのピンクの傘に、破壊された杖の破片は使われていないと思いますよ。


    『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

    CREDIT: COURTESY OF POTTERMORE
    出典:POTTERMORE
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