開心術は、ものすごく煩わしいもの?それとも、とても便利なもの?理解するのが難しい魔法のひとつですが、一部の人からは高く評価される能力でした......
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開心術といえば、ヴォルデモート――スネイプによると、魔法界で最も優れた開心術の使い手だったそうです――を思いうかべるかもしれませんが、全ての開心術士が恐ろしい闇の魔法使いというわけではありません。ダンブルドアも開心術に長けていますし、「ファンタスティック・ビースト」シリーズに登場するクイニー・ゴールドスタインは、生まれながらに、人の記憶や感情を引き出す能力を持っていました。
開心術の全てが闇の魔術ではありません。ただ、他の魔法と同じく重要なのは、その使い方なのです。
開心術とは、人の心に入り込む術のことです。読心術とは違って、クイニーがニュートとリタ・レストレンジの関係を見抜いていたように、相手の心のなかを読み取ります。また、ヴォルデモートが、ハリーの心にシリウスの偽りのイメージを植えつけたように、敵対させるよう仕向けることもできます。
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多くの開心術士は、相手の心に入り込むためには、その人物の近くにいなければなりません。スネイプがハリーに言ったとおり、「魔法では時間と空間が物を言う......」のです。
ただ、いつもこの方法があてはまるとは限りません。ヴォルデモートが赤ちゃんのハリーを殺そうとしたときにできた傷のせいで、通常の開心術のルールとは関係なく、ふたりは繋がってしまいました。ハリーは、はるか遠く離れた場所からヴォルデモートの心を覗き見ることがあったのです。たとえば、ホグワーツで眠っているときや、分霊箱を探す旅をしている最中に。ヴォルデモートとハリーの例は特殊なんですけどね。というのも、ヴォルデモートでさえも、遠くから心に侵入できるのは、ハリーだけだったのですから。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
開心術を学ぶには、まず、呪文を唱えるところから始まります――「開心!レジリメンス!」スネイプが、閉心術の訓練の1日目にハリーにやって見せました。スネイプはその訓練で、ハリーの心にヴォルデモートを侵入させないための能力を教えようとしていました。呪文をかけられた者の閉心術の能力が十分でなければ、自分の心に相手が侵入してくるのを感じるはずです。ハリーがそうだったように、知られたくない記憶が心に浮かび上がってしまうのです。
しかし、スネイプやクイニー、ヴォルデモートのように優れた開心術士は、呪文も杖も使わずに相手の心に入り込むことができます。ちらりと見るだけで十分なのです。
ほとんどの開心術士は、訓練によって身につけますが、例外の魔法使いもいます。クイニーがそのひとりです。クイニーのように生まれながらに人の心を読む能力を持った者は限られています。読もうと思わなくても人の心が見えてしまうのです。クイニーの開心術に悪意はありませんが、ヴォルデモートの開心術と同じくらいやっかいな能力になる可能性もあります。ニュートは、この能力が苦手なようですが、クイニーは自分ではどうすることもできないようです。それは、クイニーのニュートへの言葉からも伺うことができます。
そうね、ごめんなさい。でも読めてしまうの。傷ついた心は読みやすいから。
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)
ニュートは嫌がっていましたが、開心術が重宝されていたことは確かです。開心術を使わなければ、ダンブルドアはクリーチャーについての真実を知ることができませんでしたし、ハリーもヴォルデモートがアーサー・ウィーズリーを攻撃することを不死鳥の騎士団に警告することはできませんでした。クイニーの開心術もまた、ティナとクイニーがそれぞれニュートを理解するうえで助けになりました。
また、開心術の能力は物に授けることもできます。ホグワーツを創設した4人の魔法使いがつくった「組分け帽子」がそうです。組分け帽子は、生徒の心を覗いて、どの寮に入れるべきか決めているのです――便利ですよね。入学式に行われるイベントとしてはちょっと変わっているかもしれないですが。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
しかし、もちろん、開心術は闇の魔法使いたちにとっても役に立つ能力でした。ヴォルデモートは、開心術を使ってハリーを神秘部におびき出します。それから、リドルの館では無防備なマグル、フランク・ブライズを殺すときにも使われていました。おそらく、他にも多くの人を死に招いていることでしょう。この能力を使って、ヴォルデモートは、自分に嘘をついている人物を見つけ出すことができたのです。
開心術は、敵に使われると危険な魔法です。閉心術――開心術による心への侵入を防ぐ術――を身につけていないと、感情や記憶をすべて覗き見られてしまいます。もし、ヴォルデモートに心を覗き見られてしまったら特に危険です。ヴォルデモートに対して嘘をついていたなら、なおさら。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
しかし、開心術士たちも注意しなければなりません。何度か、ハリーは、スネイプの呪文を跳ね返し、その結果、意図せずスネイプを攻撃してしまったことがあります。1回目は蜂刺しの呪い、そして2回目は開心術で、ハリーはスネイプの心に侵入しました。教室のなかでつかう分には特にこれといって危険ではありませんが、開心術を使用する側に知られたくない感情や思考がある場合は、注意する必要があるかもしれません。もし、相手に開心術を使って術が跳ね返されたら、自分の心を相手に見られることになってしまうのですから。ヴォルデモートとハリーの繋がりと同じです......。
うまくいくように願いながら、使ってみてください。
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出典:POTTERMORE
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