ハーマイオニーとニュートは生きている時代こそ違いますが、ふたりには似たところがたくさんあることに気付きましたか?
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
とても頭がよくて、魔法のかばんをもっていて、友情を大切にする人物といえば誰を思い浮かべますか?「ハーマイオニー・グレンジャー」と答えたあなた、正解です。「ニュート・スキャマンダー」と答えたあなたも正解です。そのくらいニュートとハーマイオニーは似た者同士のヒーローなんです。少なくとも、悪を撃退する秘訣をお互い知っています。
ホグワーツ在学中や、きっとそれ以外の場面でも、ハリーとロンにとってハーマイオニーがなくてはならない存在であることは明らかですよね。ニュートはというと、そのユニークな能力を使い、史上最強の黒い魔法使いの企みを阻止し、さらにサンダーバードを故郷に還すという約束を守り続けたのでした。ハーマイオニーとニュートの冒険は時代こそ違いますが、ふたりが生き延び、成功するためにとった行動や方法を見てみると、はっきりと似ているところがいくつも出てきます。
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ハーマイオニーの初登場シーンは、『ハリー・ポッターと賢者の石』の冒頭でホグワーツ特急に乗っている場面でした。そのときのハーマイオニーは、マグルの世界から出てきたばかりでしたが、ホグワーツの制服に身を包み、すでにハリーの壊れたメガネを直す呪文を習得していました。ハーマイオニーはまさに、見知らぬ新しい世界へ飛び込もうとしているところでした。それから、ネビルの逃げ出したヒキガエルを探してあげていました。
ニュートの初登場シーンも同じような状況でした。イギリスからニューヨークに着いたばかりで、税関を通るところでした。マグルのような服を着て、一見魔法界のものには見えないトランクを持っていました。あまりに普通に見えたため、ノー・マジのジェイコブのトランクと取り間違えられてしまいます。ちょっと気合いはいりすぎちゃいましたかね。
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
ハーマイオニーとニュートの類似点を語るうえで、ふたりがすごい収納力のかばんを持っていることは、ちゃんと取り上げなければなりません。ハーマイオニーの小さなビーズのバッグのなかにはちょっとした図書館ほどの本と、テントや、フィニアス・ナイジェラス・ブラックの肖像画、大量の魔法薬、服、食べ物など、ありとあらゆる物が入っていたにも関わらず、持ち運びにも優れていましたよね。靴下や、服のなかに隠すことができるほどの小さなバッグにいろいろなものを入れて持ち歩けるのだから、本当に便利です。
しかし、魔法のかばんといえば、ニュートのトランク以上のものはないでしょう。トランクのなかでは、ニュートの飼育する魔法動物それぞれに合った生息環境が整えられ、そこで保護されています。
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』よりニュート・スキャマンダーとニフラー
ハッフルパフ寮とグリフィンドール寮に組み分けされた、ニュートとハーマイオニーですが、レイブンクローの寮生らしい素質も兼ね備えています。例えば、ハーマイオニーは授業中すべての質問に手を挙げていました。それに、ハーマイオニーがものすごい読書家なおかげで、ハリーとロンが絶体絶命の状況から何度救われたか、数え切れません。「悪魔の罠」に捕まったときはどうだったでしょうか?ハーマイオニーは、ちゃんと呪文を覚えていました。論理や言葉のパズルは?問題なし。N・E・W・T(めちゃくちゃつかれる魔法テスト)レベルの魔法薬学の知識を2年生で習得?こちらも完璧にこなしました。
ニュートも同じように、常に魔法動物学者として、自分の知性とトランクのなかにいる魔法動物たちを使って、ニューヨークでは(なるべく)トラブルに巻き込まれないようにしていました。発情期のエルンペント?ニュートは求愛ダンスを知っていました。いたずら好きなニフラーは?扱い方を知っていました。ダンブルドアもそうですが、独創的に物事を考える人はかっこいいですね。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
ニュートとハーマイオニーの知性が、必ずしもすぐに、ちょうど欲しかった答えに導いてくれるとは限りません。しかし、ふたりの好奇心あふれる性格のおかげで、答えにたどり着けることがよくありました。たとえば、ルーピン先生が狼人間だということに、ハーマイオニーがすぐに気付いたように、ニュートもクイニーが開心術士だということに興味津々でしたし、他のオブスキュラスのことを話すことがクリーデンスを探しだす唯一の方法かもしれないとすぐに気付きました。しかし、いま挙げた例は、ふたりが状況からとっさに答えを導き出しただけで、このふたりの推理力はこんなものではありません。
ハーマイオニーは、学校を飛び交う噂と、図書館での調べ物で得た情報をつなぎあわせて、スリザリンが隠していた怪物の正体をつきとめました。いいタイミングで答えを導き出したおかげで、ハーマイオニー自身もペネロピ―・クリアウォーターも、バジリスクの魔の手による死から逃れ、ハリーとロンが事態を解決することを手助けしました。
ニュートはというと、トランクから逃げ出した、ずる賢く、逃げるのが上手な魔法動物たちを、見知らぬ街で捕まえることができました。ティナの協力を得ますが、魔法動物たちの居場所に導いてくれるのは、その気持ちになりきれるニュートだけです。本能的にまず魔法を使い、論理的に推理するのは二の次な世界で、ハーマイオニーとニュートは一線を画しています。
ニュート・スキャマンダーはニューヨークに旅行で来たわけではありません。むしろ危険な(そして違法な)航海をしてアメリカにやってきたのは、サンダーバードのフランクを故郷のアリゾナ州に還してやるためでした。ニュートは、エジプトで密輸業者からフランクを救っただけでなく、体力を回復させ、嵐のなか故郷へ飛び立つフランクを見送ったのでした。それだけでも十分素晴らしいのですが、ニュートは常に声なき魔法動物のために戦い続けているのです。
それから何年も経って、ハーマイオニーは屋敷しもべ妖精が受けているひどい扱いに気付き、一般的な意見に反抗してでも、その権利向上を目指した運動を始めます。ハーマイオニーが創設したS.P.E.W.に賛同する人は少なかったかもしれません。しかし、この活動は、ハーマイオニーが常に持ち続けている優しさを象徴しています。一応言っておくと、ハーマイオニーのメッセージを受け取った人も居ることは確かです。少なくとも、ロンには届いています。
さて、今回は、全く違う時代を生きた、ふたりのとても賢い魔法使いに注目してみました。ニュートに似た魔法ワールドのキャラクターを探すのもいいですね。読書家で、賢くて――そしてなによりも――優しい魔法使いです。
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